更新日: 2025/06/12
マウスピース矯正を検討しているけれど、実際に歯並びが改善されるのか?費用はどれぐらいかかる?痛みはどうなのだろう?と、気になっている人が多いのではないでしょうか。
本記事では、マウスピース矯正についてのさまざまな疑問についてまとめました。
基本的な知識やメリット・デメリット、治療の流れや治療にかかる費用や期間、ブランドの選び方についても詳しく紹介しています。
マウスピース矯正について気になっている人は、ぜひ最後まで読んで、歯並びを綺麗にするための知識を深めてみてください。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かす矯正方法です。
最大の特徴は、従来のワイヤー矯正とは異なり、矯正装置がほとんど見えないため目立ちにくいことです。
日常生活での違和感も少なく、周囲に気づかれにくいため、社会人・学生にも人気があります。
マウスピースは患者それぞれの歯並びに合わせて作られ、1~2週間ごとに新しいものに交換しながら治療を進めます。
治療にかかる期間は数か月〜2年、平均的な費用は、部分矯正だと平均36万円程度、全体矯正だと平均86万円程度です(スマイルモア矯正調べ)。
画像出典元:公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
マウスピース矯正は、透明な装置で歯に弱い力をかけ続けることで、歯根膜(しこんまく)と歯槽骨(しそうこつ)が反応し、少しずつ歯が動いていく仕組みです。
動かす方向に応じて骨が吸収・再生を繰り返し、理想の位置へと導かれます。効果を感じる時期は人によって異なりますが、早ければ2〜3ヶ月で前歯の並びに変化を実感できる方もいます。
多くの場合、5〜6ヶ月ほどで見た目の変化をはっきりと感じられるようになります。1日20時間以上の装着が効果を左右するため、指示通りの使用が大切です。
マウスピース矯正の効果は、治療を始めてから早ければ1〜2ヶ月ほどで少しずつ感じ始めることがあります。最初はわずかな変化でも、3〜6ヶ月を過ぎると歯並びや口元に明らかな変化が見られるようになり、自分でも実感しやすくなるでしょう。
治療が完了するまでは、症状や目指す歯並びによって個人差はありますが、一般的には半年から2年ほどの期間を要します。効果を最大限に引き出すためには、決められた装着時間をきちんと守り、歯科医の指示に従うことが重要です。
毎日の積み重ねが結果につながるため、自己管理の意識が成功のカギとなります。
マウスピース矯正を始めた初期の1〜2ヶ月では、噛み合わせの微妙な変化や歯のわずかな位置移動を感じることがあります。
見た目にはまだ大きな変化は見られなくても、食事中や会話の中で違和感が軽減されたり、マウスピースのフィット感が変わってきたと気づく方もいます。これらの小さな変化は、矯正が順調に進んでいる証です。
初期段階では歯が動き出す準備期間ともいえ、正しい装着時間を守ることでこの先のスムーズな歯の移動につながります。
3〜6ヶ月ほど経過すると、鏡を見たときに歯並びが整ってきたと実感できる方が多くなります。特に前歯の位置や角度がそろってくることで、笑顔に自然な美しさが増すのが特徴です。
また、噛み合わせのバランスが改善され、食べやすさや話しやすさに違いが出てくる場合もあります。日常生活の中で口元の印象が変わったと他人に言われることもあり、モチベーションが上がる時期です。この頃の変化が、治療継続への大きな励みとなるでしょう。
治療開始から完了までは、段階的に変化が進みます。初期の1〜2ヶ月で土台が整い、中期の3〜6ヶ月で見た目の改善が進行します。
その後、細かな歯の調整や噛み合わせの安定に入ると、より精密な動きが求められるようになります。全体の治療期間は半年から2年程度が目安ですが、症状の重さや治療計画によって異なるでしょう。
最後には保定装置で後戻りを防ぎ、整えた歯並びを維持する段階に入ります。段階ごとの変化を感じながら、確実に理想の歯並びに近づいていきます。
マウスピース矯正の効果を最大限に引き出すには、装着時間の厳守が重要です。1日20時間以上を目安に、食事や歯磨き以外の時間は常に装着するようにしましょう。
また、決められた交換サイクルを守ることも欠かせません。歯科医の指示に従い、計画通りに進めることが結果につながります。さらに、マウスピースを清潔に保つことで、口腔内トラブルの予防ができます。
小さな習慣の積み重ねが、矯正効果を高める大きな力となるでしょう。
ここからは、マウスピース矯正のメリットについて紹介していきます。
マウスピース矯正をする最大のメリットとして、矯正装置が目立ちにくいことが挙げられます。
マウスピースは透明で、つけていても周りの人にほとんど気づかれません。
また装置が目立つワイヤー矯正と違って、矯正中でも自信を持って人前に出ることができるので、ビジネスの場や写真撮影など、外見が気になる場面でも安心です。
