2025-08-29

受け口(反対咬合)としゃくれの違いは?原因と症状、治し方を解説

受け口アイキャッチ画像 本記事では受け口やしゃくれに悩む人へ向けて、その原因から治療法、手術の必要性まで網羅的に解説します。 美しい笑顔と健康な噛み合わせを目指し、受け口やしゃくれの適切な対処法を見つけましょう。
読み終えた後には、きっと自分の歯並びに対する理解が深まり、歯科医へ相談する一歩を踏み出せるはずです。

高橋 涼太 先生

この記事の監修医師歯科医師高橋 涼太 先生

目次

受け口・しゃくれの原因とは?なにが違う?

受け口の女の子

受け口(反対咬合/下顎前突かがくぜんとつ

まずは受け口・しゃくれと呼ばれる状態について知っておきましょう。
受け口(反対咬合)とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態のこと。

本来であれば、上の前歯は下の前歯よりも少しだけ前に生え、被さっているような状況が理想的です。しかし上の歯が後方に向かって傾斜して生えたり、下の前歯が前方に突出して生えたりした結果、受け口(反対咬合)となってしまいます。

つまり受け口とは、歯の生え方や歯並びの状態を指すのです。 そのため「受け口(反対咬合)の状態ではあっても、外見では下顎が出ているようには見えない」という場合も存在します。

しゃくれ

しゃくれは受け口とは異なり、歯の生え方ではなく、骨格により下顎が出ているような横顔に見える俗語です。

しゃくれになる原因は主に2つあります。 1つは上顎の成長不足により、下顎が突出しているように見える例。もう1つは、通常より下顎の骨が長いことで、下顎が出て見える状態です。

このように歯が原因であれば受け口(反対咬合)下アゴが前に出ているような横顔(顔つき)であればしゃくれというように、この2つは厳密には別物です。
どちらに該当するかによって、治療方法も異なってきます。

受け口には大きく分けて2タイプある

受け口には大きく分けて「歯槽性」と「骨格性」の2つのタイプがあります。

歯槽性タイプは、歯並びや歯の傾きが原因で、顎の骨自体には問題がありません。このタイプでは、下の歯が上の歯より前に生えていたり、上の歯が内側に向かって生えていることが多いです。

一方、骨格性タイプは顎の骨に問題があり、下顎が上顎よりも前に出ている、または上顎が十分に成長せず、下顎が過剰に成長することが原因となります。

受け口には遺伝が関係ある?

相談する親子 受け口やしゃくれが遺伝によって起こる可能性はあるのでしょうか?

遺伝的要因の影響度

両親の骨格の特徴は、子どもに遺伝する可能性があります。

たとえば、両親のどちらかが上顎が小さく下顎が大きい骨格の場合、子どもが先天的に受け口やしゃくれになると言われています。

遺伝的な要因による受け口やしゃくれは、幼少期のあごの発育過程にも影響を与えかねません。両親が受け口だった場合、必ず子供も遺伝を引き継ぐということではありませんが、受け口やしゃくれが気になる場合、遺伝要素も一つの原因となるでしょう。

環境要因との関連性

日々の生活習慣による影響は、受け口やしゃくれの要因となることがあります。
幼少期から続く指しゃぶりは、前歯で指を噛むことで歯を押し出し、歯並びを悪くする可能性があります。

上唇を噛む癖は受け口を引き起こし、猫背のように顔が前に出る姿勢は下顎がでやすくなるなど、ふとした日常の癖が、顎や歯の成長を妨げる要因になりうることも。

常習的な鼻詰まりにより口呼吸になってしまう方は、口呼吸が習慣化すると上顎の成長が遅れ、舌が下がって歯や顎を前に押し出すため、受け口の原因になることもあるでしょう。

受け口・しゃくれの影響は?リスクはある?

