公開日: 2023/11/16
更新日: 2024/02/19
「口ゴボ」という言葉を耳にしたことはありますか?
近年SNSなどで多く目にするようになり、気になっている方も多いのではないでしょうか。
口ゴボは見た目の問題だけでなく、健康上のリスクをも引き起こす可能性もあります。
「もしかして自分も口ゴボなのでは?自力で治せるの?」
そんな疑問を持つ方のために、本記事では、口ゴボになる原因から、口ゴボになる日常の悪習慣、その改善方法について詳しく解説します。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
口ゴボは、上下の唇が前に突き出している状態を指し、専門用語では上下顎前突と言います。
正面から見るとそこまで違和感はありませんが、横から見たときに口元がモコっと盛り上がっています。
唇が突き出して前に引っ張られているので、鼻から下がやや長い印象を持たれることもあります。
一般的に口元を横から見た場合、鼻先と顎を結ぶ線である「Eライン」より内側に唇があると美しいとされていますが、口ゴボの場合、Eラインより上下の唇が前方に出ています。
口ゴボでは口が閉じにくく、無理に閉じると顎にシワができてしまいます。
先天的な要因として、次の3つがあります。
・骨格の特徴
・歯の大きさや位置
・唇の厚み
顎の骨が通常よりも前に出ている、あるいは上下の顎のバランスが取れていないなど、骨格性の遺伝的な問題が、口ゴボを形成する要因となります。
次に、歯の大きさや位置の問題です。
歯並び自体は良好でも、歯の位置や傾きによって口ゴボが生じることがあります。また、歯が生まれつき大きいと出っ歯や口ゴボになりやすくなります。
最後に、唇などの軟組織の厚みも影響を及ぼします。 特に唇の厚みが普通よりも分厚い場合、口ゴボの一因となることがあります。
口ゴボの後天的な原因は、日常生活に根ざした習慣や癖に大きく関係しています。
特に、口呼吸が常態化すると、口輪筋が緩んで唇の力が弱くなり、前歯が前方に出やすくなります。
また舌の位置も重要で、理想的には上顎に軽く触れるべきですが、間違った位置にあると歯並びのアーチを狭め、口ゴボを進行させます。
指しゃぶりや爪噛みのような癖も、口元の形状に影響を与える要因となります。 特に指しゃぶりは上顎の歯に対して不自然な圧力をかけ続けることで、歯が前方に押し出される原因になります1),2)。
口呼吸を避け鼻呼吸を意識し、正しい舌の位置を保つこと、子供の頃の癖を早期に改善することなどが、口ゴボ予防に効果的です。
アデノイド肥大は特に子供に多く見られる状態で、鼻の奥、上咽頭部にあるリンパ組織が肥大することを言います。
アデノイドが肥大化すると鼻呼吸が困難になり、口を開けて呼吸する「口呼吸」が常態化します。長期にわたる口呼吸は、顎の成長に悪影響を及ぼし、「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔つきになることがあります。
アデノイド顔貌の特徴として、次の3つが上げられます。
・顔が丸くなる
・二重あごになる
・顎と首の境目がなくなる
それだけでなく、鼻詰まり、口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸3),などの症状も発生します。 中でも長期にわたる口呼吸は、顎の成長に悪影響を及ぼし、結果として口ゴボの一因となるのです。
口ゴボにはいくつかのリスクや悪影響があります。
まず、噛み合わせに影響を及ぼすことが一つの大きな問題です。
これは食事の咀嚼効率を低下させるだけでなく、長期的に顎関節に負担をかける可能性があります。
また、出っ歯のように歯が前に傾いた口ゴボの場合は滑舌にも影響し、発音が不明瞭になることもあり得ます4),。
さらに、口ゴボは見た目に関する自己意識やコンプレックスを引き起こす原因となることも。 これらの悪影響を踏まえると、口ゴボは治療を検討する価値があります。
口ゴボを治す方法は次の4つです。
・マウスピース矯正
・ワイヤー矯正
・外科矯正
・美容整形
マウスピース矯正は、口ゴボの改善に有効な治療法の一つです。
特に前歯が飛び出しているタイプの口ゴボに対して、非常に有効です。
スマイルモア矯正の調査では、マウスピース矯正での口ゴボの治療期間は7か月〜3年1か月で平均1年9か月、費用は30万円〜100万円で平均60万円という結果でした。
ワイヤー矯正は、口ゴボの治療において最も一般的な方法の一つです。
スマイルモア矯正の調査では、ワイヤー矯正での口ゴボの治療期間は1年6か月〜3年2か月で平均2年3か月、費用は85万円〜140万円で平均106万円という結果でした。
外科矯正は、口ゴボの治療において、重度の不正咬合や歯並びと顎の骨格の両方に問題がある場合に選択される治療法です。
例えば、上顎や下顎が極端に突出している場合、顎の骨の位置を正常な状態に戻すため、骨を切って移動させる必要があります。
骨の位置を大きく変化させるので、確実な口ゴボ改善が期待できます。
口ゴボを外科矯正で改善する場合、術前矯正→外科手術→術後矯正の3段階に治療が分かれます。
手術が必要な顎変形症と診断された場合保険適応となり、一般的な自己負担額(3割)は術前後の矯正歯科治療が20~30万、高額療養費制度利用にて入院手術が1回目約24~33万円、2回目(抜釘その他)7~11万円かかります5),。
美容整形は口ゴボの治療において、特に骨格的な問題が原因である場合に選択されます。
矯正治療では歯の位置を変えられますが、骨格の位置は変えられません。そのため、顎の骨の形を変更したい場合には、美容整形が必要になります。
口ゴボの美容整形には、ヒアルロン酸の注入、鼻を高くする手術、プロテーゼ等の顎を出す手術(オトガイ形成術)などがあります。
これらの手術は、顔の特定の部分の見た目を改善することが目的です。
口ゴボを自力で治す方法は存在しません。
しかし、口呼吸の習慣を鼻呼吸に変える、硬い食べ物を意識して食べる、指しゃぶりや爪噛みなどの癖を止めるといった生活の中の小さな意識が、長期的には顎の健康に良い影響を与えます。
自力での治療は危険が伴うので絶対に行わないでください。 口ゴボの状態を改善したい場合は、専門家に相談するのが最も安全で確実な方法でしょう。
「歯並びは良いのに口ゴボっぽい」という悩む人は少なくありません。
実際に見た目は綺麗な歯並びなのにもかかわらず、口元が前方に突出している口ゴボの人もいます。
「歯並びは良いのに口ゴボになる」のは、骨格の問題があるからです。上の顎の骨が前に出ているタイプと、下の顎の骨が後ろに引っ込んでいるタイプに分かれます。
この場合、骨の位置を改善するには、外科手術が必要となることもあります。
本記事では、「口ゴボ」といった口元の問題に焦点を当て、その原因から治療法に至るまで幅広く解説しました。
口ゴボが生じる背景には、後天的な習慣や先天的な要因が深く関わっており、それぞれに応じた適切な対応が必要です。
また、矯正治療の選択肢やそれに伴う費用についても触れ、より具体的な理解を深めることができたのではないでしょうか。
口ゴボは見た目の問題だけでなく、健康にも影響を及ぼす場合があります。しかし、正しい知識と適切な治療法を選ぶことで改善は可能です。
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詳しい診断のために、最寄りの提携医院で、いろいろな検査をします。
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歯科医師が、治療後にどんな歯並びになるかや費用の詳細を説明します。気になることがあれば何でも質問できます。
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スマイルモア矯正を始める場合は、お申込用紙にご記入いただきます。一旦、お家に持ち帰って検討してももちろんOKです。
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