マウスピースは簡単に取り外せるため、食事のタイミングや種類などの制限が少なく、好きなものを自由に楽しめます。
ワイヤー矯正の場合は、食べ物が矯正装置に挟まったり、金属部分が舌に触れることで食事をしていても不快さを感じることがあります。
このような心配をせずに食事を楽しめるのは、大きな魅力でしょう。
マウスピースは取り外しができるので、日常の歯磨きや口腔内ケアがしやすいです。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤー周りの清掃が難しく、ケアをしていても虫歯になりやすかったりします。
一方でマウスピース矯正では、マウスピースを外せば歯ブラシやデンタルフロスを通常通り使用することができ、歯の健康を維持しやすいです。
またマウスピース自体のお手入れも、専用のクリーナーや水を使えば、比較的簡単に行うことができます。
マウスピース矯正は、治療範囲によって費用が異なるため、予算に合わせたプランを選択できます。一般的に、全体的な矯正は60万〜100万円、部分矯正は10万〜40万円が相場とされています。特に前歯などの一部矯正は、比較的手頃な価格で治療可能です。
ただし、理想的な歯並びを実現するためには、全体のバランスを考慮した治療が必要になる場合もあります。そのため、自分の予算や希望する治療結果をしっかりと医師と相談しながら、最適な矯正プランを見つけることが大切です。
マウスピースは歯を少しずつ動かすよう設計されており、歯に徐々に力をかけるため、急激な痛みを感じることが少ないです。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーによって歯に強い力が加わるため、調整直後に非常に強い痛みを感じやすいです。 痛みが比較的少ないのも、マウスピース矯正の大きなメリットといえます。
マウスピース矯正には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。
ここからは、マウスピース矯正のデメリットについて解説していきます。
マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されています。これは歯に継続的な力をかけることで、理想の位置へと少しずつ移動させるためです。
装着時間が不足すると、歯が予定通りに動かなくなり、治療が長引いたり、期待していた効果が得られにくくなってしまいます。また、マウスピースの交換時期にも影響が出る可能性があるため、外出時や就寝中も装着を意識し、習慣化することが成功の鍵となります。
「使用していないマウスピースを保管」したり、「マウスピースを清潔に保つため定期的に清掃」したりと、自分でマウスピースを管理する必要があります。
また日常生活のなかで、マウスピースを紛失したり壊したりする可能性もあります。マウスピースを紛失したり破損させてしまうと、治療が遅れたり追加の費用がかかったりすることもあるので、注意が必要です。
マウスピース矯正は軽度〜中等度の歯並びの改善に適した治療法ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。
例えば「上下の歯が嚙み合わない状態(重度の開咬)」や「著しい顎のズレ(顎変形症)」などは、マウスピースだけでの矯正が難しいとされます。
また、抜歯が必要なケースや、歯のねじれが大きい症例も不向きです。こうした複雑な症状の場合は、ワイヤー矯正や外科手術を伴う矯正治療など、より専門的な治療方法が選択されることが多いでしょう。
治療方針は歯科医の精密な診断のもとで決定されるため、自己判断せず、まずは矯正専門医に相談することが大切です。
マウスピース矯正中は、装着時に飲食を控える必要があります。食事のたびにマウスピースを取り外す手間が生じるため、煩わしく感じる方もいるでしょう。しかし、取り外し自体は簡単で、慣れれば数秒で済みます。
また、装着したまま飲食をすると、マウスピースの変形や着色、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、外してから飲食することが推奨されています。そのため、矯正治療中でも食事を自由に楽しみたい方には、マウスピース矯正は適しているといえるでしょう。
ここからは、マウスピース矯正を行う場合の流れについて解説していきます。
マウスピース矯正の成功には、初診時のカウンセリングと検査が欠かせません。歯科医との対話を通して、悩みや希望を明確にし、治療方針をしっかりと立てることが重要です。
また、精密な検査としてレントゲン撮影や口腔内写真の撮影など、精密な検査が行われます。これにより、歯や顎の状態を立体的に把握し、マウスピースでの矯正が適しているかどうかを見極められます。
