舌側矯正装置装着患者における矯正用歯ブラシと3面歯ブラシの単独およびワンタフトブラシ併用時の評価:ランダム化臨床試験

舌側矯正装置装着患者における矯正用歯ブラシと3面歯ブラシの単独およびワンタフトブラシ併用時の評価:ランダム化臨床試験

Evaluation of Orthodontic and Triple-headed Toothbrushes When Used Alone or in Conjunction with Single-tufted Toothbrush in Patients with Fixed Lingual Orthodontic Appliances. A Randomized Clinical Trial.

著者Malka Ashkenazi, Nurit Flaisher Salem, Silvia Garon, Liran Levin
掲載誌The New York state dental journal
掲載日2015年7月
矯正歯科
ブラケット矯正成人矯正審美比較研究

要旨

本研究は、舌側矯正装置(リンガルブラケット)装着患者において、矯正用歯ブラシと3面歯ブラシの清掃効果を、単独使用およびワンタフトブラシ(Single-tufted toothbrush)併用の場合で比較検証することを目的として実施された。平均年齢27.3歳の患者26名を対象としたランダム化単盲検比較試験であり、各歯ブラシを1ヶ月間単独使用した後、さらに1ヶ月間ワンタフトブラシを併用させた。その結果、単独使用では3面歯ブラシの方が矯正用歯ブラシよりも有意にプラーク除去効果が高かった(p=0.026)。ワンタフトブラシを併用することで両群間の差は消失した。舌側矯正患者のセルフケアにおいて、3面歯ブラシの有用性とワンタフトブラシ併用の重要性が示唆された。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

この研究は、舌側矯正(裏側矯正)装置をつけている患者さんを対象に、どの歯ブラシが最も効率的に汚れを落とせるかを調べたランダム化単盲検比較試験です。平均年齢27.3歳の矯正患者26名を対象に、1ヶ月間は特定の歯ブラシを単独で使い、その後の1ヶ月間はワンタフトブラシを組み合わせて使うという手順で調査を行いました。装置が複雑で磨きにくい舌側矯正において、歯ブラシの形状がプラーク除去や歯肉の健康にどう影響するかを2ヶ月間にわたって追跡しています。

🦷 使った装置・方法

一般的な「矯正用歯ブラシ」と、歯の3面を同時に磨ける「3面歯ブラシ」の2種類を比較しました。後半の1ヶ月間は、これらに加えて補助清掃用具として「ワンタフトブラシ」を併用する清掃プログラムを実施しました。

📏 何を測った?

歯科医師が患者さんのお口の中を確認し、歯面のプラーク指数、ブラケット周囲のプラーク指数、改良歯肉指数、およびプロービング時の出血(BOP)の4項目を測定しました。

📊 主な結果

  • 1ヶ月間の単独使用では、矯正用歯ブラシ群のプラーク指数(0.68)は3面歯ブラシ群(0.39)に比べて74.4%も高く、統計的に有意な差が認められました(p = 0.026)。
  • ブラケット周囲のプラークについても、矯正用歯ブラシ群(0.37)は3面歯ブラシ群(0.24)より54.2%多いという結果でした。
  • 歯肉の炎症指数は矯正用歯ブラシ群で30%高く(0.26 vs 0.20)、出血指数も15.4%高い値(0.15 vs 0.13)を示しました。
  • ワンタフトブラシを併用し始めると、矯正用歯ブラシと3面歯ブラシの間の統計的な差は消失しました。

💡 臨床で使えるポイント

舌側矯正の患者さんには、効率よく汚れを落とせる3面歯ブラシの使用を推奨すると良いでしょう。もし一般的な矯正用歯ブラシを使い続ける場合は、磨き残しを防ぐためにワンタフトブラシの併用が不可欠であることを指導に盛り込んでください。道具の組み合わせ次第で、清掃の質を大きく向上させることが可能です。