軽度の不正咬合を有する10代患者におけるマウスピース型矯正装置と固定式装置の治療結果の評価

軽度の不正咬合を有する10代患者におけるマウスピース型矯正装置と固定式装置の治療結果の評価

Outcome assessment of orthodontic clear aligner vs fixed appliance treatment in a teenage population with mild malocclusions.

著者Alissa F Borda, Judah S Garfinkle, David A Covell, Mansen Wang, Larry Doyle, Christine M Sedgley
掲載誌The Angle orthodontist
掲載日2021年2月
矯正歯科
マウスピース矯正ブラケット矯正治療期間デジタル矯正比較研究

要旨

本研究は、軽度の不正咬合を有する思春期患者を対象に、マウスピース型矯正装置(Clear Aligner: CA)と固定式装置(Fixed Appliance: FA)の治療の有効性と効率性を比較することを目的として実施された。CA(インビザライン)またはFA(デーモンシステム)で治療を受けた患者各26名を対象に、ABOの指標を用いて咬合状態と治療期間等を評価した。結果、治療後の評価スコアはCA群(30.1±8.3)がFA群(37.0±9.3)より有意に低く、良好な仕上がりを示した(P < 0.01)。またCA群は来院回数が少なく、治療期間も約6.5ヶ月短縮された。軽度の症例において、CAはFAと同等以上の効果を持ち、効率性にも優れることが示唆された。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

この研究は、過去の診療記録を振り返って調査した「後ろ向き研究」です。1つの矯正歯科医院で治療を受けた10代の患者さん52名(マウスピース群26名、ワイヤー群26名)を対象としています。軽度の不正咬合がある思春期世代を対象に、治療の質や期間、トラブルの少なさを比較しました。

🦷 使った装置・方法

マウスピース型矯正装置(インビザライン)と、セルフライゲーション式の固定式装置(デーモンシステム)を使用しました。

📏 何を測った?

治療前の歯並びの難易度(DI)と、治療後の仕上がりの精密さ(CRE)を数値化して評価しました。また、通院回数、急患対応の回数、全体の治療期間も記録しました。

📊 主な結果

  • 治療後の仕上がりを評価するCREスコアは、マウスピース群が30.1±8.3、ワイヤー群が37.0±9.3であり、マウスピース群の方が有意に良好な結果でした(p < 0.01)。
  • 平均通院回数は、マウスピース群が13.7±4.4回だったのに対し、ワイヤー群は19.3±3.6回と有意に多くなっていました(p < 0.0001)。
  • 装置の脱離などの緊急来院は、マウスピース群が平均0.8±1.0回、ワイヤー群が3.6±2.5回と、マウスピース群で明らかに少ない結果でした(p < 0.0001)。
  • 全体の治療期間は、マウスピース群が16.9±5.7ヶ月、ワイヤー群が23.4±4.4ヶ月であり、マウスピース群の方が約6.5ヶ月短縮されました(p < 0.0001)。

💡 臨床で使えるポイント

軽度の不正咬合を持つ10代の患者さんに対しては、マウスピース矯正を選択することで、ワイヤー矯正よりも短期間かつ少ない来院回数で、質の高い治療結果が得られる可能性があります。特に部活動や勉強で忙しい中高生にとって、緊急来院のリスクが低いことは大きなメリットとなるため、カウンセリング時にこれらの具体的な数値を提示して提案すると良いでしょう。