インビザラインの保定期間はどれくらい?注意点についても解説

公開日: 2023/12/13

更新日: 2024/09/30

インビザライン保定期間アイキャッチ画像 矯正治療の効果を維持し、手に入れた美しい笑顔を持続するには、保定期間の理解と適切なケアが不可欠です。
この記事では、インビザラインの保定期間に関する基本情報やインビザライン矯正を考えている方の疑問や悩みにお答えします。後半には、よくある質問を厳選してご紹介していますので、お役立ていただけますと幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。

インビザラインの保定期間はどれくらい?

インビザラインマウスピースの画像

保定期間ってなに?

保定期間とは、矯正治療が終わった直後の歯や周囲組織がまだ不安定な時期に、歯の動き(後戻り)を防ぐために設けられる期間のことをいいます。
インビザライン矯正に限らず、すべての矯正治療が終わった後にはこの保定期間が必要になります。

後戻りを防止するためには、保定装置(リテーナー)を装着することが必須です。
保定装置(リテーナー)は、歯の位置を安定させるまでの間、歯を固定するために使用され、この保定装置を使って歯を固定する期間を、保定期間と呼びます

インビザラインの一般的な保定期間はどれくらい?

インビザライン矯正の治療後、歯並びを保つための保定期間は、一般的に治療期間と同じくらいが目安ですが、最短で1年、最長で2年程度の保定期間が設けられます。

ただし、矯正後の歯並びが安定するまでの期間は、個人の歯の状態や年齢などによって異なるため、注意が必要です。

1日20時間以上装着する必要がある

矯正治療が終わった後は、食事や歯磨きの時間を除いて、可能な限り一日中(20時間以上)保定装置を着けることが重要です。
保定開始から、半年~1年経過した後には、歯科医師の指示に従い、徐々に装着時間を短くしていくこともあります。

インビザライン矯正の保定装置として最も使用頻度が高いのは、インビザライン・ジャパン株式会社が提供する目立ちにくいマウスピース型の保定装置「ビベラリテーナー」です。
このビベラリテーナーを使用する際も、保定を始めてから最初の半年以上は、1日に20時間以上の装着が必須です。
20時間というと、食事や歯磨きの時間を除いた、ほぼ一日中装置を身につけているということになります。
一部のクリニックでは昼間の装着を省略し、夜間だけの装着を許可することもありますが、この方法では装着時間が不足し、歯が元の位置に戻ってしまうことが多いです。

もちろん、歯の後戻りには個人差があり、保定装置をあまり装着しなくても後戻りしないケースも稀にあります。しかし、多くの場合は後戻りしやすいのが実情です。

そのため、患者さんが頑張って綺麗になった歯並びを長く保つためには、十分な時間保定装置を装着し続けることが推奨されます。

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インビザラインの保定期間はなぜ重要?

歯科医師が説明するイラスト 歯列矯正治療を終えた後、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」は、多くの患者さんが直面する問題です。
この後戻りを防ぐためには、保定期間の重要性を理解し、適切なケアを行うことが不可欠です。

後戻りって何?

後戻りとは、矯正治療後に歯の位置や咬合が元の状態に戻ってしまう現象のことです
矯正治療後は、歯や歯茎・骨・歯根膜などの周囲組織が不安定な状態です。これらの組織と歯並びが安定するまでの間、保定装置を使用して歯の位置を固定することが目的です。

特に、捻転歯(歯が捻じれて回転していた歯)は後戻りしやすいとされています。

後戻りを防ぐための対策の一つにオーバーコレクションがあります。
オーバーコレクションとは、戻りやすい歯が後戻りすることを見越して少し過剰に歯を動かす、「動かし過ぎ」の状態にしておく方法です。

