機能的矯正装置による治療結果とマルチブラケット装置による追加治療の必要性

機能的矯正装置による治療結果とマルチブラケット装置による追加治療の必要性

Functional appliance treatment outcome and need for additional orthodontic treatment with fixed appliance.

著者Sara Rizell, Bengt Svensson, Christina Tengström, Heidrun Kjellberg
掲載誌Swedish dental journal
掲載日2006年8月
矯正歯科
ブラケット矯正治療期間顎矯正小児矯正比較研究

要旨

本研究は、一般歯科医が混合歯列期に行う機能的矯正装置治療の結果、最終的な被蓋(オーバージェット)が5mm以下となる要因、およびマルチブラケット装置による追加治療の必要性を調査することを目的として実施された。スウェーデンの歯科医院において、オーバージェット7mm以上の患者122名(7.6〜13.2歳)を対象に、患者記録を用いた後ろ向き横断調査を行った。その結果、最終的なオーバージェットが5mm以下となったのは61.5%であり、48.4%が治療を途中で中断し、33.6%が追加治療を受けた。良好な協力度と治療期間の長さが成功と相関していた。本装置の成功には、開始前のモチベーション評価が極めて重要である。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

一般歯科医が混合歯列期の子供たちに行った機能的矯正装置(アクチバトールなど)の治療効果を調べた、後ろ向きの調査研究です。スウェーデンの歯科医院に通う、出っ歯(オーバージェット7mm以上)の患者さん122名(7.6歳〜13.2歳)を対象としています。治療記録をさかのぼって、性別、年齢、成長、協力度、治療期間などが結果にどう影響したかを分析しました。

🦷 使った装置・方法

アクチバトールなどの機能的矯正装置を使用し、一般歯科医が主導して治療を行いました。

📏 何を測った?

治療後のオーバージェット(上の前歯の突出度)が5mm以下になったかどうか、およびその後のマルチブラケット装置による追加治療の有無を測定しました。

📊 主な結果

  • 最終的にオーバージェットが5mm以下に改善したのは、全体の61.5%でした。
  • 治療を途中で中断してしまった患者さんは、48.4%と約半数にのぼりました。
  • 全体の33.6%の患者さんが、機能的装置の後にマルチブラケット装置による追加治療を必要としました。
  • 治療が成功(オーバージェット5mm以下)するかどうかは、患者さんの「良好な協力度」と「十分な治療期間」に強く相関していました。
  • 一方で、年齢、性別、元の出っ歯の程度、装置の種類などは、治療結果に直接関係しませんでした。

💡 臨床で使えるポイント

機能的矯正装置の成功率は約6割であり、約3分の1の症例でマルチブラケット装置による再治療が必要になることを念頭に置く必要があります。治療の成否は装置の種類よりも「患者さんの協力度」に大きく依存するため、治療開始前に本人と保護者のやる気を十分に確認し、モチベーション維持の工夫をすることが最も重要です。