
Orthodontic treatment for prominent upper front teeth (Class II malocclusion) in children and adolescents.
本研究は、小児および青年期の上顎前突(II級不正咬合)に対する矯正治療の効果を評価することを目的としたシステマティックレビューである。27件のランダム化比較試験(RCT)を解析し、早期治療(2段階治療)と青年期治療(1段階治療)、および各種装置の効果を比較した。結果、早期治療は前歯部外傷のリスクを有意に低減させるものの、治療終了時の骨格的・歯列的結果において青年期治療と有意差は認められなかった。臨床的には、外傷リスクが高い症例を除き、効率性を考慮すると青年期からの1段階治療が推奨される。
小児および青年期の上顎前突(II級不正咬合)に対する治療介入の効果を検証したコクラン・システマティックレビューです。 合計27件のランダム化比較試験(RCT)、総勢1,251名の患者データを解析対象としています。 7〜11歳の混合歯列期に行う早期治療(2段階治療)と、永久歯列期に行う青年期の治療(1段階治療)の比較を行いました。 また、機能的矯正装置、ヘッドギア、無治療群の間での骨格的・歯列的な変化の違いも評価しています。
ツインブロックなどの機能的矯正装置、ヘッドギア、および固定式矯正装置(マルチブラケット)を使用し、治療開始時期(早期 vs 晩期)や装置の種類による効果の違いを比較しました。
主要評価項目としてオーバージェット(水平被蓋)の減少量、骨格的な変化(ANB角など)、前歯部外傷の発生率、およびPAR指数を用いた最終的な咬合状態を測定しました。
早期治療は「最終的な仕上がり」を良くするわけではありませんが、「前歯の外傷予防」には有効です。 したがって、外傷リスクが高い(突出感が著しい、口唇閉鎖不全がある等)子供には早期治療が推奨されます。 一方、外傷リスクが低い場合は、永久歯が生えそろう青年期まで待ってから治療を開始する方が、トータルの治療期間や負担を減らせるため効率的です。