インビザライン矯正で抜歯は必要なのか?必要なケースやメリット・デメリットも解説!

更新日: 2025/02/06

インビザライン矯正で抜歯は必要なのか?必要なケースやメリット・デメリットも解説!

インビザライン矯正を検討中だけど、抜歯が必要かどうか不安…という方へ。この記事では、インビザラインで抜歯が必要なケースと不要なケースを分かりやすく解説します。抜歯のメリット・デメリット、抜歯が必要な場合の治療期間や費用、抜歯のタイミングなど、気になる疑問を解消!失敗例やデメリットを知ることで、インビザライン矯正を始める前に抱える不安を解消し、最適な治療開始時期判断しましょうを判断する材料を提供します。抜歯が必要なケース、不要なケースそれぞれにどんなメリット・デメリットがあるのか、具体的な症例を交えて解説することで、あなたにぴったりの矯正方法を見つけるお手伝いをします。

インビザライン矯正で抜歯が必要なケース

インビザライン矯正において、抜歯が必要となるケースはいくつかあります。これは、歯並びの状態や治療の目標によって異なります。抜歯が必要かどうかは、精密検査の結果を踏まえて歯科医師が判断します。主なケースは以下の通りです。 無料カウンセリングを予約する

重度の叢生(そうせい)

歯が重なり合って生えている状態を叢生といいます。軽度の叢生であれば、歯を削ったり(IPR:歯間削合)、歯列を広げたりすることでスペースを確保できますが、重度の叢生の場合、これらの方法だけでは十分なスペースを確保できないため、抜歯が必要となるケースがあります。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上の前歯が前に出ている状態を上顎前突といいます。いわゆる「出っ歯」の状態です。上顎前突を改善するためには、歯を後方に移動させるスペースが必要となるため、抜歯が必要となる場合があります。特に、口元を引っ込めることを希望する場合には、抜歯が必要となる可能性が高くなります。

下顎後退(かがくこうたい)

下の顎が後ろに下がっている状態を下顎後退といいます。歯を抜くことによってスペースを空け上顎の歯並びを整えつつ全体的に後方へ移動させることができれば、下顎との差を少なくすることができるため、矯正治療を行う場合に抜歯を行うケースは多いです。

顎の大きさと歯の大きさの不調和

顎の大きさが小さく、歯が大きすぎる場合、すべての歯をきれいに並べるスペースが不足します。このような場合も、抜歯によってスペースを作り、歯を適切な位置に移動させる必要があります。

歯列弓の狭窄

歯列弓(しれつきゅう)とは、歯が並んでいるアーチ状のラインのことです。この歯列弓が狭い場合、歯をきれいに並べるスペースが不足するため、側方拡大を実施しますが、それでもスペースが不足してしまう場合は抜歯を行うことになります。

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抜歯する歯の種類

インビザラインで抜歯が必要な場合、一般的には以下の歯が抜歯されることが多いです。

抜歯する歯理由
第一小臼歯(4番目の歯)矯正治療で最も一般的に抜歯される歯です。前歯と奥歯の中間に位置し、審美性や機能性に大きな影響を与えにくいとされています。
第二小臼歯(5番目の歯)八重歯や転位歯(5番目の歯が内外にずれているケース)といった凸凹な歯並びにおいては、5番抜歯の方が4番抜歯よりも抜歯後のスペースを小さく抑えつつ効果を発揮できるため、向いているケースがあります。
下顎前歯他の歯の抜歯によって空けられるスペースが大きすぎる場合、また、削って後方に送ってもスペースが不足する場合に、下顎前歯1本抜歯を検討します。
上顎側切歯(2番目の歯)永久歯が先天的に欠如しやすい部位は2番と5番ですが、特に審美的に問題となるのは上2番の片側欠損です。この場合、歯列の左右対称性を保つため、もう片方の2番を抜歯することがあります。
失活歯など状態の悪い歯過去に虫歯治療などで歯の神経血管を除去した歯(失活歯)は他の健康な歯より寿命が短いため、優先的に抜歯することが検討されます。

ただし、個々の症例によって最適な抜歯部位は異なるため、必ず歯科医師と相談の上、決定する必要があります。抜歯が必要かどうか、どの歯を抜歯するかは、顔貌、歯並びの状態、顎の骨の状態、そして治療目標などを総合的に考慮して決定されます。

インビザラインで抜歯が不要なケース

インビザラインでは、必ずしも抜歯が必要となるわけではありません。症例によっては、抜歯を行わずに歯並びを整えることが可能です。抜歯が必要かどうかは、歯の大きさ、顎の大きさ、歯列の乱れ具合、そして治療目標によって決定されます。ここでは、インビザラインで抜歯が不要なケースについて詳しく解説します。

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軽度の叢生(そうせい)

