
Controlling pain during orthodontic fixed appliance therapy with non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAID): a randomized, double-blinded, placebo-controlled study.
本研究は、固定式矯正装置の装着後に患者が感じる疼痛を評価し、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の鎮痛効果を比較検討することを目的として実施された。45名の患者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験において、アセトアミノフェン(Paracetamol)500mg、プラセボ、エトリコキシブ(Etoricoxib)60mgの3群に分け、装置装着1時間前から3日目まで投与を行った。VASを用いて疼痛を記録した結果、矯正治療には中等度の痛みが伴い、個人差が大きいことが示された。3群間で疼痛抑制効果に有意差が認められ、エトリコキシブ60mgが最も高い鎮痛効果を示した。本研究は、エトリコキシブが固定式装置による疼痛管理に極めて有効であることを示唆している。
この研究は、矯正装置をつけた後の痛みをどの薬が一番抑えられるかを調べた「ランダム化二重盲検プラセボ対照試験」という信頼性の高い研究デザインです。固定式矯正装置による治療をこれから始める患者さん45名を対象としています。患者さんは、アセトアミノフェン群、プラセボ群、エトリコキシブ群の3つのグループに15名ずつランダムに分けられました。装置をつける1時間前から薬を飲み始め、その後3日目までの期間、痛みの変化を追跡しています。
一般的な固定式のブラケット装置とアーチワイヤーを使用しました。鎮痛薬(アセトアミノフェン500mgを1日3回、またはエトリコキシブ60mgを1日1回)を、装置装着の1時間前から服用開始する「先制鎮痛」という方法をとっています。
視覚的アナログ尺度(VAS)という、痛みの強さを数値化するスケールを用いました。装置装着の2時間後、6時間後、当日の夜、24時間後、2日目の夜、48時間後、3日目の夜という計7つのタイミングで、患者さん自身に痛みの程度を記録してもらいました。
矯正装置を装着した後の痛みは、装着の1時間前から鎮痛薬を服用してもらう「先制鎮痛」によって効果的に軽減できる可能性があります。特に痛みが強く出やすい最初の数日間は、適切な薬剤選択が患者さんの快適さを左右します。日本ではエトリコキシブの歯科適応は一般的ではありませんが、同様の機序を持つ薬剤や、アセトアミノフェンの適切な処方設計を検討する価値があります。