痛そうに歯みがきする男性 受け口やしゃくれは、見た目の問題だけでなく、様々な影響やリスクを伴います。

①噛み合わせの不具合

本来理想的なのは、上の前歯が下の前歯よりも少しだけ前に生え、被さっているような状態です。
しかし受け口(反対咬合)やしゃくれになっていると、下の歯が前に出ていて、噛み合わせに不具合が生じます。 これにより食物がうまく噛み砕けなかったり、うまく発音できなかったりと、日常生活に支障をきたすかもしれません。

②顎関節症のリスク

受け口(反対咬合)やしゃくれにより、顎の位置が不自然になることで、顎関節症のリスクが高まります。

③見た目のコンプレックス

受け口やしゃくれは、顔立ちに大きな影響を与えるため、外見上のコンプレックスにつながりやすいのが特徴です。

下顎が前に出ることで、顎が強調されて見えたり、エラが張っているように見えることがあります。特に横顔では、Eライン(鼻先・唇・顎先を結んだライン)が乱れ、バランスの悪さを感じる方も少なくありません。

また、口元が突き出る印象になることで、表情がきつく見えたり、不機嫌そうに見えるといった心理的な悩みも生じやすくなります。こうした見た目の問題が、自信の低下や対人関係への不安につながるケースもあるでしょう。

④発音や食事への影響

受け口は発音や食事に様々な影響を与えることがあります。まず発音面では、サ行やタ行、ラ行の発音が不明瞭になりやすく、特に会話時に「滑舌が悪い」と感じられやすいです。

職業上、声を使う方や人前で話す機会が多い方にとっては大きなストレス要因です。また、食事においても上下の前歯が噛み合わないため、食べ物をしっかり噛み切るのが難しくなります。

特に繊維質の多い野菜や肉類などは咀嚼に時間がかかり、飲み込む際にも違和感を覚えることがあるでしょう。結果として、消化不良や満足感の低下、栄養バランスの偏りにつながることもあります。

受け口の治療法は?大人と子供で異なる?

受け口の治療法 ここからは、受け口(反対咬合)やしゃくれの治療方法について解説します。

なかでも受け口は、歯の生え方によるものなので、歯並びが固まった大人になってからと、まだ成長過程の子供とでは治療法が異なります。

①ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯並びを整えるための一般的な方法であり、幅広い症例に対応可能です。

費用や治療期間は、患者さんの状態によって大きく異なります。症状によりますが、費用は70~150万、治療期間は1~3年程度です。

月に1回程度の定期的な調整が必要で、その都度歯科医院を訪れなければいけないため、通いやすいクリニックを選びましょう。

②マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明な取り外し可能なマウスピースを使用する矯正方法です。

目立ちにくく、取り外しできるため食事や会話に影響が少ない点がメリットです。
前歯のみの簡単な矯正では、費用は20~40万、治療期間は3か月~1年程度、奥歯を含む全体矯正では費用が60~100万、治療期間が1~3年が一般的です。

また1日20時間以上のマウスピース装着が必要なので、自己管理が重要な点にも注意が必要です。

③子供用機能的マウスピース

子供用の機能的マウスピースは、主に寝ている間に装着し、顎の骨の適切な成長を促すことで、上の前歯が下の前歯よりも前に生えてくるよう誘導する治療法です。

メリットとしては歯を傷つけない点、そして使用時間が短い(日中1時間+睡眠時の使用)点が挙げられます。

装置を忘れず毎晩適切に使用することが必要な一方で、子供はマウスピースを嫌がることが多いので、親のサポートが非常に重要となります。

④固定式の骨格誘導装置

子供の骨格の成長そのものに問題がある場合、上顎の成長不足下顎の過成長に対応する固定式の骨格誘導装置が使用されることがあります。

プロトラクターと呼ばれる装置では、口腔内に装置をはめるのと同時に、それとゴムで繋がるフェイスマスクのようなものを組み合わせて、上あごを前方に引っ張ります
チンキャップは、下あごに対して後方に向かう力を加え、成長を抑制する装置です。
上顎の広さが足りない場合は、急速拡大装置を使用します。上顎の骨を横に広げ、スペースを確保可能です。

このように、成長期特有の方法で、受け口やしゃくれに対処する場合もありまので、まずは歯科医に相談してみましょう。

子供の受け口矯正はどのような方法でやるの?

子供の受け口矯正はどのような方法でやるの?