歯が重なって生えている状態を叢生といいます。軽度の叢生の場合、歯を削るIPR(インタープロキシマル・リダクション:隣接面削合)や歯列弓の拡大によって、歯並びを整えるためのスペースを確保できるため、抜歯をせずに治療を進めることができます。IPRは、歯と歯の間をわずかに削ることで、歯を移動させるスペースを作る方法です。歯を削る量はごくわずかであるため、歯の健康に影響を与える心配はありません。

軽度の空隙歯列(すきっ歯)

歯と歯の間に隙間がある状態を空隙歯列といいます。軽度の空隙歯列の場合、歯を移動させることで隙間を閉じることができ、抜歯の必要はありません。インビザラ

顎の大きさに十分な余裕がある場合

顎の大きさに比べて歯のサイズが小さい場合や、顎の成長が十分に見込める場合は、抜歯を行わずに歯列を整えることができます。インビザラインでは、顎の成長を予測しながら治療計画を立てることができるため、成長期の患者さんにも適しています。

非抜歯矯正を希望する場合

患者さんの中には、抜歯することに抵抗がある方もいらっしゃいます。そのような場合は、医師と相談の上、非抜歯矯正を選択することも可能です。ただし、非抜歯矯正を選択した場合、治療期間が長引いたり、理想的な歯並びを実現できない可能

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抜歯の基準目安

叢生量矯正治療で最も一般的に抜歯される歯です。前歯と奥歯の中間に位置し、審美性や機能性に大きな影響を与えにくいとされています。
第二小臼歯(5番目の歯)・叢生量4mm以下:非抜歯・叢生量5~9mm:ボーダーライン・叢生量10mm以上:抜歯(参考:プロフィトの現代歯科矯正学:クインテッセンス出版)
重度の出っ歯オーバージェットが6mm以上の場合抜歯
口ゴボ(上下顎前前突)口元の突出が著しく、口を閉じることが困難な場合抜歯

上記はあくまで一般的なケースであり、実際の抜歯の必要性は、精密検査や診断に基づいて決定されます。矯正歯科医は、患者さんの口腔内状態、顎骨の状態、歯並びの状態、そして治療目標を総合的に判断し、最適な治療方法を提案します。インビザラインでの治療を検討している方は、一度矯正歯科医に相談し、詳しい検査を受けることをおすすめします。

インビザラインで抜歯するメリット・デメリット

インビザラインでの矯正治療において、抜歯が必要となるケースがあります。抜歯にはメリットとデメリットが存在するため、それぞれを理解した上で治療に臨むことが重要です。ここでは、インビザラインで抜歯をするメリットとデメリットを詳しく解説します。

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インビザラインで抜歯するメリット

抜歯を行うことで得られるメリットは主に以下の通りです。

メリット詳細
歯並びの劇的な改善歯を抜くスペースを利用することで、歯列全体を大きく動かすことが可能になります。そのため、重度の叢生(歯の crowding)や出っ歯、受け口などの改善に効果的です。非抜歯矯正では難しい大きな歯の移動を実現できるため、理想的な歯並びや噛み合わせに近づきやすくなります。
後戻りのリスク軽減矯正治療後に歯が元の位置に戻ることを後戻りと呼びますが、抜歯を行うことで歯が無理なく正しい位置におさまり安定する場合、後戻りのリスクが減少します。
口元の突出感の改善口元が出ている場合、抜歯によって歯を内側に移動させるスペースを作ることで、Eライン(鼻先と顎先を結んだライン)を基準とした美しい横顔に近づけることができます。口元の突出感が軽減されることで、よりバランスの取れた顔立ちになります。
顎関節症のリスク軽減歯並びが悪いことが原因で顎関節症を発症している場合、抜歯によって噛み合わせを改善することで、顎関節への負担を軽減し、顎関節症の症状を改善できる可能性があります。
虫歯・歯周病予防歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。歯が密集していると歯ブラシが届きにくく、プラークが溜まりやすいため、抜歯によって歯並びを整えることで口腔衛生の維持がしやすくなります。

インビザラインで抜歯するデメリット

費用増加抜歯が必要な場合、抜歯費用が治療費に加算されます。抜歯の本数や、親知らずの抜歯が必要かなどによって費用は変動します。
治療期間の延長抜歯を行う場合は、歯の移動距離が長くなるため、治療期間が長くなる傾向があります。
抜歯に伴うリスク抜歯には、痛み、腫れ、出血、ドライソケット、神経麻痺などのリスクが伴います。ただし、これらのリスクは適切な処置を行うことで最小限に抑えることができます。
歯の喪失抜歯は健康な歯を抜くことになるため、歯の本数が減ってしまうというデメリットがあります。一度抜いた歯は元に戻らないため、抜歯の必要性については慎重に検討する必要があります。

