公開日: 2023/11/16
更新日: 2024/10/08
「口ゴボ」という言葉を耳にしたことはありますか?
近年SNSなどで多く目にするようになり、気になっている方も多いのではないでしょうか。
口ゴボは見た目の問題だけでなく、健康上のリスクをも引き起こす可能性もあります。
「もしかして自分も口ゴボなのでは?自力で治せるの?」
そんな疑問を持つ方のために、本記事では、口ゴボになる原因から、口ゴボになる日常の悪習慣、その改善方法について詳しく解説します。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
口ゴボは、上下の唇が前に突き出している状態を指し、専門用語では上下顎前突と言います。
正面から見るとそこまで違和感はありませんが、横から見たときに口元がモコっと盛り上がっています。
唇が突き出して前に引っ張られているので、鼻から下がやや長い印象を持たれることもあります。
一般的に口元を横から見た場合、鼻先と顎を結ぶ線である「Eライン」より内側に唇があると美しいとされていますが、口ゴボの場合、Eラインより上下の唇が前方に出ています。
口ゴボでは口が閉じにくく、無理に閉じると顎にシワができてしまいます。
いわゆる口ゴボといわれる状態は、上下の唇が前に突き出して見える状態です。
一方「出っ歯」は口ゴボとは異なり、上顎側である前歯が下顎側である下の歯よりも、前方に飛び出している状態を指します。こちらは、正確には上顎前突(じょうがくぜんとつ)といいます。
また「受け口」とは出っ歯とは反対に、下の歯が上の歯よりも前方に飛び出している状態を指します。こちらは、下顎前突(かがくぜんとつ)といいます。
自分の歯並びが口ゴボかどうかわからない場合、簡単なセルフチェックで確認することができます。
まず、口をしっかりと閉じて鏡で口元を見てみましょう。口ゴボである可能性が高い人は、口元が前に突出しているため、口が閉じにくく、下顎の下にデコボコした細かいシワが出ることがあります。 顎の下にシワが出ると、下顎にある「オトガイ筋」と呼ばれる筋肉が緊張している状態です。口ゴボの人が無理に口を閉じようとするとオトガイ筋が過度に緊張した状態になるため、顎の下にシワが出るのです。
さらに、唇を閉じたとき、人中(鼻の下)を確認しましょう。口を開いていると時よりも人中が伸びたように感じられる場合も、口ゴボである可能性が高いです。
前方に飛び出した歯を唇で抑え込むようにして口を閉じるため、人中が伸びたように見えやすくなるのです。
先天的な要因として、次の3つがあります。
・骨格の特徴
・歯の大きさや位置
・唇の厚み
顎の骨が通常よりも前に出ている、あるいは上下の顎のバランスが取れていないなど、骨格性の遺伝的な問題が、口ゴボを形成する要因となります。
次に、歯の大きさや位置の問題です。
歯並び自体は良好でも、歯の位置や傾きによって口ゴボが生じることがあります。また、歯が生まれつき大きいと出っ歯や口ゴボになりやすくなります。
最後に、唇などの軟組織の厚みも影響を及ぼします。 特に唇の厚みが普通よりも分厚い場合、口ゴボの一因となることがあります。
口ゴボの後天的な原因は、日常生活に根ざした習慣や癖に大きく関係しています。
特に、口呼吸が常態化すると、口輪筋が緩んで唇の力が弱くなり、前歯が前方に出やすくなります。
また舌の位置も重要で、理想的には上顎に軽く触れるべきですが、間違った位置にあると歯並びのアーチを狭め、口ゴボを進行させます。
指しゃぶりや爪噛みのような癖も、口元の形状に影響を与える要因となります。 特に指しゃぶりは上顎の歯に対して不自然な圧力をかけ続けることで、歯が前方に押し出される原因になります1),2)。
口呼吸を避け鼻呼吸を意識し、正しい舌の位置を保つこと、子供の頃の癖を早期に改善することなどが、口ゴボ予防に効果的です。
アデノイド肥大は特に子供に多く見られる状態で、鼻の奥、上咽頭部にあるリンパ組織が肥大することを言います。
アデノイドが肥大化すると鼻呼吸が困難になり、口を開けて呼吸する「口呼吸」が常態化します。長期にわたる口呼吸は、顎の成長に悪影響を及ぼし、「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔つきになることがあります。
アデノイド顔貌の特徴として、次の3つが上げられます。
・顔が丸くなる
・二重あごになる
・顎と首の境目がなくなる
それだけでなく、鼻詰まり、口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸3),などの症状も発生します。 中でも長期にわたる口呼吸は、顎の成長に悪影響を及ぼし、結果として口ゴボの一因となるのです。
口ゴボは見た目の違和感や口の閉じにくさなどだけでなく、さまざまな影響を身体に及ぼします。 ここでは、口ゴボによって起こりやすくなる身体への影響を紹介します。
まず、噛み合わせに影響を及ぼすことが一つの大きな問題です。
これは食事の咀嚼効率を低下させるだけでなく、長期的に顎関節に負担をかける可能性があります。
咀嚼効率が低下してしまうと、食べたものをしっかりと咀嚼しきれないということになるため、消化不良などの原因となる可能性があります。また、顎関節へ負担がかかり続けると、奥歯がすり減りやすくなり、歯がしみやすい・虫歯になるなどといったトラブルが生じる場合もあります。
また、出っ歯のように歯が前に傾いた口ゴボの場合は滑舌にも影響し、発音が不明瞭になることもあり得ます4),。
歯が前に傾いた状態になっていると口腔内で舌がスムーズに動かせず、滑舌が悪い印象になりやすいです。特にサ行やタ行の音が不明瞭になり、会話における発声に影響を及ぼすことがあると考えられます。
口ゴボは必ずしも歯周病の原因となるわけではありませんが、歯周病の症状の発生につながりやすいといえます。
口ゴボをはじめ歯並びが悪い状態だと、歯磨きなどのセルフケアがしにくい状態となるため、歯周病や虫歯、歯肉炎などのトラブルにつながりやすくなります。
さらに、前歯をスムーズに使用できないことから、奥歯の噛み締め・すり減りなどが生じやすくなるため、奥歯の歯肉へ過度な負荷がかかりやすく、こちらも歯周病や歯肉炎などの原因となりえます。
口ゴボは歯の外傷の危険性もあるとされています。こちらは転倒や衝突などにより歯に強い衝撃が与えられることで、欠けてしまったり、割れてしまったり、歯根が折れてグラグラと動揺しやすくなることを指します。
口をしっかりと閉じにくい口ゴボの状態では、例えば転倒した際など、歯に直接衝撃が与えられてしまう危険性が高いため、外傷を受けやすいと考えられます。
さらに、口ゴボは見た目に関する自己意識やコンプレックスを引き起こす原因となることも。
唇をしっかりと閉じにくいだけでなく、先にご説明した滑舌の問題など、さまざまな側面から心理的負担があり、コンプレックスの原因となってしまう可能性があるのです。
これらの悪影響を踏まえると、口ゴボは治療を検討する価値があります。
口ゴボを治す方法は次の5つです。
・マウスピース矯正
・ワイヤー矯正
・セラミック治療
・外科矯正
・美容整形
マウスピース矯正は、口ゴボの改善に有効な治療法の一つです。
特に前歯が飛び出しているタイプの口ゴボに対して、非常に有効です。
スマイルモア矯正の調査では、マウスピース矯正での口ゴボの治療期間は7か月〜3年1か月で平均1年9か月、費用は30万円〜100万円で平均60万円という結果でした。
ワイヤー矯正は、口ゴボの治療において最も一般的な方法の一つです。
スマイルモア矯正の調査では、ワイヤー矯正での口ゴボの治療期間は1年6か月〜3年2か月で平均2年3か月、費用は85万円〜140万円で平均106万円という結果でした。
セラミックは、もともとある自分の歯に被せものをすることで、前方に突き出している歯を改善していく治療方法です。
金属を使用したマウスピースやワイヤーなどを使用しないため、金属アレルギーの心配もなく、見た目もより美しく見える治療法です。
さらに、セラミックによる被せものを自分の歯に合わせて作ることになるため、自然な色合いに見せることができます。また、歯の形や大きさなども自分の歯に合わせて仕上げることができるといった利点があります。
