公開日: 2023/11/16
更新日: 2024/02/14
八重歯について、疑問や悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
この記事では、八重歯の基本的な知識から、犬歯との違い、治療法や費用について詳しく解説していきます。
さらに日本で八重歯が「かわいい」とされる文化的背景や健康面のリスク、部分矯正の可能性まで、幅広い情報をまとめました。
この記事を読むことで、八重歯に関するあなたの疑問が解消され、より健康で美しい笑顔を手に入れるための一歩を踏み出すことができるはずです。
最後まで読んで、あなたの八重歯に最適な治療法を見つけましょう。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
まずは八重歯とはなにか?を確認しましょう。
「八重」という言葉は、日本語で「数多く重なっていること」を意味します。
そのため「八重歯」とは、重なって生えている歯のことを指します。
本来前歯は、上下の正中が揃い、横の歯同士もぴったりと並んでいるのが理想的な状態です。
しかし八重歯は重なって生えているので前に突出してしまい、非常に目立ちます。
多くの場合、八重歯は成長過程で顎のスペースが不足することによって起こります。
顎のスペースが不足すると、新しく生えてくる歯が既存の歯を押しのけたり、重なりあったりする形で生えてくるため、八重歯が形成されるのです。
このようにして生じた八重歯は、見た目の印象だけでなく、口腔内の健康にも影響を及ぼします。
犬歯は前から数えて3番目に位置する槍のような形をした前歯で、「糸切り歯」とも呼ばれます。 通常前方の切歯と、それより後ろに位置する小臼歯(奥歯の1つ前にある歯)の間に位置していて、食物を咬みきる機能を持っています。
犬歯は他の永久歯に比べて生えるのが遅いため、顎のスペースが限られている状況で生えてきた際に、八重歯となるリスクが高まります。
それ故に、八重歯=犬歯であるというイメージが定着しているのです。
実は犬歯だけでなく、小臼歯や前歯が突出して八重歯になるケースもありますが、これは比較的稀です。
八重歯は、日本ではしばしば「かわいい」と見なされる特徴の1つです。
印象に残りやすいため個性や愛嬌となり、笑顔を際立たせるチャームポイントとして捉えられることが多いのです。
このような背景から、八重歯は若者の間で好まれ、時には自然な八重歯を持たない人々が「つけ八重歯」というアクセサリーを使用することさえあります。
しかし八重歯をかわいいと思うかどうかは国や文化によって大きく異なります。
西洋諸国をはじめとする他の国では、八重歯は通常「歯並びが悪い」と見なされ、矯正されることが一般的。
八重歯に対する評価は、文化的な価値観や美の基準に深く根ざしており、一概に「かわいい」とは限らないのが実情です。
悪い歯並びについて詳しく知りたい方は、次の記事もチェックしてみてくださいね。
八重歯は通常の歯並びに比べて歯磨きが難しく、歯ブラシが届きにくい部分にプラークが蓄積しやすくなります。 これが虫歯や歯周病のリスクを高める原因になることも。
そのため八重歯がある場合、歯間ブラシやデンタルフロスを使った丁寧なケアが必要です。
また定期的な歯科検診で歯のクリーニングを受けることも、大切といえるでしょう。
八重歯は噛み合わせのバランスを崩す恐れがあります。
犬歯は「犬歯誘導咬合」という、安定したかみ合わせにとって非常に重要な歯です。 犬歯が八重歯の場合、奥歯や顎の関節に「咬合性外傷」というダメージが生じる可能性があります。
八重歯は、その突出している部分で頬や舌を繰り返し傷つけることがあり、口内炎の原因になります。 また八重歯が常に口腔内に当たって、食事や会話の際の違和感の原因になることも。
八重歯は容姿に自信を失ったり、人前で笑顔を見せづらくなったりする原因となる可能性があります。
また、前述した通り、八重歯は国際社会において「歯並びが悪い」と見られやすいです。
相手によっては、マイナスな第一印象を与え、コミュニケーションに影響を及ぼすことがあるかもしれません。
八重歯の矯正を検討している人にとって、抜歯の必要があるかどうかは重要な問題でしょう。
八重歯となりやすい犬歯は、噛み合わせの安定に重要な役割を果たす歯で、八重歯(犬歯)を抜くことで、歯並びの問題が解決するとは限りません。
矯正にあたって八重歯(犬歯)を抜歯すべきなのか、そのほかの歯を抜歯すべきなのかは、歯科医と相談する必要があります。
八重歯(犬歯)だけが歯列から完全にはみ出していて、ほかの歯並びやかみ合わせに全く問題がない場合は、犬歯を抜くことがあります。
しかしこの場合、噛み合わせにおいて重要な犬歯を失うことになるため、そのほかの歯で噛み合わせの機能を補えるか、注意する必要があります。
八重歯は歯みがきが難しく、他の歯よりもプラークが蓄積しがちです。 そのため気づいたときには八重歯(犬歯)が虫歯になっていることも。