後戻りの主な原因には、以下のようなものがあります。

1.リテーナーの使用が十分でない

後戻りの主な原因は、リテーナーの使用不足です。 矯正治療は、歯を動かすための動的治療と、動かした歯を固定するための保定の二段階を経て完了します。
治療で綺麗に整った歯並びを安定させるためには、リテーナーの使用が不可欠です。 しかし、リテーナーの装着時間を守らなかったり、期間が短かったり、使い方を間違えたりすると、歯並びが後戻りします。

2.舌の癖がある

歯は、外側からの唇や頬の圧力と、内側からの舌の圧力のバランスで位置が決まりますが、舌の癖などの悪習癖はこのバランスを崩し、歯に良くない力が加わります。

矯正治療後に舌癖(特に舌を前に出す癖)がある場合、前歯の間に隙間ができて開咬になったり、前歯が前方に戻って出っ歯になったりします。
舌癖は口腔筋機能療法(MFT)によって改善できますが、専門の指導が必要です。

矯正治療開始時にMFTを始め、矯正装置を外して保定装置に置き換えるまでに舌癖を改善し、治療終了後もトレーニングを続けることが大切です

3.親知らずが生えてきた

矯正治療前に親知らずを抜歯するのが一般的ですが、子供の頃に矯正を受けた方や部分矯正を受けた方の中には親知らずが残っているケースもあります。
親知らずが横向きや斜めに生え手前の歯を圧迫すると、歯並びに悪影響を与えます
そのような場合、親知らずの抜歯を検討し、適切な対応をすることが重要です。

4.成長や加齢

若い患者さんの場合、成長に伴ってあごの骨や歯の位置が変わることで後戻りが生じる場合があります。
しかし、成長や加齢による後戻りは誰しもが起こりうる歯並びの変化といったほうが正確です。常に歯は削れたり、動いたりしているので、何もしなければ歯は一生動き続けます

したがって歯並びを長期間維持するには、頬杖、横向き寝、うつぶせ寝、唇の巻き込み、舌の癖などの生活習慣の改善も重要になります。

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保定期間は延びることがある

頭に手をあて悩んでいる女性

保定期間が延びる原因

インビザラインの保定期間が延びる一番の原因は、矯正後の歯が後戻りしてしまう場合です。 特に多いのが、リテーナーの装着時間や装着期間が短い場合です。

決められた時間、特に1日20時間以上1年間以上のリテーナーの装着が不十分な場合、歯が後戻りする可能性が高くなります。
後戻りした歯を治す場合は、リテーナーでは対応できないため、再度歯列矯正が必要になるでしょう。

保管期間を延ばさないためにやるべきこと

インビザライン治療の保定期間を延ばさないためには、以下の対策が有効です。

1. リテーナーの適切な装着と管理

1日20時間以上の装着を徹底しましょう。装着時間が不十分だと、歯が計画通りに動かず、治療期間が延びる原因になります。

2. リテーナーを破損させないように扱う

食事や歯磨きの際にはリテーナーを外す必要がありますが、着脱する際には奥歯側から優しく行うことが肝心です。 リテーナーの取り外し方

また、リテーナーのお手入れには、力を入れすぎず、歯ブラシで優しく掃除することが望ましく、強く磨くとリテーナーが変形したり割れたりする可能性があります。

専用のケースを使用してリテーナーを保管することも重要です。外出時にリテーナーを外した場合、ポケットに入れたりティッシュで包んだりすると、変形や破損の原因になりがちです。

3. 舌癖や歯ぎしりなどの悪い癖を治す

舌の癖や食いしばり、歯ぎしりなども、リテーナーの効果を低下させる原因となります。
リテーナーを外している間に癖が続けば、歯に力が加わり、歯並びが元に戻ることがあります。

4. 通院スケジュールを守る

治療後の状況を確認し、必要な調整を行うためにも、定期的な通院は欠かせません。   担当医の指示に従い、計画通りに通院しましょう。

これらの対策を実施することで、インビザライン治療後の効果的な保定を実現できるでしょう。計画に沿って適切に管理し、保定期間の延長を防ぎましょう。

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インビザライン後の保定装置(リテーナー)の種類

保定期間に使用される保定装置(リテーナー)は、歯が元の位置に戻ることを防ぎ、矯正された位置で安定するのを助けます。
後戻り予防の保定装置の種類は以下が挙げられます。

