
Anchorage effectiveness of orthodontic miniscrews compared to headgear and transpalatal arches: a systematic review and meta-analysis.
本研究は、上顎小臼歯抜歯を伴う前歯部の一括後退(en-masse retraction)において、矯正用ミニスクリュー(orthodontic miniscrews)が従来型の固定装置と比較して、固定源の保持にどの程度有効であるかを検証することを目的として実施された。2018年3月までの主要データベースから、直径2mm以下のミニスクリューと従来型装置を比較したランダム化比較試験(RCT)を抽出した。メタ解析の結果、6件のRCT(計241名)が対象となり、ミニスクリュー群は従来型群と比較して、上顎第一大臼歯の近心移動(固定の喪失)を平均2.07mm(95%信頼区間: -3.05〜-1.08, p < 0.001)有意に抑制した。本結果より、ミニスクリューは従来型装置よりも臨床的・統計的に優れた固定源であることが示唆される。
この研究は、過去の複数の信頼性の高い研究データを統合して分析した「システマティックレビューおよびメタ解析」です。上顎の小臼歯を抜歯して前歯を下げる治療(一括後退)を行う患者さんを対象に、241名(ミニスクリュー250本、従来型装置134個)のデータを分析しました。年齢制限はなく、マルチブラケット装置を使用している症例を対象としています。ミニスクリューと、ヘッドギアやパラタルアーチといった従来の固定方法で、どちらが大臼歯の移動を抑えられるかを比較検証しました。
直径2mm以下の機械的に維持される矯正用ミニスクリュー(歯科矯正用アンカースクリュー)と、ヘッドギアやトランスパラタルアーチ(TPA)などの従来型の固定源強化装置を比較しました。
主な評価項目は、上顎第一大臼歯が前方に動いてしまった量(固定の喪失量)です。その他、治療期間、来院回数、副作用、患者さんの満足度なども調査対象としました。
前歯を大きく下げたい症例や、大臼歯を1mmも前に出したくない「絶対的固定」が必要な症例では、ヘッドギアやTPAよりもミニスクリューを選択する方が確実な結果が得られます。平均して約2mmの固定保持の差が出るため、抜歯スペースを最大限に前歯の後退に利用したい場合に非常に有効です。ただし、治療期間や患者さんの負担感についてはまだ不明な点が多いため、症例ごとにメリット・デメリットを説明して選択することが推奨されます。