
Accuracy evaluation of orthodontic movements with aligners: a prospective observational study.
本研究は、クリアアライナーによる歯の移動精度を定量的に評価することを目的として実施された。成人患者16名(計348歯)を対象とした前向き観察研究であり、F22アライナーシステムを用いて治療を行った。治療前、バーチャルセットアップ、治療後のデジタルモデルを重ね合わせ、予測された移動量と実際の移動量を比較検討した。その結果、全体の平均移動精度は73.6%であった。移動様式別では頬舌側傾斜の精度が最も高く、一方で回転(特に犬歯と小臼歯)や挺出の精度は低いことが示された。臨床的には、回転や挺出移動を含む症例において、過修正や補助的装置の併用が必要であることが示唆される。
イタリアの大学で行われた前向き観察研究です。 16名の成人患者(平均年齢28歳)、合計348本の歯を対象としました。 抜歯を伴わない軽度から中等度の叢生(ガタガタ)症例に対し、アライナー治療を行い、治療計画(シミュレーション)通りに実際に歯が動いたかどうかを検証しました。
F22アライナー(Sweden & Martina社)というマウスピース矯正装置を使用しました。 治療前・セットアップ(予測)・治療後の3つの時点のデジタルモデル(STLデータ)を重ね合わせて比較しました。
各歯の移動量(近遠心移動、頬舌側移動、回転、傾斜、トルク、圧下、挺出)について、セットアップ上の予測値と、実際に達成された移動量の差(精度)を測定しました。
アライナーは傾斜移動には有効ですが、回転や挺出には限界があります。 特に犬歯や小臼歯の回転を行う際は、シミュレーション通りには動かない可能性が高いため、治療計画段階で オーバーコレクション(過修正) を組み込むことが推奨されます。 また、難易度の高い移動には、補助的なアタッチメントやボタンの使用を積極的に検討する必要があります。