
Predictability of anterior open bite treatment with Invisalign.
本研究は、インビザラインによる前歯部開咬治療の予測精度を検証することを目的として実施された。成人患者41名を対象に、治療前・治療計画(ClinCheck)・治療後のデジタルモデルを重ね合わせ、オーバーバイト改善量と歯の移動様式を比較した。その結果、オーバーバイト改善の予測実現性は約72%であり、主な改善機序は前歯の挺出と舌側傾斜であった。一方、計画された臼歯部圧下は達成されず、実際にはわずかな挺出が認められた。臨床的には、アライナーのバイトブロック効果による臼歯圧下は予測性が低く、前歯部移動のオーバーコレクションが重要であることが示唆される。
インビザラインを用いて前歯部開咬(前歯が噛み合わない状態)の治療を行った成人患者41名を対象とした、後ろ向き研究です。治療開始前の状態、クリンチェックによる予測モデル、そして最初のアライナーセット終了時の実際の歯並びのデータをデジタル技術で重ね合わせました。計画通りに開咬が治っているか、特に「アライナーを噛むことで奥歯が沈む(圧下する)」という説が正しいのかを含め、どの歯がどう動いて治ったのかを詳細に検証しています。
インビザライン・システム(包括的治療)を使用し、デジタルスキャンデータ(STLファイル)を用いて、治療計画上の歯の位置と実際に移動した後の歯の位置を3次元的に比較しました。
主にオーバーバイト(前歯の重なり具合)の変化量、前歯の挺出(伸びる動き)や傾斜、そして臼歯(奥歯)の垂直的な位置変化が計画通りに行われたかを測定しました。
インビザライン単独で「アライナーの厚みによる臼歯圧下効果」を期待して開咬を治そうとするのは確実性が低いです。実際には奥歯は沈まず、前歯の移動で改善していることが多いため、前歯の挺出には十分なオーバーコレクション(過剰修正)を組み込む必要があります。骨格的な開咬で臼歯圧下が必須の場合は、アライナー単独ではなくTADs(矯正用アンカースクリュー)などの併用を検討すべきです。