ニッケルチタンワイヤーとニオブ・チタン・タンタル・ジルコニウムワイヤーを用いた思春期患者の初期配列における叢生および歯列弓幅径の変化の比較:二重盲検ランダム化比較試験

ニッケルチタンワイヤーとニオブ・チタン・タンタル・ジルコニウムワイヤーを用いた思春期患者の初期配列における叢生および歯列弓幅径の変化の比較:二重盲検ランダム化比較試験

Comparison of changes in irregularity and transverse width with nickel-titanium and niobium-titanium-tantalum-zirconium archwires during initial orthodontic alignment in adolescents: A double-blind randomized clinical trial.

著者Barrett Nordstrom, Toshihiro Shoji, W Cameron Anderson, Henry W Fields, F Michael Beck, Do-Gyoon Kim, Teruko Takano-Yamamoto, Toru Deguchi
掲載誌The Angle orthodontist
掲載日2019年4月
矯正歯科
ブラケット矯正歯の移動比較研究成人矯正小児矯正デジタル矯正

要旨

本研究は、矯正治療の初期配列段階において、ニッケルチタン(NiTi)ワイヤーとニオブ・チタン・タンタル・ジルコニウム(TiNbTaZr:ガムメタル)ワイヤーの臨床的効率を比較することを目的として実施された。12歳から20歳の非抜歯矯正患者28名を対象とし、0.016インチのNiTi群(14名)またはガムメタル群(14名)にランダムに割り当てた。デジタルスキャンを用いて、Littleの不規則指数(LII)の改善度および犬歯間・大臼歯間幅径の変化を評価した。結果、両群間で叢生の解消速度および歯列弓幅径の変化に有意差は認められなかった(p > 0.05)。本研究により、ガムメタルは従来のNiTiと同等のレベリング能力を持ち、屈曲可能であることやニッケルアレルギー患者に使用できるといった利点があることが示唆された。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

矯正治療の初期段階で使われる2種類のワイヤーの効果を比較した、信頼性の高い二重盲検ランダム化比較試験(RCT)です。12歳から20歳の非抜歯で治療を行う患者さん28名を対象としています。0.016インチのニッケルチタン(NiTi)ワイヤーを使うグループ(14名)と、ガムメタル(TiNbTaZr)ワイヤーを使うグループ(14名)に分けて調査を行いました。治療中の歯の動きをデジタルスキャンで記録し、数ヶ月間にわたって追跡しています。

🦷 使った装置・方法

0.022インチスロットのブラケットを使用し、初期レベリング用として0.016インチのNiTiワイヤーまたはガムメタルワイヤーを装着しました。

📏 何を測った?

Littleの不規則指数(LII)を用いて前歯のガタガタ(叢生)がどれくらい治ったかと、犬歯間および大臼歯間の横幅(歯列弓幅径)がどう変化したかを測定しました。

📊 主な結果

  • ガムメタルワイヤーを使用したグループでは、最初の1ヶ月で叢生が約27%減少し、次の1ヶ月でさらに25%減少しました。
  • 2つのグループ間で、時間の経過に伴う叢生の解消度合いに統計的な有意差は認められませんでした(p = 0.29)。
  • 犬歯間幅径および大臼歯間幅径の変化についても、両グループ間で有意な差はありませんでした(p = 0.80)。
  • どちらのワイヤーも、初期の歯の移動において同等の効率を持っていることが確認されました。

💡 臨床で使えるポイント

初期レベリングにおいて、ガムメタルは従来のNiTiワイヤーと同等の整列能力を発揮します。ガムメタルはNiTiと異なり自由に曲げることができ、かつニッケルを含まないため、ニッケルアレルギーがある患者さんや、ループ付与などのカスタマイズが必要な症例で非常に有用な選択肢となります。