子供の受け口(反対咬合)は、できるだけ早期に治療を始めることが重要です。なぜなら、子供の骨格は成長途中であり、顎の発育をコントロールしやすい時期のためです。

特に6歳頃までは顎の成長に大きな柔軟性があり、このタイミングで治療を行うと、将来的に外科的処置が必要になるリスクを抑えられます。

年齢別の治療方法と使用する矯正器具は以下のとおりです。

・未就学児(3〜5歳)
プレオルソなどの「機能的マウスピース型矯正装置」で、舌の位置や口周りの筋機能を整えるトレーニングを実施。

・小学校低学年(6〜8歳)
上顎の成長を促す「拡大床」や「バイオネーター」など、骨格誘導型の矯正装置を使用し、顎のバランスを調整。

・小学校高学年(9〜12歳)
永久歯列への移行を見ながら「ワイヤー矯正」や「マルチブラケット装置」を使った本格的な歯列矯正へ移行することが多い。

成長期の段階ごとに適した治療を行うことで、見た目や機能面に大きな改善が期待できます。親御さんの早めの気づきと歯科医の連携が、スムーズな矯正治療への第一歩です。

受け口・しゃくれで手術をするケース

手術中の画像

しゃくれは手術が必要なことも

横顔や顔の輪郭が気になっている人のなかには、手術を検討している人もいるのではないでしょうか。

しゃくれで骨格そのものに問題がある場合、外科手術が適切な選択肢となることがあります。下顎の骨切り手術を行うことで、顎の位置を修正し、しゃくれの見た目と機能どちらも改善することが可能です。

外科手術を行うメリットは、根本的な原因にアプローチできるため見た目に対する効果が非常に大きく、顔の印象も変えることができる点です。

しかし当然ながら手術には命のリスクが伴い、費用も高額になることがあります。 数週間の入院が必要なこともあり、回復期間(ダウンタイム)についても、考慮する必要があるでしょう。

歯列矯正と外科手術の組み合わせ

外科手術を伴う矯正治療は、以下の流れで進みます。

・精密検査と診断
・術前矯正(1〜2年)
・顎の骨切り手術(入院あり)
・術後矯正(半年〜1年半)
・保定と経過観察

なお「顎変形症」と診断された場合、健康保険が適用されることがあります。審美目的ではなく、機能改善を目的とした治療として扱われます。

矯正治療だけでは改善が難しいケース

矯正治療だけでは改善が難しい受け口のケースには、骨格的な問題が深く関わっていることが多く、外科手術が必要になることがあります。

例えば、下顎が大きく前方に突出している場合、歯を動かすだけでは理想的な噛み合わせや横顔のバランスを得られません。このようなケースでは、抜歯とともに顎の骨を一部切除し、突出した部分を後退させる手術が行われることがあります。

また、下顎の骨そのものを奥に引いて短くする「下顎骨切り手術」も適用されることがあります。これは顎の骨を切断して適切な位置に移動させる方法で、口元の突出感や噛み合わせのズレを根本から整える目的で行われるのが特徴です。

なお、これらの外科手術は「顎変形症」と診断された場合には健康保険が適用されることがあり、費用面の負担を抑えて治療が可能になります。審美目的ではなく、機能的な改善を目的とした医療行為としての扱いになります。

自分でできる、受け口の改善トレーニング

画像:自分でできる、受け口の改善トレーニング自分でできる、受け口の改善トレーニング

自宅で取り組めるMFT(口腔筋機能療法)は、舌や唇、頬の筋肉を正しく使うことで、弱った口周りの機能を活性化させ、受け口の改善に役立ちます。具体的には、以下のようなエクササイズがおすすめです。

・あいうべ体操:大きく「あ→い→う→べ」と発音し、口輪筋を強化
・舌ポジション練習:舌先を上顎のスポット(前歯裏の隆起部分)に付け、数秒キープ
・パタカラ体操:「パ・タ・カ・ラ」とゆっくり発音しながら、口周りと舌の筋肉を連動させる

これらを毎日5~10分、継続して行うことで、舌癖の矯正や鼻呼吸の定着が期待でき、軽度の受け口ならトレーニングだけで改善するケースもあります。専門家の指導のもと、習慣化すると効果が高まります。

