
Treatment outcome with orthodontic aligners and fixed appliances: a systematic review with meta-analyses.
本研究は、包括的な矯正治療におけるマウスピース型矯正装置(アライナー)と固定式矯正装置(マルチブラケット装置)の有効性を比較検証することを目的として実施された。8つのデータベースから抽出された比較試験11件(計887名)を対象にメタ解析を行った。その結果、アライナー治療は固定式装置と比較して、ABO(American Board of Orthodontics)の客観的評価システムにおいて咬合の仕上がりが有意に劣り(平均差 9.9)、許容できない結果となるリスクが1.6倍高いことが示された。治療期間に有意差は認められなかった。本結果より、成人患者においてアライナーは固定式装置と同等の有効性を持つとは結論づけられず、臨床応用には注意が必要である。
この研究は、マウスピース型矯正装置と従来のワイヤーを使った固定式装置の治療効果を比較した、信頼性の高いシステマティックレビューおよびメタ解析です。合計11件の研究(ランダム化比較試験4件、非ランダム化比較試験7件)を分析対象とし、合計887名の患者データが含まれています。対象者の平均年齢は28.0歳で、男女比は約1:2の成人を中心とした集団です。アライナーと固定式装置で、治療後の歯並びの完成度や治療にかかった期間にどのような差があるかを検証しています。
マウスピース型矯正装置(アライナー)と、ブラケットとワイヤーを用いた固定式矯正装置(マルチブラケット装置)の2種類を比較しました。
主な評価項目として、アメリカ矯正歯科ボード(ABO)が定める客観的評価システム(OGS)を用いた咬合の仕上がり、治療の成功率(許容できる結果かどうか)、および治療期間を測定しました。
成人患者の包括的な矯正治療において、マウスピース型矯正装置は固定式装置(ゴールドスタンダード)と同等の治療結果を常に提供できるわけではないことを認識しておく必要があります。特に精密な咬合の仕上げが求められる症例では、アライナー単独での限界を考慮し、治療計画の立案や患者への事前説明を慎重に行うべきです。仕上がりの質を重視する場合は、固定式装置の選択や、最終段階でのワイヤーによる微調整を検討することが推奨されます。