公開日: 2023/11/16
更新日: 2024/09/30
受け口は歯並びの問題の一つでもあり、同時にコンプレックスの原因にもなり得ます。
一部では受け口がかわいいと言われることもありますが、その実態はどうなのでしょう?
この記事では、
・受け口の印象
・治療のメリット
を歯科医の視点から掘り下げます。最後までご覧ください!
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
受け口とは、「下顎前突症」と呼ばれ、下顎が上顎より前に出ている状態です。
通常、上顎の歯は下顎の歯よりもわずかに前方に位置します。
しかし、受け口の場合、この咬合の関係が逆転し、下顎の歯が上顎の歯よりも前方に出てしまいます。
顔の横から見たときに下顎が突出して見えることで「しゃくれている」という印象を受けることもあるでしょう。
日本において、受け口が「かわいい」と言われることがあります。 「かわいい」という方の理由としては、受け口により唇がふっくらとし、幼さや優しい印象を受け、これが愛らしく感じるという意見が多いです。
実際にSNS上では「受け口はかわいい!」という意見も見られました。
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引用元:X(旧Twitter)
引用元:X(旧Twitter)
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2003年の研究では、他の歯並びと比べて、受け口の横顔に良い印象を持つ人は多くありませんでした1)。
受け口がかわいいと思うかどうかは人によって違います。一部の人々は受け口をチャームポイントとして受け入れていますが、当然ながら全員がそう感じるわけではありません。
受け口を持つ著名人には、下記のような方々が挙げられます。
・佐藤二朗さん
・光井愛佳さん
歯並びが悪いとされる受け口ですが、この著名人の方々のお顔を想像すると、全く悪い印象はなくむしろ可愛く、愛嬌のある顔に思えるかもしれません。
受け口は、「かわいい」や「かっこいい」という意見もあります。しかし治療の必要性は、単に見た目だけではなく、口腔内の健康と歯の機能を考えて判断されるべきです。
では、受け口がもたらす具体的な問題とは何なのでしょうか?
受け口は不正咬合の一種で、上下の歯が正しく咬みあっていません。
さらに、受け口は発音の難しさを引き起こすことがあり、特に「s」や「th」などの音を発する際に問題が生じやすいです。また、咬み合わせが悪いことで、消化不良や栄養吸収の問題につながることもあります。
受け口による咬み合わせの悪さは、歯周病のリスクを高める可能性があります。
歯周病は、歯肉の炎症や歯を支える骨の減少を引き起こし、歯の喪失につながることもあります。
また、受け口は顎関節に悪影響を与え、顎関節症の原因となることがあります。
顎関節症は、顎の痛み、クリック音、開口障害などの症状を引き起こし、日常生活において食事や会話、笑顔の制限をもたらすことがあります。
見た目だけ考えると一概に良いとも悪いとも言えません。
前述したように、受け口が特徴的なモデルや俳優もいるため、「受け口はそのままでもいいのかな」と思うかもしれません。
しかし、これはあくまで口周りだけを考えた意見であり、受け口が「かわいい」と感じるかどうかは、顔全体のバランスにも大きく影響します。
いくら周りの人から受け口が「かわいい」と言われても、自信を失っている場合や、嚙み合わせの違和感やトラブルがある場合は、矯正治療を検討してください。
受け口を治す方法は、大きく分けると下記の2つになります。
1.矯正治療
2.外科治療
どちらを選択するかは、受け口の状況や原因によって異なりますので、この2つに関して詳しく解説していきます。
治療方法として、ここではワイヤー矯正とマウスピース矯正の二つを紹介していきますが、それぞれに特徴とメリット、デメリットが存在します。
ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを使用して歯を動かす一般的な方法です。 費用としては大体70〜150万円程度が一般的ですが、症状によってはこれ以上かかる場合もあります。
デメリットは、装置が目立ち、見た目にコンプレックスが生じやすいことでしょう。装置にによって歯みがきがし辛くなるため、虫歯になる可能性もあります。 治療中の痛みも強く、定期的な調整が必要となるため、1か月に1回以上の頻繁な通院が必要です。
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を使用して歯を動かす矯正方法です。 費用は一般的に30〜100万円程度と、ワイヤー矯正に比べると安いことが多いです。
メリットは、見た目が自然で目立たないため、外見を気にする人にはおすすめです。 また取り外しが可能なので、食事や歯磨きがしやすい利点もあります。
デメリットとしては矯正力が弱いため、抜歯矯正など歯の移動量が大きい場合には不向きです。また定期的にマウスピースを交換するので、自己管理が非常に重要となります。
外科治療は、矯正装置だけでは解決できない重度の受け口に適用されます。この治療は、顎の骨自体を手術によって移動させることで、噛み合わせを改善します。
治療後は、顔の輪郭が改善され、噛み合わせの機能も向上しますが、手術にはリスクや長期の回復期間が必要となります。
自分なりにネットなどで治療法を調べて、「自分はこの治療法でいけるかな?」と考えている方も多いでしょう。しかし、実際にクリニックを訪れてみると、想定していた方法が適用できないことも少なくありません。
受け口の程度や顎の形、歯の状態などで、最適な治療法は異なります。そのため、ネットの情報だけに頼らず、実際に歯科医師に相談することが大切です。
受け口の矯正を考える時、治療方法によってかかる費用や時間が大きく変わることを知っておくことが重要です。 例えば外科手術を含めた歯列矯正では、骨の位置から咬み合わせまで治療することができますが、通常の矯正治療よりも長い期間かかります。
歯科矯正についての情報は、治療を始める前にしっかり確認し、自分のお金の状況やこれからの計画に合わせて考えることが大事です。
ここでは、受け口に関するよくある質問に、歯科医師の立場から答えていきます。
受け口は、遺伝が大きく関係していることがあります。 家族や親戚、特に両親に受け口の人がいると、顎の形を引き継ぐ可能性があります。 でも、遺伝だけが原因ではありません。
受け口の治療における痛みは、治療方法によって異なります。
矯正治療では、歯を動かす時に少し圧力を感じたり、違和感があったりすることがありますが、数日で慣れます。矯正器具を調整する時に痛みを感じることもありますが、痛み止めの使用もできます。
一般的に、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みは少ないです。
外科手術を伴う治療では、手術後に強い痛みや腫れを伴います。
手術には、もちろん感染や出血のリスクがあります。また、顎の骨を切ることで、感覚麻痺が生じることがあります。
矯正治療では、治療が終わった後にリテーナー(歯を固定する装置)を使わないと、歯が元の位置に戻る可能性があります。
受け口は遺伝や習慣により生じる不正咬合の一種です。
見た目に関しては、人によって「かわいい」と思われることもありますが、口の中の健康や顔のバランスを考えると、治療を考える価値があります。
矯正治療や手術など、治療方法は様々です。専門家のアドバイスや治療費、かかる時間をよく考えて、自分に合った治療を選ぶことが大切です。
受け口についてよくある質問も参考にして、自分にとって一番いい方法を見つけましょう。
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詳しい診断のために、最寄りの提携医院で、いろいろな検査をします。
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歯科医師が、治療後にどんな歯並びになるかや費用の詳細を説明します。気になることがあれば何でも質問できます。
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スマイルモア矯正を始める場合は、お申込用紙にご記入いただきます。一旦、お家に持ち帰って検討してももちろんOKです。
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