上下顎前突症の治療におけるクリアアライナーの臨床的有効性

上下顎前突症の治療におけるクリアアライナーの臨床的有効性

[Clinical efficacy of clear aligners in treating bimaxillary protrusion].

著者X Guan, D T Chang, Y Yan, Y W Zhang, Y H Zhou, Y Song
掲載誌Zhonghua kou qiang yi xue za zhi = Zhonghua kouqiang yixue zazhi = Chinese journal of stomatology
掲載日2018年7月
矯正歯科
マウスピース矯正歯の移動成人矯正審美

要旨

本研究は、第一小臼歯抜歯を伴う上下顎前突症患者に対するクリアアライナーの治療効率を評価することを目的として実施された。対象は上下顎第一小臼歯4本抜歯および最大固定を要する上下顎前突症患者11名で、クリアアライナーによる治療前後のセファロ分析を行った。結果として、骨格的な変化はなかったが、上下顎前歯は有意に後退し、前歯部トルクおよび臼歯部固定は効果的に制御された。U1-NA距離は平均5.19mm、L1-NB距離は平均4.53mm減少し、口唇の突出感も改善された。抜歯と最大固定を要する症例でもクリアアライナーは有効である。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

第一小臼歯の抜歯を伴う上下顎前突(いわゆる「口ゴボ」)の患者さんに対して、マウスピース矯正がどれくらい有効かを調べた研究です。対象となったのは、上下顎前突と診断された11名の患者さんです。すべての患者さんが、上下左右の第一小臼歯を計4本抜歯し、かつ奥歯を動かさない「最大固定」が必要な症例でした。治療前と治療後のレントゲン(セファロ)を比較して、歯の移動量や横顔の変化を検証しました。

🦷 使った装置・方法

上下左右の第一小臼歯を抜歯した後、クリアアライナー(マウスピース型矯正装置)を使用して矯正治療を行いました。

📏 何を測った?

治療前後のセファログラム(頭部X線規格写真)を用いて、前歯の位置の変化、骨格の変化、および口元の軟組織(唇)の変化を測定しました。

📊 主な結果

  • 治療の結果、骨格的なパターンには変化が見られませんでしたが、歯の位置と横顔(プロファイル)には有意な改善が認められました。
  • 上顎中切歯からNA線までの距離(U1 to NA)は、平均で5.19 ± 4.12 mm 減少しました(P<0.01)。
  • 下顎中切歯からNB線までの距離(L1 to NB)は、平均で4.53 ± 1.20 mm 減少しました(P<0.01)。
  • 前歯のトルクコントロール(角度の調整)や、奥歯の固定(アンカレッジ)の維持は効果的に行われていました。
  • 上下の唇の位置が大きく変化し、患者さんの横顔の見た目が改善されました。

💡 臨床で使えるポイント

抜歯が必要で、かつ高い固定源が必要な難易度の高い上下顎前突症例でも、マウスピース矯正で十分に治療可能であることが示されました。前歯をしっかり後退させ、口元の突出感を改善できるため、患者さんへの治療オプションとして自信を持って提案できます。ただし、トルクコントロールや固定源の管理には適切な計画が必要です。