マウスピース矯正と固定式矯正装置におけるホワイトスポット病変、プラーク蓄積、唾液中のう蝕関連細菌の比較:システマティックレビューおよびメタ解析

マウスピース矯正と固定式矯正装置におけるホワイトスポット病変、プラーク蓄積、唾液中のう蝕関連細菌の比較:システマティックレビューおよびメタ解析

White spot lesions, plaque accumulation and salivary caries-associated bacteria in clear aligners compared to fixed orthodontic treatment. A systematic review and meta- analysis.

著者Shailaja Raghavan, Elham S Abu Alhaija, Mandeep Singh Duggal, Srinivasan Narasimhan, Sadeq Ali Al-Maweri
掲載誌BMC oral health
掲載日2023年8月
矯正歯科
マウスピース矯正ブラケット矯正比較研究システマティックレビュー

要旨

本研究は、マウスピース型矯正装置(CA)と従来の固定式矯正装置(FA)におけるホワイトスポット病変(WSL)の発生率、プラーク蓄積、および唾液中のう蝕関連細菌数を比較することを目的として実施された。主要データベースより選定された14の研究を対象にシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。その結果、CA群はFA群と比較してWSLの発生率、重症度、およびプラーク指数が有意に低いことが示された。本知見は、う蝕リスクが高い患者において、CAが口腔衛生状態の維持およびWSL予防の観点で有利な治療選択肢であることを示唆している。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

信頼性の高い「システマティックレビュー・メタ解析」という手法を用いた研究です。合計14本の臨床論文(対象患者数889名)を統合して分析を行いました。従来のワイヤー矯正(固定式装置)とマウスピース矯正を使用している患者さんを対象に、治療中の虫歯リスクや口腔衛生状態にどのような差が出るかを比較・検証しています。

🦷 使った装置・方法

インビザラインなどの「マウスピース型矯正装置(CA)」と、ブラケットとワイヤーを用いる「固定式矯正装置(FA)」を比較しました。

📏 何を測った?

主な評価項目は、初期虫歯である「ホワイトスポット病変(WSL)」の発生率と重症度、歯垢の付着量を示す「プラーク指数」、および「唾液中のう蝕関連細菌(ミュータンス菌など)のレベル」です。

📊 主な結果

  • マウスピース矯正群は、固定式装置群と比較して、ホワイトスポット病変(WSL)の発生率が有意に低いという結果が出ました。
  • プラーク指数(PI)および歯肉指数(GI)においても、マウスピース矯正群の方が有意に低い値を示し、清掃性が高いことが裏付けられました。
  • 唾液中のストレプトコッカス・ミュータンス菌やラクトバチラス菌のレベルについては、マウスピース矯正群で低い傾向が見られましたが、全ての解析で一貫した有意差が出たわけではありませんでした。

💡 臨床で使えるポイント

カリエスリスクが高い患者さんや、ブラッシングが苦手な若年者などに対しては、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正を選択することで、治療中の虫歯や歯肉炎のリスクを下げられる可能性が高いです。ただし、マウスピース自体を清潔に保つ指導や、アタッチメント周囲のケア指導は衛生士として欠かさず行う必要があります。