
Are there differences in treatment effects between labial and lingual fixed orthodontic appliances? A systematic review and meta-analysis.
本研究は、表側矯正装置と裏側(舌側)矯正装置の治療効果における差異を評価することを目的として実施された。PubMed、Cochrane Library、LILACSを用いた網羅的な文献検索により、2017年4月までに発表された研究を抽出した。最終的に4件の研究(計249名)を対象にメタ解析を行った結果、裏側矯正装置では切歯路角が増加し、上顎中切歯歯軸とSN平面(Sellar-Nasion plane)のなす角が減少する傾向が認められたが、統計的な有意差は得られなかった(p=0.101、p=0.079)。結論として、裏側矯正は切歯の傾斜移動を誘発しやすい傾向があるものの、セファロ分析値において表側矯正との間に明確な差はないことが示唆された。
この研究は、過去の質の高い論文をまとめて分析した「システマティックレビューおよびメタ解析」という信頼性の高い研究デザインです。合計249名の患者さんを対象とした4つの研究を精査しました。表側矯正装置と裏側(舌側)矯正装置を用いた患者さんを対象に、治療後の歯の動きや骨格的な変化にどのような違いがあるかを比較・検証しています。2017年4月までの全期間を対象に調査が行われました。
一般的な表側固定式装置(マルチブラケット装置)と、歯の裏側に装着する裏側(舌側)固定式装置を比較しました。
セファロ(頭部エックス線規格写真)を用いて、上下顎切歯の角度や位置関係など、6つの角度と距離を測定し、治療前後の変化量を評価しました。
裏側矯正は審美性に優れますが、表側矯正と比較して前歯が内側に倒れ込みやすい(舌側傾斜)傾向があることを念頭に置く必要があります。治療計画の段階で、症例の不正咬合の特性に合わせて装置を選択し、特に前歯のトルクコントロールに注意を払うことが重要です。現時点では両者の治療結果に大きな差はないとされていますが、対象論文数が少ないため、結果の解釈には注意が必要です。