
Clinical effectiveness of clear aligner treatment compared to fixed appliance treatment: an overview of systematic reviews.
本研究は、マウスピース型矯正装置(CAT)と固定式矯正装置(FAT)の臨床的有効性を比較した既存の証拠を評価することを目的として実施された。主要データベースから2021年6月までのシステマティックレビューを検索し、AMSTAR-2を用いて質を評価した上で8編を解析した。結果、CATはFATと比較して治療期間が短く、歯周組織の健康状態が良好である一方、咬合接触やトルクコントロールにおいてはFATが優れていることが示された。軽度から中等度の症例においてCATは有効な選択肢であるが、複雑な歯の移動には限界があることが示唆される。
これは「システマティックレビューのオーバービュー」と呼ばれる、過去に行われた複数のシステマティックレビューをさらに統合して分析した、エビデンスレベルの高い研究です。2021年6月までに発表された論文の中から、マウスピース矯正(CAT)と固定式装置(FAT)を比較した8つのシステマティックレビューを厳選して解析しました。軽度から中等度の不正咬合を持つ患者さんを対象に、治療期間、治療結果の質、副作用などを総合的に比較検証しています。
インビザラインに代表されるマウスピース型矯正装置と、従来のブラケットとワイヤーを用いた固定式装置(マルチブラケット装置)を比較対象としています。
治療にかかった期間、治療後の咬合状態(ABOスコアや咬合接触)、歯周組織の健康状態、歯根吸収の有無、治療中の痛みなどを主要評価項目として測定しました。
マウスピース矯正は、歯周病リスクの高い患者さんや、治療期間を短縮したい軽度〜中等度の症例には非常に適した選択肢です。しかし、咬合の緊密な仕上げや歯根のトルクコントロールが必要な難症例では、固定式装置の方が確実性が高いと言えます。患者さんには「マウスピース矯正は快適で清掃性が高いが、細かい仕上げには限界がある場合がある」ことを説明し、症例によっては最終段階で部分的なブラケット装着が必要になる可能性も伝えておくと良いでしょう。