
Fixed orthodontic therapy in temporomandibular disorder (TMD) treatment: an alternative to intraoral splint.
本研究は、顎関節症(TMD)の治療において、固定式矯正装置が口腔内スプリントの代替となり得るかを評価することを目的として実施された。復位性関節円板前方転位を有する成人患者50名を、前方再位(AR:Anterior Repositioning)スプリント群(20名)、固定式矯正装置群(20名)、未治療の対照群(10名)に分類した。6ヶ月間にわたり、関節痛、関節雑音、筋肉痛、および自覚的な症状緩和を毎月評価した。その結果、スプリント群と固定式矯正装置群の両方で、関節痛(T2以降、p < 0.01)および筋肉痛(T1以降、p < 0.01)の有意な減少が認められた。本研究により、固定式矯正装置は短期間の臨床結果において、関節痛および筋肉痛の緩和にスプリントと同等の効果を示すことが示唆された。
復位性関節円板前方転位(口を開ける時に音が鳴るタイプの顎関節症)と診断された成人患者50名を対象とした比較研究です。患者さんを、ARスプリント(前方再位型マウスピース)を使うグループ(20名)、固定式のマルチブラケット装置で矯正治療を行うグループ(20名)、何もしないグループ(10名)の3つに分けました。治療開始から6ヶ月間、毎月経過を追い、症状の変化を詳しく調査しています。
上顎に装着するARスプリント(下顎を前方へ誘導するタイプ)と、一般的な固定式のマルチブラケット矯正装置を使用しました。
顎関節の痛み、関節の音(クリック音)、咀嚼筋の痛み、および装置に対する違和感や不快感の程度を評価しました。
顎関節の痛みや筋肉の痛みを主訴とする患者さんに対して、固定式矯正装置によるアプローチは、短期的にはスプリント療法と同等の除痛効果が期待できます。ただし、クリック音の消失を優先的に目的とする場合は、スプリント療法の方が適しています。治療初期は矯正装置の方が患者さんに受け入れられやすいですが、半年ほど経過するとスプリントの方が違和感が少なくなる傾向があるため、事前のインフォームドコンセントに活かせるでしょう。