
Does orthodontic treatment using fixed appliances cause initial caries lesions?
本研究は、固定式装置を用いた矯正治療が初期う蝕(Initial Caries Lesions: ICLs)の発生率および有病率に与える影響を評価することを目的として実施された。1990年から2023年5月までに発表されたランダム化比較試験(RCT)やコホート研究など21件を対象にシステマティックレビューを行い、うち19件でメタ解析を実施した。その結果、矯正患者の57%にICLsが認められ、治療中に新たにICLsが発生した割合は48%であった。ICLsの発生は治療期間の長さに正の相関を示したが(p < 0.01)、年齢との関連は認められなかった。固定式装置は脱灰リスクを高めるため、治療中の予防処置の徹底が不可欠である。
固定式矯正装置が初期う蝕(ホワイトスポットなど)の発生にどの程度影響するかを調査した、信頼性の高いシステマティックレビューおよびメタ解析です。1990年から2023年までに発表された11件のランダム化比較試験(RCT)を含む計21件の研究を精査し、データを統合しました。永久歯列で固定式装置による治療を受けた患者さんを対象とし、装置装着によるむし歯のリスクを具体的な数値で検証しています。数千人規模のデータを背景に、治療期間や年齢がリスクにどう関わるかを明らかにしました。
マルチブラケット装置などの固定式矯正装置を使用している患者さんを対象に、治療中および治療後の歯面の状態を分析しました。
患者単位および歯の面単位での初期う蝕(ICLs)の有病率(すでにある割合)と、治療中に新しく発生した割合(発生率)を主要な指標として測定しました。
固定式装置を使用する場合、約2人に1人の割合で新しい初期う蝕が発生するという高いリスクを再認識する必要があります。特に治療期間が長期化する症例ではリスクが蓄積するため、ブラッシング指導の徹底に加え、高濃度フッ化物配合歯磨剤の使用やオフィスでのフッ化物塗布などの予防介入を、治療開始時からルーチンで行うことが推奨されます。