公開日: 2023/12/19
更新日: 2024/09/30
インビザラインのマウスピース矯正を始めたいけれど、「治療中に虫歯になったらどうしよう?」と、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、インビザライン矯正治療をしているあいだの虫歯を防ぐため、考えられる原因や具体的な対策を紹介。
またインビザライン治療中に虫歯が発生した場合の対処法や作り直しの必要性についても、詳しく解説しています。
本記事を読めば、インビザライン矯正中の虫歯予防について理解が深まり、安心して治療を受けることができるでしょう。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
インビザラインは、必ずしも「虫歯になりやすい矯正方法」というわけではありません。
一般的に、矯正治療中は普段と比べて虫歯になりやすいと言われています。
これは矯正装置に食べかすや細菌が溜まりやすく、口腔内のケアが不十分だと虫歯菌を増殖させてしまうためです。
ただそのなかでも、インビザラインはマウスピースの取り外しができるため、固定式のワイヤー矯正と比べてケアがしやすい矯正方法です。
簡単に取り外せることで、歯磨きやマウスピースの手入れがしやすく、虫歯リスクを減らすことができます。
また定期的にマウスピースを交換するため、マウスピース自体も清潔に保ちやすいです。
ではインビザライン矯正で虫歯になってしまうのは、どのような場合なのでしょうか。
ここでは虫歯になる原因について解説します。
マウスピースを着用しているあいだは、口腔内の自浄作用が低下してしまい、虫歯になりやすくなる場合があります。
唾液には口腔内を清潔に保つ自浄作用がありますが、インビザラインを使用することでこの効果が薄れます。
マウスピースをしていると、唾液が歯並び全体に行き渡らず、結果として歯の汚れが溜まったりやすくなり、虫歯や口臭を引き起こします。
マウスピースを付ける際には歯磨きをして、口腔内を清潔に保つようにしましょう。フッ素入りの歯磨き粉を使うと、虫歯予防に効果的です。
食事をした後に歯磨きをせず、そのままマウスピースを装着すると、食べかすが残って、これが虫歯菌を増殖させる原因となります。
食事後は必ず口をすすぎ、歯磨きを行ってからマウスピースを装着するようにしましょう。
またマウスピース自体も専用のクリーナーで定期的に清掃するなど、日頃から清潔を保つように心がけることが大切です。
インビザライン治療では、口腔内が乾燥することで、虫歯に繋がってしまうことがあります。
マウスピースを使用しているあいだは、口が開きやすくなるなどの理由で、口腔内が乾燥しやすいです。
口腔内が乾燥すると、歯に付着した汚れが固まってしまいます。固まった汚れは、普通に歯磨きをしても落ちにくく、蓄積されていってしまいます。
その結果、虫歯菌が増殖してしまい、虫歯になるリスクが高くなります。
口腔内の乾燥を防ぐためには、定期的に水分補給を行うことが効果的です。ただ、マウスピースを装着したまま飲めるものは、水だけです。糖分が入った飲み物を飲むと虫歯の原因になりますので注意しましょう。
インビザラインで虫歯になりやすい部分は、そもそも一般的に虫歯になりやすい部位と、インビザライン特有の虫歯になりやすい部位にわかれます。
出典元:2017年7月「大阪大学歯学部附属病院広報誌 NewsLetter vol.12」より
一般的に、虫歯になりやすい3大好発部位(3大不潔域)というものがあります。
①咬む面の溝
②歯と歯のすき間
③歯と歯茎の境目
この3か所は、インビザライン矯正でも虫歯の要注意ポイントと言えます。
インビザライン矯正では、歯を動かしやすくするためにアタッチメントという装置を歯の表面につけます。
アタッチメント周囲は歯と段差ができるため、汚れがたまりやすくなり虫歯の注意が必要な部位です。
インビザライン矯正を始める前に虫歯がある場合、まずは虫歯を治療してから、矯正治療を行う必要があります。
虫歯は矯正治療の進行に影響を及ぼす可能性があるからです。
ここで「通っている矯正歯科では虫歯があるのに教えてくれなかった」という声もあります。
これは矯正専門の歯科では矯正治療を優先してしまい虫歯のチェックを怠ったり、一般歯科に虫歯のチェックを任せていたりすることが考えられます。
通常、はじめのカウンセリングで口腔内の健康状態をチェックして、もし虫歯が発見された場合は、矯正治療に進む前に治療するよう勧められます。 そのため、初回のカウンセリングで「虫歯があるかの確認を行ってくれるか」もクリニック選びの一つの指標となるでしょう。
スマイルモア矯正では、【無料】の初回検診で、虫歯のチェックを含めた矯正治療の相談が受けられます。気になる方はぜひ一度ご相談ください。
それでは、もしインビザライン矯正中に虫歯ができてしまったら、どうするのでしょうか。
基本的に、歯科医は矯正しているあいだも口腔内をチェックしており、虫歯を発見したら患者に報告して、治療を促してくれます。
矯正専門の歯科であれば、一般歯科への通院を案内してくれるでしょう。
インビザラインはマウスピースの取り外しができるため、矯正中でも虫歯治療が可能です。しかしその対処方法は、虫歯の進行具合によって変わります。
