
Elastodontic appliance assisted fixed appliance treatment: A new two-phase protocol for extraction cases.
本研究は、重度の叢生を伴う抜歯症例に対し、エラストドント装置(EA:Elastodontic appliance)とマルチブラケット装置を組み合わせた新しい2段階治療プロトコルの有効性を提示することを目的として実施された。13歳の骨格性II級、重度叢生、過蓋咬合および上顎前突の患者に対し、上下顎小臼歯4本を抜歯後、第1段階としてEAの装着と筋機能訓練を行い、第2段階でマルチブラケット装置による仕上げを行った。その結果、総治療期間14か月(うちマルチブラケット期間は10か月)で、良好な歯列整列と被蓋の改善が認められた。本プロトコルは、抜歯症例において治療期間を短縮しつつ良好な結果を得るための有用な選択肢となり得る。
この研究は、重度の歯のガタガタ(叢生)がある患者さんに対して、取り外し可能な「エラストドント装置(EA)」と、ワイヤーを使った「マルチブラケット装置」を順番に使う新しい治療法を検証した症例報告です。対象は13歳の女の子1名で、骨格的な出っ歯(II級)と強い重なり、深い噛み合わせが認められました。上下4本の小臼歯を抜歯した後の治療経過を詳しく報告しています。
抜歯後、まず第1段階としてエラストドント装置(EA)を日中2時間と就寝時に装着し、あわせてお口の周りの筋肉を鍛えるトレーニング(筋機能訓練)を行いました。その後、第2段階としてマルチブラケット装置を装着し、残った隙間の閉鎖と歯の角度の微調整を行いました。
治療前後の歯並びの状態、出っ歯の程度(オーバージェット)、噛み合わせの深さ(オーバーバイト)、および各段階にかかった治療期間を評価しました。
抜歯直後のレベリング段階でエラストドント装置(EA)を先行して使用することで、その後のマルチブラケット装置の装着期間を大幅に短縮できる可能性があります。特に、筋機能訓練を併用することで、効率的な歯の移動と機能的な改善を同時に目指せる点が、診療の効率化に役立ちます。