
Orthodontic treatment simultaneous to or after periodontal cause-related treatment in periodontitis susceptible patients. Part I: Clinical outcome. A randomized clinical trial.
本研究は、プラーク起因性歯周炎患者において、矯正治療の開始時期(歯周治療と同時か、終了後か)が歯周組織の状態に及ぼす影響を比較することを目的として実施された。50名の歯周炎患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)であり、全患者にスケーリング・ルートプレーニング(SRP)を含む初期治療を実施後、矯正治療を歯周治療と同時に開始する群(試験群)と、終了後に開始する群(対照群)に割り当てた。結果、臨床的アタッチメントレベル(CAL)の変化に群間差はなかったが、4-6mmのポケット改善率は対照群が有意に高く、治療期間は試験群で有意に短縮された。歯周治療と矯正の同時進行は臨床的に許容可能である。
歯周炎がある患者さんに対して、矯正治療をいつ始めるのがベストかを調べたランダム化比較試験(RCT)です。50名の歯周炎患者さんを対象に、歯周病の初期治療(SRPなど)と同時に矯正を始めるグループ(試験群)と、歯周病治療が終わってから矯正を始めるグループ(対照群)に分けました。対象者はプラークが原因の歯周炎を持つ成人で、全顎的な治療が必要な方々です。治療開始から終了までの経過を追い、歯周組織の状態がどう変化するかを検証しました。
全ての患者さんに歯肉縁上・縁下のデブライドメント(歯石除去)を行い、試験群はすぐに、対照群は歯周病の状態が安定してからマルチブラケット装置による矯正治療を開始しました。
歯ぐきと歯の付着状態を示す「臨床的アタッチメントレベル(CAL)」の変化や、歯周ポケットの深さ(PD)がどれくらい改善したかを主要な指標として測定しました。
歯周炎の既往がある患者さんでも、適切な歯周初期治療(SRP等)を並行して行えば、矯正治療を早期に開始することが可能です。これにより全体の治療期間を大幅に短縮できるメリットがあります。ただし、深いポケットの改善効率は歯周治療を先行させた方がやや良いため、重度の歯周炎部位がある場合は、その部位の安定を待ってから動歯を開始するなどの個別判断が推奨されます。