マウスピースタイプ

マウスピースタイプのリテーナーの画像 透明なマウスピースを使用するタイプのリテーナーです。 透明性が高く、目立ちにくいのが特徴です。しかし、耐久性は低めで、強く噛みしめると破損しやすい点がデメリットです。

ビベラリテーナー

インビザライン矯正の保定装置として最も使用頻度が高いのは、インビザライン・ジャパン株式会社が提供する、目立ちにくいマウスピース型の保定装置「ビベラリテーナー」です。

一般的なマウスピースタイプリテーナーに比べ長持ちするよう独自に開発した素材を使用し、亀裂や破損のリスクを低減しています。

ワイヤータイプ(フィックスリテーナー)

ワイヤーリテーナーの画像 ワイヤータイプは、取り外しできないタイプのリテーナーで、主に前歯の裏側にワイヤーを張り付けて歯列を固定します。
ワイヤーは歯の裏に装着されるため、見た目には目立ちにくいですが、歯磨きしにくくなるというデメリットがあります。

プレートタイプ

プレート型リテーナー プレートタイプのリテーナーは、歯の表側にワイヤーを通し、裏側はプラスチックで固定されます。
取り外しが可能で、歯磨きや食事に支障をきたしませんが、見た目が目立つというデメリットがあります。

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インビザラインを使った矯正治療のメリット

インビザラインのマウスピース画像 インビザラインの詳しいプランや特徴について知りたい方は、こちらもどうぞ。

痛みや違和感を感じにくい

インビザラインは、従来の金属ワイヤーやブラケットを使用した矯正治療と比較して、痛みや違和感が格段に少ないという大きなメリットがあります。
これは、インビザラインが使用する0.5mmの薄いマウスピースが、歯を一度に大きく動かさず、徐々に微調整していくためです。
また、マウスピース自体が歯の部分だけを覆う最小限の形態で設計されており、異物感が少なく、日常生活での不快感が軽減されます。

取り外ししやすい

インビザラインは必要に応じて自分で簡単に取り外せます。
食事や歯磨きの際にはマウスピースを外して行えるため、食事の制限が少なく、口腔衛生の維持が容易になります。

また、特別なイベントや写真撮影時など、見た目を気にするシーンでもマウスピースを外せるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な対応が可能です。

目立たない

インビザラインの透明なマウスピースは、従来のワイヤー矯正装置に比べて目立ちにくいのが特徴です。
特に社会人やティーンエイジャーにとって、目立たない矯正方法は大きな魅力です。
透明なマウスピースは、周囲の人が気づきにくく、矯正治療を行っていることを隠したい人にとって理想的な選択肢となります。

通院にかかる手間や時間が少ない

インビザライン矯正は、通常のワイヤー矯正に比べて通院回数が少なく、治療の手間が軽減されます。
基本的には2ヶ月から3ヶ月ごとの通院で済むため、忙しい人や遠方に住む人にも便利です。また、海外出張や留学などで長期間通院が難しい場合でも、治療の継続が可能です。

症例数の実績が多い

世界中で広く使用されており、全世界で1500万人以上の治療実績があります1)
この豊富な症例数は、インビザライン矯正が多様な歯並びの問題に対応できることを示しています。
また、治療前の3Dシミュレーション(クリンチェック)を用いることで、より確実な治療計画を立てることがき、患者のニーズに合わせた柔軟な治療が実現可能です。

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インビザラインの保定期間に関するQ&A

Q&A

インビザラインの保定装置は夜だけでも大丈夫なの?