初診時に確認すべき5つのポイント

失敗しない矯正歯科医選びをするためには、初診時に確認すべきポイントがあります。次に、特に大事な確認事項について5つ紹介します。

①費用面について納得できるか

マウスピース矯正を含む歯科矯正は自由診療となっており、各クリニックが独自に価格設定できるため医院によって料金設定が大きく変わる場合があります。

高額な治療費が必ずしも優れた治療を保証するわけではありません。一方、低料金の場合は、追加費用の有無や治療にかかる総費用を事前に確認することが重要です。

後々になってからトラブルにつながらないように、通院ペースの確認、通院時に必要な治療代、治療装置の料金、追加料金が発生するケースはあるのかなどを確認しておくと安心です。

②治療計画はわかりやすいか

歯科矯正治療は長期にわたるため、患者の方は長い治療に不安を持つ方もいらっしゃるでしょう。そのため、初診時に丁寧な今後の治療計画の説明があると安心できますよね。

カウンセリングと精密検査の結果から、治療期間や方針を患者が納得できるまで説明してくれるクリニックが信頼できます。

さらに、3Dシミュレーションによって治療後の歯並びの変化を視覚的に提示してくれるクリニックは、患者がイメージしやすく、安心して治療を開始できるでしょう。

③カウンセリングは丁寧か

通常、歯科矯正の初診では、患者の状況を知るためのカウンセリングから始まります。このカウンセリングの丁寧さは、病院選びの重要なポイントです。

カウンセリングでは具体的に、口腔内の状態チェック、治療の流れ、装置の種類、治療計画、料金説明などがおこなわれます。

クリニック側の説明に対して患者が疑問を持った場合、理解が得られるまで丁寧に対応し、不安を解消してくれるクリニックだと信頼できますよね。

④通いやすい病院であるか

矯正治療は長期にわたるため、通院の利便性は重要です。クリニックの診察ペースは医院や治療法によって異なりますが、通常1〜2ヶ月に1度の通院が必要でしょう。

通院しやすさを確認する具体的なポイントは以下のとおりです。

・自宅や職場からのアクセスの良さ
・駅から近い立地
・年中無休で長時間の営業時間
・ネット予約やメール、電話での問い合わせが容易

これらの点で利便性が高いクリニックを選べば、通院へのストレスも軽減して通い続けられるでしょう。

⑤矯正中の困り事に適切に対応してくれるか

矯正治療の初期段階では、装置の使い方に慣れず、さまざまな困りごとが出てくるでしょう。そのような時に、しっかりとしたアフターフォローをおこなってくれるクリニックだと安心ですよね。

たとえば、装置の装着方法が正しいか確認したい、装置をつけたものの違和感があり痛みを感じる、装置の紛失時など、困り事が起きた時に丁寧な対応をしてくれそうなクリニックを選ぶとよいです。

クリニックの対応力が高ければ、安心して長期治療も継続できるでしょう。

治療計画の立て方

受け口やしゃくれの治療は、まずカウンセリングと精密検査を行い、その結果をもとに「治療計画」が提案されます。診断内容を理解し、治療を希望される場合は、契約へと進みます。

矯正治療は長期間にわたるため、患者と医師の良好な協力関係を築くことが重要です。

円滑に治療を進めるためには、装置の使用方法を丁寧に説明してくれるクリニックを選ぶことが大切であり、同時に、患者自身も装着時間を守るなど自己管理が求められます。

特にマウスピース矯正の場合、1日20時間以上の装着が必要です。医師の指示のもと装着を継続することで治療が順調に進み、予定よりも早く完了することもあります。クリニックと協力しながら治療を進めていくとよいでしょう。

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本記事で得た知識をもとに、自分の歯並びや骨格の状態を理解し、自分に合った治療法を見つけましょう。自分に合った治療法を見つけるためには、いくつかのクリニックでカウンセリングを行い、歯科医の意見を複数聞くことも有効かもしれません。

いずれにせよ最終的には、自分自身が納得できる治療を選択することが大切です。 美しい歯並びと健康な噛み合わせのために、第一歩を踏み出してみましょう。

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