
Dimensional changes of the gingival tissues induced by clear aligners and fixed orthodontic appliances.
本研究は、矯正学的歯の移動が歯肉組織に及ぼす影響を、マウスピース型矯正装置(CA)と固定式マルチブラケット装置(FA)の間で比較検討することを目的として実施された。成人患者40名を対象とした前向き臨床研究であり、治療開始時と配列終了時の口腔内スキャンを用いて、臨床的歯冠長(CCH)および歯肉厚(GT)の変化をデジタル解析した。その結果、FA群ではCCHの有意な増加(歯肉退縮)とGTの減少が認められたのに対し、CA群では歯肉組織の寸法が比較的安定しており、両群間に有意差が確認された。臨床的意義として、歯周組織の健康維持の観点からは、固定式装置よりもマウスピース型装置が有利である可能性が示唆された。
この研究は、矯正治療中の「歯ぐきの変化」を比較した前向き臨床研究です。非抜歯で矯正治療を行う成人患者40名(平均年齢約26〜28歳)を対象とし、マウスピース矯正(CA)群20名と、従来のワイヤー矯正(FA)群20名に割り振りました。治療開始時(T0)と歯の配列が完了した時点(T1)で口腔内スキャンを行い、歯ぐきの高さや厚みがどのように変化したかをデジタル技術を用いて精密に比較・検証しました。
透明なマウスピース型矯正装置(クリアアライナー)と、従来の固定式マルチブラケット装置を使用しました。デジタルモデルを重ね合わせることで、歯肉の変化量を計測しました。
主に「臨床的歯冠長(CCH:歯肉が下がって歯が長く見えていないか)」と「辺縁歯肉の厚み(GT:歯ぐきが薄くなっていないか)」を測定し、アタッチメントロス(付着の喪失)の指標としました。
ワイヤー矯正はマウスピース矯正に比べ、歯肉退縮や歯肉が薄くなるリスクが高いことが示唆されました。特に歯肉のバイオタイプが薄い(Thin biotype)患者さんや、歯肉退縮が懸念される成人症例においては、歯周組織へのダメージが少ないマウスピース矯正を第一選択として提案することが有効です。