抜歯のメリット・デメリットをよく理解し、医師としっかり相談した上で治療方針を決定することが大切です。疑問点や不安な点は、遠慮なく医師に相談しましょう。

インビザラインで抜歯する場合の治療について

インビザラインでの抜歯を伴う矯正治療は、抜歯というステップが加わることで、治療の流れや費用、期間に影響を与えます。抜歯が必要なケースでは、抜歯によって歯並びを整えるためのスペースを作り、より理想的な歯列を目指します。ここでは、抜歯を伴うインビザライン矯正治療について、抜歯のタイミング、治療期間、治療費の観点から詳しく解説します。

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抜歯タイミング

インビザライン治療における抜歯は、一般的に精密検査と診断が完了し、治療計画が確定した後の比較的早い段階で行われます。これは、抜歯によって生じたスペースを利用して歯を移動させるためです。具体的なタイミングはケースによって異なりますが、多くの場合、インビザライン矯正装置の装着開始前、もしくは装着開始直後に行われます。 抜歯後、歯茎の治癒期間を設ける必要があるため、インビザラインの装着開始まで1~2週間程度の期間を空けるのが一般的です。抜歯後の腫れや痛みは通常数日で治まりますが、歯科医師の指示に従って適切なケアを行い、感染症などを予防することが重要です。

治療期間

抜歯を伴うインビザライン矯正の治療期間は、抜歯を伴わないケースと比較して、一般的に長くなる傾向があります。抜歯によって生じたスペースを埋めるための歯の移動が必要となるためです。抜歯ありのインビザライン治療期間は1年~3年で平均2年程度ですが、歯並びの状態や抜歯の本数、顎の状態などによって大きく異なります。 治療期間はあくまで目安であり、個々の症例によって大きく変動します。治療期間については、担当の歯科医師とよく相談し、具体的な治療計画を立てていくことが重要です。定期的な通院と指示の遵守は、治療期間の短縮にも繋がります。

症例(抜歯あり)治療期間
叢生1年~3年(平均2年)
八重歯1年6か月-2年6か月(平均1年11か月)
交叉咬合/クロスバイト1年4か月-2年6か月(平均1年11か月)
空隙歯列/すきっ歯抜歯が必要であったケースなし
上顎前突(出っ歯)1年-2年9か月(平均2年)
下顎前突/反対咬合/受け口1年6か月-2年4か月(平均1年11か月)
開咬/オープンバイト1年8か月-2年(平均1年11か月)
過蓋咬合/ディープバイト2年4か月-2年4か月(平均2年4か月)

※スマイルモア矯正調べ(2023年12月・ウェブサイト上で症例の主訴・症状・治療方法・治療期間・治療費用・フック作用やリスクについて不足なく記載している3クリニックが後悔している計175症例を調査、ただし症例は重複あり)

治療費

抜歯を伴うインビザライン矯正の治療費は、抜歯費用が加わるため、抜歯を伴わないケースよりも高額になる傾向があります。矯正のための抜歯も、保険適用外になります。 インビザラインの治療費は、治療期間、歯科医院によって異なりますが、全体で50万円~100万円程度が相場です。抜歯費用は、1本あたり数千円~1万円程度が一般的です。

症例(抜歯あり)平均治療費用
叢生75万円-102万円(平均87.2万円)
八重歯75万円-90万円(平均85万円)
交叉咬合/クロスバイト90万円-90万円(平均90万円)
空隙歯列/すきっ歯抜歯が必要であったケースなし
上顎前突/出っ歯82万円-102万円(平均85.1万円)
下顎前突/反対咬合/受け口82万円-90万円(平均86万円)
開咬/オープンバイト82万円-85万円(平均84万円)
過蓋咬合/ディープバイト82万円-85万円(平均82万円)

※スマイルモア矯正調べ(2023年12月・ウェブサイト上で症例の主訴・症状・治療方法・治療期間・治療費用・フック作用やリスクについて不足なく記載している3クリニックが後悔している計175症例を調査、ただし症例は重複あり) インビザライン矯正治療は自由診療となるため、健康保険は適用されません。高額な治療費となるため、分割払いなどの支払い方法についても事前に歯科医院に確認しておきましょう。また、一部の医療ローンやデンタルローンを利用できる場合もあります。

まとめ

この記事では、インビザライン矯正における抜歯の必要性について解説しました。症例によって抜歯が必要な場合と不要な場合があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。抜歯が必要なケースは、歯が重なり合っている、顎が小さいなど、歯並びの乱れが大きい場合です。逆に、軽度の歯列不正であれば抜歯せずに治療が可能です。抜歯には、歯並びが綺麗に整う、後戻りがしにくいなどのメリットがある一方、健康な歯を抜く必要がある、治療期間が長くなるといったデメリットも考えられます。抜歯が必要かどうかは、歯科医師の診断によって決定されます。治療を受ける際は、医師とよく相談し、ご自身の状況に合った治療法を選択しましょう。

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