
Soft tissue treatment changes with fixed functional appliances and with maxillary premolar extraction in Class II division 1 malocclusion patients.
本研究は、II級1類不正咬合患者に対し、固定式機能的矯正装置を用いた非抜歯治療と上顎小臼歯抜歯治療を行った際の軟組織の変化および治療後の状態を比較することを目的として実施された。48名の患者(計96枚の側貌頭部エックス線規格写真)を、固定式機能的矯正装置群(23名)と上顎小臼歯抜歯群(25名)に分け、治療前後の変化をt検定を用いて比較した。その結果、両群間で軟組織の変化量および治療後の軟組織の状態に統計学的な有意差は認められなかった。思春期後半のII級1類症例において、機能的装置と上顎抜歯のどちらを選択しても、最終的な顔貌の軟組織プロファイルに同様の結果が得られることが示唆された。
この研究は、II級1類不正咬合の治療法による顔立ちの変化を比較した「後ろ向きコホート研究」です。合計48名の患者さん(96枚のレントゲン写真)を対象とし、固定式の機能的矯正装置を使ったグループ(23名、平均12.7歳)と、上の小臼歯を2本抜歯したグループ(25名、平均13.0歳)を比較しました。どちらのグループも治療開始時の出っ歯(オーバージェット)は約7mm程度で、約2.5年前後の治療期間を経て、顔の軟組織(唇や鼻など)がどのように変化したかを詳しく調査しています。対象者は思春期後半の成長段階にある患者さんたちです。
固定式機能的矯正装置(マルチブラケット装置と併用)を用いる非抜歯の方法と、上顎の左右第1小臼歯を2本抜歯してマルチブラケット装置で治療する方法の2種類を比較しました。
側貌頭部エックス線規格写真(セファロ)を用いて、治療前後の鼻、唇、顎のラインといった軟組織の形態変化と、治療終了時の最終的なプロファイルを測定しました。
思春期後半のII級1類患者において、機能的装置による顎位の誘導を狙うか、上顎抜歯による前歯の後退を行うかは、顔貌の変化という観点からはどちらを選んでも同等の結果が得られます。そのため、装置への協力度や歯根の状態、患者さんの希望などを優先して治療方針を決定しても、最終的な横顔の美しさに大きな差は出ないと考えて良いでしょう。抜歯・非抜歯の判断基準として、顔貌の変化以外の要素をより重視できることを示唆しています。