固定式矯正治療におけるカスタムCAD/CAMブラケットの有効性と効率性:システマティックレビューおよびメタ解析

固定式矯正治療におけるカスタムCAD/CAMブラケットの有効性と効率性:システマティックレビューおよびメタ解析

The efficacy and effectiveness of customized CAD/CAM brackets in fixed orthodontic treatment: a systematic review and meta-analysis.

著者Erfan Bardideh, Navid Kerayechian, Mahsa Ghorbani, Farnaz Younessian, Hooman Shafaee
掲載誌European journal of orthodontics
掲載日2025年1月
矯正歯科
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要旨

本研究は、コンピュータ支援設計・製造(CAD/CAM)技術を用いたカスタムブラケットの矯正治療における有効性と効率性を、従来型ブラケットと比較検証することを目的として実施された。2024年6月までに発表された主要データベースの文献を対象に、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。最終的に6件の研究が分析対象となり、解析の結果、治療結果の質を示すABO-CRE(アメリカ矯正歯科ボード模型・レントゲン審査)スコアおよび来院回数において、両群間に有意な差は認められなかった(p > .05)。しかし、治療期間に関しては、CAD/CAMブラケット群が従来群と比較して平均4.07ヶ月有意に短縮された(p = .010)。本研究は、カスタムブラケットが治療の質を維持しつつ、治療期間を短縮できる可能性を示唆している。

論文まとめ

🔬 どんな研究?

矯正治療で使われるオーダーメイドの「CAD/CAMブラケット」と、一般的な「既製品ブラケット」の効果を比較したシステマティックレビューおよびメタ解析です。2024年6月までに報告された6件の研究を統合して分析しました。研究では、治療の仕上がりの質、治療にかかった期間、そして通院回数の違いを検証しています。対象は固定式のマルチブラケット装置を用いた矯正患者さんです。

🦷 使った装置・方法

患者さん一人ひとりの歯の形に合わせて設計・製作されたCAD/CAMカスタムブラケットと、従来の既製品ブラケット(コンベンショナルブラケット)を使用し、マルチブラケット装置による治療を行いました。

📏 何を測った?

主要な評価項目としてABO-CRE(アメリカ矯正歯科ボードの模型・レントゲン審査)スコアを用いて治療の質を測定しました。また、副次的に全体の治療期間と来院回数を比較しました。

📊 主な結果

  • 治療の仕上がりの質を示すABO-CREスコアには、CAD/CAMブラケットと従来型ブラケットの間で統計的な有意差は認められませんでした(平均差 -0.49, 95%信頼区間 -4.67〜3.68, p=0.82)。
  • 全体の治療期間は、CAD/CAMブラケットを使用することで平均4.07ヶ月有意に短縮されました(95%信頼区間 -7.16〜-0.99, p=0.010)。
  • 治療中の来院回数については、両群間で有意な差は見られませんでした(平均差 -1.88回, 95%信頼区間 -5.91〜2.16, p=0.36)。

💡 臨床で使えるポイント

カスタムブラケットを採用することで、治療の質を落とすことなく、治療期間を約4ヶ月短縮できる可能性があります。患者さんに対して「より早く終わる可能性が高い治療オプション」として提示できますが、来院回数自体は大きく変わらない点に留意してカウンセリングを行うのが良いでしょう。