
Clinical efficacy of the Invisalign mandibular advancement appliance: A retrospective investigation.
本研究は、II級不正咬合治療におけるインビザライン・マンディビュラー・アドバンスメント(MA)装置の治療計画と実際の治療結果の一致度を検証することを目的として実施された。成長期のII級患者32名を対象に、治療前後のデジタル模型とClinCheck計画を重ね合わせ分析した。その結果、オーバージェットの改善は計画通り達成されたが、下顎切歯の唇側傾斜は計画よりも有意に大きく、下顎骨の成長量は計画を下回った。MA装置はII級改善に有効であるが、その効果は骨格的な変化よりも歯性移動、特に下顎切歯の傾斜に依存する傾向が示唆された。
成長期のII級不正咬合(出っ歯)を持つ10代の患者さん32名(平均年齢13.2歳)を対象とした、後ろ向き研究です。インビザラインの機能的矯正装置である「マンディビュラー・アドバンスメント(MA)」を使用して治療を行った際、最初の治療計画(クリンチェック)で予測された歯や顎の動きが、実際にどの程度達成されたかを検証しました。
インビザラインのアライナーに下顎を前方に誘導するウィングがついた「MA装置」を使用しました。治療前、治療一期終了時のデジタル模型データ(STL)と、治療計画データを重ね合わせて比較しました。
オーバージェット、オーバーバイト、大臼歯関係の変化に加え、下顎切歯の傾斜角度や下顎の長さの変化などをデジタル上で計測しました。
インビザラインMAはII級改善に有効ですが、クリンチェックのシミュレーション通りに顎が骨格的に成長するわけではありません。実際には下顎前歯が予想以上に唇側へ傾斜する「歯性移動」で補正される割合が高いため、治療計画時には下顎前歯の歯肉退縮や骨植状態に十分注意が必要です。また、骨格的な改善効果を過信せず、IPRや追加のトルクコントロールを検討することが推奨されます。