ただし、歯そのものの位置は変えられないので、歯の角度を全体的に動かす必要があるような歯並びや、骨格に原因があるような歯並びの場合は、思ったような改善が見込めないかもしれません。
また自分の歯を削ってセラミックを被せる必要があるため、歯に大きな負担がかかるといったデメリットもあります。
さらに医院によっては保険がきかない場合もあるため、治療費の負担額が大きくなる可能性も考える必要があります。
外科矯正は、口ゴボの治療において、重度の不正咬合や歯並びと顎の骨格の両方に問題がある場合に選択される治療法です。
例えば、上顎や下顎が極端に突出している場合、顎の骨の位置を正常な状態に戻すため、骨を切って移動させる必要があります。
骨の位置を大きく変化させるので、確実な口ゴボ改善が期待できます。
口ゴボを外科矯正で改善する場合、術前矯正→外科手術→術後矯正の3段階に治療が分かれます。
手術が必要な顎変形症と診断された場合保険適応となり、一般的な自己負担額(3割)は術前後の矯正歯科治療が20~30万、高額療養費制度利用にて入院手術が1回目約24~33万円、2回目(抜釘その他)7~11万円かかります5),。
美容整形は口ゴボの治療において、特に骨格的な問題が原因である場合に選択されます。
矯正治療では歯の位置を変えられますが、骨格の位置は変えられません。そのため、顎の骨の形を変更したい場合には、美容整形が必要になります。
口ゴボの美容整形には、ヒアルロン酸の注入、鼻を高くする手術、プロテーゼ等の顎を出す手術(オトガイ形成術)などがあります。
これらの手術は、顔の特定の部分の見た目を改善することが目的です。
口ゴボを自力で治す方法は存在しません。
しかし、口呼吸の習慣を鼻呼吸に変える、硬い食べ物を意識して食べる、指しゃぶりや爪噛みなどの癖を止めるといった生活の中の小さな意識が、長期的には顎の健康に良い影響を与えます。
自力での治療は危険が伴うので絶対に行わないでください。 口ゴボの状態を改善したい場合は、専門家に相談するのが最も安全で確実な方法でしょう。
「歯並びは良いのに口ゴボっぽい」という悩む人は少なくありません。
実際に見た目は綺麗な歯並びなのにもかかわらず、口元が前方に突出している口ゴボの人もいます。
「歯並びは良いのに口ゴボになる」のは、骨格の問題があるからです。上の顎の骨が前に出ているタイプと、下の顎の骨が後ろに引っ込んでいるタイプに分かれます。
この場合、骨の位置を改善するには、外科手術が必要となることもあります。
口ゴボをはじめ、見た目だけでなく、身体の健康にも影響をおよぼす可能性がある口もとのお悩み。中でもマウスピース矯正をお考えの方には、スマイルモア矯正がおすすめです。
スマイルモアのマウスピース矯正は歯並び全体の改善を行うワイヤー矯正に比べ、短い治療期間で完了するのが最大のメリット。治療期間が短いため、その分人件費や原価を抑えることができます。
価格や治療期間の長さにより、歯並びの治療を諦めていた方も、スマイルモアなら安心して試すことができます。
口元のお悩みなら、スマイルモア矯正にぜひご相談ください。
本記事では、「口ゴボ」といった口元の問題に焦点を当て、その原因から治療法に至るまで幅広く解説しました。
口ゴボが生じる背景には、後天的な習慣や先天的な要因が深く関わっており、それぞれに応じた適切な対応が必要です。
また、矯正治療の選択肢やそれに伴う費用についても触れ、より具体的な理解を深めることができたのではないでしょうか。
口ゴボは見た目の問題だけでなく、健康にも影響を及ぼす場合があります。しかし、正しい知識と適切な治療法を選ぶことで改善は可能です。
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詳しい診断のために、最寄りの提携医院で、いろいろな検査をします。
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歯科医師が、治療後にどんな歯並びになるかや費用の詳細を説明します。気になることがあれば何でも質問できます。
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