
The Influence of Friction on Design of the Type of Bracket and Its Relation to OHRQoL in Patients Who Use Multi-Bracket Appliances: A Randomized Clinical Trial.
背景・目的:本研究は、マルチブラケット装置におけるブラケットの種類と摩擦が、患者の疼痛認識および口腔関連QOL(OHRQoL)に与える影響を評価した。方法の概要:90名の患者を対象に、従来型、低摩擦型、セルフライゲーション型の3種類の固定式マルチブラケット装置を用いたランダム化比較試験を実施し、疼痛とOHRQoLを評価した。主要結果:治療開始後1〜2日で最大疼痛が観察され、従来型ブラケット群は24時間後に最大の疼痛値(4.5 ± 2.0)を示した。セルフライゲーションブラケットはOHRQoLへの影響が最も低かった(0.8 ± 2.2, p < 0.01)。臨床的意義:ブラケットの種類による摩擦は、マルチブラケット矯正患者の疼痛および口腔関連QOLに影響する。
この研究は、固定式のマルチブラケット矯正装置を使用する患者さんにおいて、ブラケットの種類による摩擦が、治療中の痛みや、お口の健康に関連する生活の質(OHRQoL)にどのような影響を与えるかを調べたランダム化比較試験です。90名の患者さん(女性62.2%、男性37.8%)を対象に、従来型ブラケット、低摩擦型ブラケット、セルフライゲーションブラケットの3種類を比較しました。治療開始から7日間の痛みと、30日後のお口の健康に関連する生活の質を評価しました。
患者さんには、従来型ブラケット(GC)、低摩擦型ブラケット(GS)、セルフライゲーションブラケット(GA)のいずれかの固定式マルチブラケット装置を装着しました。これらのブラケットは、ワイヤーがブラケット内を滑る際の摩擦の大きさが異なります。
主な評価項目として、治療開始から7日間の痛みをVAS(Visual Analogue Scale:視覚的アナログスケール)という方法で測定しました。また、治療開始から30日後には、OHIP-14(Oral Health Impact Profile:口腔健康影響プロフィール)という質問票を用いて、お口の健康に関連する生活の質(OHRQoL)を評価しました。
矯正治療を開始する際、特に初期の痛みを軽減したい患者さんには、セルフライゲーションブラケットの選択を検討すると良いでしょう。セルフライゲーションブラケットは、従来型ブラケットに比べて摩擦が少なく、患者さんの痛みの軽減と口腔関連QOLの向上に寄与する可能性があります。患者さんへの装置選択の説明時に、痛みの程度や生活の質への影響について、ブラケットの種類による違いを具体的に伝えることで、患者さんの理解と納得感を深めることができます。