虫歯の状態はCOからC4までの段階で分類され、段階によって対処法が異なります。
CO:初期虫歯。治療が不要なことが多い。
C1:エナメル質の虫歯。基本的に症状はなし。
C2:象牙質まですすんだ虫歯。「冷たいものが染みる」など、症状が出ることも。
C3:歯の神経に至る虫歯。強く痛みが出ることが多い。
C4:虫歯で歯の神経が死んでしまった状態。根管治療が必要。
軽度の虫歯(C0〜C1)は、表面のエナメル質が溶け始めている状態です。
基本的に経過観察になることが多く、フッ素を塗布するなど再石灰化を促進する処置を行って治療することができます。
軽度の虫歯の治療であれば、インビザラインのマウスピースを作り直す必要はなく、矯正治療の進行に大きな影響を与えることは少ないでしょう。
インビザライン治療中に中度の虫歯(C1〜C2)が発見された場合、矯正治療と虫歯治療を並行して行うことが多いです。
C2段階の虫歯とは、エナメル質を超えて象牙質に達している状態で、放置するとさらに進行してしまいます。そのため、矯正治療を継続しつつ、虫歯の治療も早めに進める必要があります。
中度の虫歯治療では、虫歯の部分を削り、詰め物や被せ物などの処置が必要です。
基本的にはコンポジットレジンという素材での修復が多いですが、虫歯の大きさによってはインレーという型取りが必要になる場合もあります。
虫歯が比較的大きい場合、歯を削って埋めると、もとの歯と形が変わってマウスピースが合わなくなる場合があります。
そうなると新たにマウスピースの作り直しが必要になり、治療期間が伸びてしまう可能性が出てきます。
重度の虫歯(C3〜C4)が発見された場合、矯正治療を一時中断して、虫歯治療を優先することが必要です。
C3〜C4の虫歯は、歯の神経にまで達している虫歯であり、最悪の場合抜歯になるケースもあります。
この段階での虫歯は、単なる詰め物や被せ物だけでは対処できず、根管治療が必要になります。
虫歯の状態によっては、治療計画そのものの見直しが必要になるため、虫歯治療が概ね終わってから、矯正治療が再開され、新しいマウスピースの作成や治療計画の調整が行われます。
ここまでインビザライン矯正中に虫歯になってしまう原因や位置、その治療方法を解説してきました。
矯正治療中には、虫歯にならないのが1番です。そのため最後に、虫歯を防ぐために気にかけるべきポイントを4つ紹介します。
これまでにも触れている通り、インビザラインで虫歯にならないためには、口腔内を常に清潔に保つことが欠かせません。
歯磨きをする際には、歯ブラシとあわせてフッ素入りの歯磨き粉を使用し、丁寧に歯を磨くようにしましょう。
また食後は、マウスピースを着ける前に必ず歯磨きを行いましょう。
歯磨きせずにマウスピースを装着すると、食べかすがマウスピースと歯に密着し、虫歯菌を増殖させる原因となります。どうしても歯磨きが難しい場合は、うがいだけでも効果的です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやマウスウォッシュの使用もできると理想的です。
マウスピースを装着したまま飲食を行うと、食べかすや水分がマウスピースの隙間に溜まり、虫歯菌が増殖してしまいます。
特に糖分を含む飲食物は、虫歯菌にとっての栄養源となるため、注意が必要です。
糖分が入っていなくても、コーヒーや紅茶などの熱い飲み物は、マウスピースを変形させる恐れがあるため、マウスピースを外して飲んでください。
日頃から気にかけていても、マウスピースには口腔内の細菌や食べかすが付着し、溜まっていきます。そのため、毎日の洗浄が欠かせません。
マウスピースは最初に水ですすいでから、柔らかい歯ブラシで優しくこすります。歯磨き粉を使用すると、マウスピースに傷がつき汚れがたまりやすくなるため、使用しないでください。
歯ブラシだけでなく、定期的にマウスピース用洗浄剤を使用することも効果的です。
ただし、熱湯に浸けるとマウスピースが変形することがあるので、注意しましょう。
インビザライン矯正中は、こまめに水分を取るようにしましょう。
マウスピースを長時間装着していると、口腔内が乾燥しやすくなります。乾燥を防ぐためには、定期的な水分補給が欠かせません。
水分補給には、ミネラルウォーターが適しています。
糖分が多く含まれるジュースなどは虫歯のリスクを高めるため、インビザラインを装着している間は、控えましょう。
基本的には、水を摂るときにマウスピースを外す必要はありません。
ただしコーヒーやジュースなど色の付いた飲料を飲む場合には、マウスピースを外してから飲むことをおすすめします。場合によっては、マウスピースに色移りしてしまう可能性があるからです。
この記事では、インビザライン矯正治療中の虫歯予防法と、もし虫歯が発生した場合の対処法について詳しく解説しました。
インビザライン矯正は、適切なケアを行って十分な注意を払えば、虫歯のリスクを最小限におさえることが可能です。
本記事が、インビザライン矯正中の虫歯予防に対する理解を深め、安心して治療を続けるための参考になれば幸いです。
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