
Occlusal outcome of orthodontic treatment: a systematic review with meta-analyses of randomized trials.
本研究は、マルチブラケット装置を用いた矯正治療において、咬合の仕上がりに影響を与える装置やプロトコルを明らかにすることを目的として実施された。2024年3月までに発表されたランダム化比較試験(RCT)を対象に、7つのデータベースを用いてシステマティックレビューとメタ解析を行った。20件の研究(計1,470名)を分析した結果、治療後のPAR指数は平均6.0点、ABO-OGSは平均18.9点であり、抜歯症例は非抜歯症例よりも有意に良好な咬合転帰を示した(p=0.02)。一方で、ブラケットのスロット径、カスタムブラケット、アンカースクリュー、加速矯正装置、マウスピース型矯正装置の有無による有意差は認められなかった。臨床的には、装置の選択よりも適切な診断と治療計画が重要であることが示唆された。
矯正治療の仕上がりの質(咬合の完成度)に、使用する装置や手法がどう影響するかを調べた「システマティックレビュー(過去の質の高い研究をまとめたもの)」です。20件のランダム化比較試験(RCT)から、合計1,470名の患者さんのデータを分析しました。固定式のマルチブラケット装置を用いた本格矯正治療を対象とし、年齢や性別を問わず、2024年3月までの報告を幅広く調査しています。
マルチブラケット装置を中心に、ブラケットのスロットサイズ(0.018インチ vs 0.022インチ)、既製品 vs カスタムブラケット、インダイレクトボンディング、歯科矯正用アンカースクリュー(TADs)、振動加速装置、さらにマウスピース型矯正装置との比較も含まれています。
治療前後の歯並びと噛み合わせの質を、世界的に使われている指標である「PAR指数(Peer Assessment Rating)」と「ABO-OGS(American Board of Orthodontics-Objective Grading System)」を用いて数値化し、その変化量や最終スコアを測定しました。
咬合の完成度を高めるためには、最新の装置や加速装置などのオプションに頼るよりも、抜歯・非抜歯の適切な判断を含めた治療計画が重要です。スロットサイズやブラケットの種類による仕上がりの差はほとんどないため、術者が使い慣れたシステムを習熟し、最終的な咬合の細部(フィニッシング)に注力することが、質の高い治療結果につながります。