もし八重歯(犬歯)が虫歯や歯周病により寿命が短くなっている場合、犬歯を残す選択ではなく、犬歯を抜歯することを視野に入れるべきでしょう。
抜歯後は歯並びや噛み合わせのバランスを考え、必要に応じてブリッジやインプラントなどの補綴治療を行うことがあります。
噛み合わせの安定において重要な犬歯は、基本的には抜歯しないことを推奨します。 ここでは八重歯(犬歯)を抜かずに歯並びを整える方法について解説しましょう。
八重歯以外、例えば小臼歯を抜いてスペースをつくり、そこに八重歯を移動させられる場合、健康な犬歯を保ちながら歯並びを改善することが可能です。
この方法は、咬み合わせに非常に重要な犬歯を残せることが最大のメリットです。
軽度の八重歯の場合、歯を削る処置(IPR)や、顎の骨を広げる側方拡大などの方法でスペースを作り出し、矯正治療を行うことができます。
IPRは隣接する歯の間を0.2~0.5mm程度削り、わずかなスペースを作る治療のことです。
側方拡大は、成長期の子供に有効で、顎の成長を促進してスペースを確保する治療法です。まだ成長段階の骨にアプローチすることで、将来的な矯正治療の必要性を減らすことが期待できます。
ワイヤー矯正は、八重歯の治療において一般的な方法の1つ。 金属のブラケットとワイヤーを使用して歯を徐々に動かし、理想的な位置に導きます。
八重歯の症例で1番多いといわれる、上の犬歯が外に向いた八重歯(低位唇側転位) には、もっともおすすめの治療法です。
装置が目立つという点は、見た目を気にする人にとってデメリットとなるでしょう。
また食事の際に食べ物が挟まりやすく、定期的なクリーニングが必要です。器具が口腔内にあたって、口内炎を起こしやすいという点も考慮する必要があります。
舌側矯正は、矯正装置を歯の裏側(舌側)に取り付ける矯正治療法です。
この方法の最大の特徴は、装置が外から見えないため、矯正治療をしていることが周囲に気づかれにくい点です。
しかし、舌側矯正は装置が舌に触れるため、治療中には発音のしにくさや舌の違和感を覚えることがあります。さらに表側矯正に比べて治療費が高く、治療期間も長くなる傾向があります。
また、舌側矯正はすべての八重歯に対応できるわけではありません。 八重歯の重なりが強い場合、重なっている歯が邪魔になり、歯の裏側に装置を付けられない場合があります。
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを使用することで、目立ちにくい矯正治療を実現する方法です。
マウスピース矯正のメリットは、マウスピースの取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際の不便さが少なく、目立たない点。
ただしマウスピース矯正は、上のほうに生えてしまった八重歯を下ろすのには向いていません。 そのためマウスピースのみの矯正ではなく、一時的にワイヤー矯正と併用して治療を行うクリニックもあります。
部分矯正は、特定の歯だけを対象に行うため、全体的な矯正に比べて費用が安く、治療期間も短縮されることがあります。
特に八重歯は「全体の歯並びは気にならないけれど、八重歯周辺だけが気になる」という場合も多いため、部分矯正を検討する人は多いでしょう。
しかし部分矯正が適切かどうかは、全体の歯並びを考慮した上で判断する必要があります。 部分矯正は、軽度の歯並びや特定の歯の矯正に最適ですが、全体矯正をしたほうが結果的に満足いく結果になることもあるからです。
全体矯正と部分矯正の違いが気になったら、クリニックに相談してみましょう。
子供の場合、顎の成長に合わせて自然にスペースが確保されることがあるので、矯正が不要という場合もあります。
通常、乳歯より永久歯のほうが大きいのですが、前から数えて3,4,5番目、ちょうど八重歯のあたりは乳歯よりも永久歯のほうが小さいのです。 この大きい乳歯と小さい永久歯の幅の差を「リーウェイスペース」と言います。 リーウェイスペースがあることによって、永久歯はきれいに並びやすくなっています。
生え変わりの時期であれば、このリーウェイスペース周辺の成長を見越して、抜歯ではなく経過観察するという選択肢もあるでしょう。
若いうちの健康な歯はなるべく失いたくないもの。歯科医とも相談しつつ、その時々で最適な方法を見つけることをおすすめします。
本記事では、八重歯に関する様々な疑問について解説しました。
八重歯は顎のスペース不足により生じることが多く、歯みがきの難しさや噛み合わせの問題など、いくつかのリスクを伴います。
ワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正などさまざまな治療法があるので、それぞれのメリットとデメリットを理解しつつ、まずは歯科医に相談してくださいね。
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