
Assessment of simulated vs actual orthodontic tooth movement with a customized fixed lingual appliance using untreated posterior teeth for registration and digital superimposition: A retrospective study.
本研究は、CAD-CAM技術を用いたカスタムメイド舌側矯正装置「インコグニート・ライト(Incognito Lite)」において、デジタルセットアップによる予測と実際の治療結果の整合性を検証することを目的として実施された。34名の患者の最終模型と予測模型を、移動させていない臼歯部を基準点としてデジタル上で重ね合わせ、3次元的な差異を比較した。その結果、回転・傾斜・トルクなどの角度変化は予測値と統計的な有意差がなかったが、歯の平行移動においては、上顎中切歯で1.0±0.6mm、下顎中切歯で0.8±0.4mmの有意な乖離(P < 0.0001)が認められた。本装置は角度制御には優れるが、平行移動の再現性には限界があることが示唆された。
この研究は、デジタル上で計画した歯の動きが実際にどれくらい達成されたかを調べた「後ろ向き研究」です。カスタムメイドの舌側矯正装置(インコグニート・ライト)を使用した34名の患者さんを対象に、治療後の実際の歯並びと、治療前にシミュレーションされた予測模型を比較しました。移動させていない奥歯を基準点として重ね合わせることで、前歯部の移動量を正確に計測しています。
カスタムメイドの舌側矯正装置である「インコグニート・ライト(Incognito Lite)」を使用しました。治療後の模型を3Dスキャンし、専用サイトから書き出した予測模型とデジタル上で重ね合わせて比較を行いました。
歯の「平行移動(前後・左右・上下のズレ)」と「角度(傾き・ねじれ・トルク)」の2つの側面から、予測と実際のズレをミリメートルと度数で測定しました。
インコグニート・ライトを用いた治療では、歯のねじれや傾きの改善はシミュレーション通りに運びやすいですが、前歯を後ろに下げるなどの平行移動は予測よりも不足する可能性があります。デジタルセットアップの数値を過信せず、特に前歯の前後的な位置関係については、治療の途中でリカバリーや微調整が必要になることを念頭に置いておきましょう。