インビザラインのリテーナー(保定装置)を夜間のみ装着することは、歯並びの後戻りリスクを高めます
理想的な保定期間中のリテーナーの装着時間は1日20時間以上が推奨されています。 夜間のみの装着では、最大で10時間程度の装着になり、1日の大半をリテーナーなしで過ごすことになります。そのため、歯が元の位置に戻ろうとする力に対抗するのが難しいと言わざるを得ません。
したがって、夜間のみの装着は、歯並びの安定を維持するには不十分と考えられます。リテーナーの装着時間や期間については、個々の状況に応じて歯科医師の指示に従うことが重要です。

インビザラインの保定装置は1日何時間付ける必要がある?

インビザラインの保定期間中に使用することが多いビベラリテーナーを含め、すべてのリテーナーは、保定開始から最低半年以上は1日20時間以上の装着が必要です。
保定開始直後の歯は後戻りしやすいため、この期間の長時間装着が重要です。

その後、歯の状態が安定してくると、装着時間を徐々に減らしていくことができます
最終的には、就寝時のみの装着でも問題ありませんが、具体的な装着時間の減少スケジュールは、主治医と相談しながら決定することが望ましいです。

インビザラインのリテーナーは一生続けないといけないって本当?

歯やあごの骨は加齢とともに変化し、一生歯は動き続けることが知られています。 後戻りの保定期間が終了した後も、理想的な歯並びを長期間維持するためには、リテーナーの継続的な使用が推奨されます。

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インビザラインの保定期間のブログを見たのですが、知覚過敏が辛いのは本当ですか?

インビザライン矯正中は感覚が鈍くなっているため、保定期間に入った途端に知覚過敏を経験する人もいます

インビザラインを含めた矯正治療には、歯肉退縮や知覚過敏といったリスクが存在するため、気になる方は歯科医院に相談しましょう。

インビザラインのアタッチメントはいつまで付けるの?

インビザラインのアタッチメントは、歯を動かすために必要な装置ですので、矯正治療中は装着しておく必要があります。

一般的に、アタッチメントは矯正が始まる時に装着され、治療が終了し保定期間に入ると取り外されます

インビザラインのリテーナーはいつまで続ければいいの?

リテーナーの装着期間は、一般的には矯正治療に要した期間と同程度ですが、最低1年以上です。

リテーナーの装着を怠ると、歯はほぼ確実に後戻りします。
リテーナーの装着時間は、1日20時間以上が基本ですが、歯並びの安定状況を確認しながら徐々に減らしていくのが一般的です。
最終的には、就寝時のみの装着になることもありますが、理想的な歯並びを維持するためには、長い時間リテーナーを装着することが推奨されます。

インビザラインの保定期間にホワイトニングもできる?

インビザラインの保定期間中にホワイトニングは可能です。
また、インビザライン矯正では、矯正と同時にホワイトニングを実施することも可能です。

保定期間中に食事や喫煙の制限はあるの?

保定期間中の食事制限は、基本的にありません
マウスピースタイプなど取り外しが可能な保定装置を使用している場合、飲食の際に装置を外せば、制限はありません。

また、保定期間中の喫煙は推奨されていません。喫煙すると、口内の唾液が減少し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

インビザラインのリテーナーを作り直しするにはどれくらいの費用がかかりますか?

インビザラインのリテーナーの作り直しにかかる費用の相場は、およそ1万円から6万円程度です。   リテーナーの種類によって作り直しの費用が異なるためです。

・マウスピース型リテーナー:約1~2万円
・ワイヤー型リテーナー:約2~4万円
・プレート型リテーナー:約2~6万円

後戻りが起きると、矯正治療にかかった費用や時間が無駄になる可能性があるため、リテーナーが破損や紛失したら、できるだけ早く作り直しましょう

まとめ

今回はインビザラインの保定期間についてご紹介してきました。

インビザラインの保定期間は、矯正治療後の歯の位置を安定させるために非常に重要です。 この記事で解説したインビザライン矯正の詳細について、治療検討中の方や現在治療を受けている方にとって役立つ情報になりますと幸いです。

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