下顎結合部ミニプレート固定システムを用いた前後的骨格性不正咬合の改善:成功率と合併症について

下顎結合部ミニプレート固定システムを用いた前後的骨格性不正咬合の改善:成功率と合併症について

Sagittal skeletal correction using symphyseal miniplate anchorage systems : Success rates and complications.

著者Seçil Çubuk, Burçak Kaya, Zahire Şahinoğlu, Ufuk Ateş, Ayça Arman Özçırpıcı, Sina Uçkan
掲載誌Journal of orofacial orthopedics = Fortschritte der Kieferorthopadie : Organ/official journal Deutsche Gesellschaft fur Kieferorthopadie
掲載日2019年8月
矯正歯科
顎矯正小児矯正比較研究歯の移動

要旨

本研究は、骨格性2級および3級不正咬合の治療に使用される下顎結合部(シンフィシス)ミニプレート固定システムの成功率と合併症を評価することを目的として実施された。成長期の患者29名に適用された計58個のミニプレートを対象とし、2級症例(Forsus装置併用)と3級症例(上顎前方牽引併用)の2群に分けて臨床的経過を調査した。その結果、ミニプレートの全体的な成功率は87.9%であり、6個に重度の動揺、2個に破折が認められた。感染、動揺、粘膜肥厚の発生率は2級治療群で有意に高かったが、最終的な成功率は両群間で同等であった。本システムは、前後的な顎関係の改善において有効な固定源となり得ることが示唆された。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

成長期の患者さん29名を対象に、下顎の結合部(あごの先端部分)に設置したミニプレートの成功率を調べた臨床研究です。合計58個のミニプレートを評価し、骨格性2級(出っ歯傾向)の12名と、骨格性3級(受け口傾向)の17名に分けて比較を行いました。2級の患者さんにはForsus(フォーサス)装置を、3級の患者さんには上顎前方牽引のための顎間ゴムをミニプレートに装着し、顎の成長をコントロールする治療を追跡調査しています。

🦷 使った装置・方法

下顎結合部に外科的にミニプレートを埋入し、それを絶対的な固定源として、Forsus装置や顎間ゴムなどの矯正装置を装着して治療を行いました。

📏 何を測った?

ミニプレートの成功率(治療終了まで安定して維持されたか)に加えて、感染の有無、プレートの動揺、粘膜の肥厚、装置の破折といった合併症の発生頻度を測定しました。

📊 主な結果

  • ミニプレート全体の成功率は87.9%であり、骨格的な改善のための固定源として概ね良好な結果でした。
  • 調査した58個のミニプレートのうち、6個に重度の動揺が認められ、2個が矯正治療中に破折しました。
  • 感染、ミニプレートの動揺、および粘膜の肥厚の発生率は、3級治療群よりも2級治療群(Forsus使用群)において統計学的に有意に高い数値を示しました。
  • 合併症の発生頻度には群間で差があったものの、最終的な成功率については2級群と3級群の間で統計的な差は認められませんでした。

💡 臨床で使えるポイント

下顎結合部へのミニプレートは高い成功率を誇りますが、Forsus装置などの強い力が持続的にかかる2級治療では、感染や動揺のリスクが特に高まることに注意が必要です。2級症例でこのシステムを用いる場合は、埋入部位の清掃徹底を患者さんに強く指導し、粘膜の炎症や肥厚がないか毎回の診察で細かくチェックすることが、トラブルの早期発見につながります。