こうした丁寧な初診相談が、効果的で後悔のない治療の第一歩となるでしょう。
続いて口腔内検査では、歯の状態を詳しくチェックします。さらに、レントゲンを撮影し、虫歯や歯周病の状態や噛み合わせ、あごの関節などを確認します。
次に歯型を採ります。
この歯型は、マウスピースを作成するための基本となるデータなので、3Dデジタルスキャンを使用して、精密な歯型を取ります。
カウンセリングと検査で得た情報をもとに、患者さん1人1人に合った矯正治療計画を立てます。
歯科医師は検査結果から、どのように歯を動かすか、全体の治療期間はどれくらい必要か、そしてどれだけのマウスピースが必要になるかを決定します。
このとき3Dシミュレーションを使って、歯の動きや完成形まで確認することが可能です。
治療計画が決まると、詳しい治療の流れや必要な期間・費用についての詳しい説明が行われます。
もし気になることがあれば医師に相談しましょう。
場合によっては、治療計画を立て直してもらうことも可能です。
治療計画が決まったら、次はマウスピースの作成が行われます。
一般的に、マウスピースの製作期間は2~4週間程度です。ブランドによっては、海外の工場を経由するため到着に時間がかかります。
完成してマウスピースが届いたら、矯正治療をスタートします。
マウスピース矯正の効果を最大限に引き出すためには、装着時間と交換のタイミングが重要です。1日に20時間以上の装着が基本とされており、これを守ることで歯に継続的な力が加わり、計画通りに歯が動いていきます。
一方、装着時間が短かったり、交換時期を遅らせたりすると、歯の動きが停滞し、治療期間が延びたり、最終的な仕上がりに影響が出ることもあります。自己管理が求められる矯正だからこそ、正しい装着と交換の習慣が成功のカギを握るのです。
矯正治療が完了したあとは、矯正された歯並びを維持するために、歯の保定を行います。
治療が完了しても、歯はもとの位置に戻ろうとするため、歯の保定が欠かせません。
保定のためには、リテーナーと呼ばれる装置を使用します。
保定期間は、最低1〜2年程度が目安です。この期間中、定期的に歯科医院を訪れて、リテーナーの調整や歯の状態のチェックを受けることが多いです。
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくい装置を使用するため、見た目を気にする方に人気の矯正方法です。
しかし、すべての歯並びに対応できるわけではありません。ここでは、マウスピース矯正が適しているケースと、適していないケースについて詳しく解説します。
マウスピース矯正は、以下のような比較的軽度から中等度の歯並びの乱れに対して効果的です。
・軽度の叢生(歯の重なりやガタつき)
・すきっ歯(歯と歯の間に隙間がある状態)
・軽度の出っ歯(上顎前突)
・軽度の受け口(下顎前突)
・過蓋咬合(上の前歯が下の前歯を覆いすぎている状態)
・開咬(前歯が噛み合わない状態)
・前歯のみの部分矯正
これらの症例では、マウスピース矯正によって歯の位置を少しずつ調整し、理想的な歯並びを目指すことが可能です。
一方で、以下のような症例では、マウスピース矯正だけでは十分な効果が得られない可能性があります。
・重度の叢生や不正咬合
歯の重なりが著しい場合や、噛み合わせのズレが大きい場合は、マウスピース矯正では対応が難しいことがあります。
・骨格的な問題がある場合
顎の骨の位置や大きさに問題がある場合、マウスピース矯正だけでは改善が難しく、外科的な治療が必要となることがあります。
・インプラントが複数ある場合
インプラントは固定されているため、矯正によって動かすことができません。そのため、インプラントが複数ある場合は、マウスピース矯正が適さないことがあります。
・埋伏歯がある場合
歯が骨の中に埋まっている状態では、マウスピース矯正での対応が難しいことがあります。
・重度の歯周病がある場合
歯周病が進行していると、歯を動かすことで症状が悪化する可能性があるため、矯正治療が難しくなります。
・自己管理が難しい場合
マウスピース矯正は、装着時間や交換時期を守る必要があります。自己管理が難しい場合は、治療効果が得られにくくなります。
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マウスピース矯正は、さまざまな歯並びの悩みに対応可能な治療法です。出っ歯やすきっ歯、八重歯、デコボコした歯並びなど、症状に応じたアプローチで矯正が進められます。
ここでは、具体的な症例ごとに、治療前後の違いや費用、治療期間などについて解説します。
出っ歯(上顎前突)は、前歯が前方に突き出している状態です。見た目のコンプレックスだけでなく、口が閉じにくい、発音がしづらいといった機能面にも影響があります。
結論からいえば、軽度から中等度の出っ歯は、マウスピース矯正で改善が期待できます。スマイルモア矯正では、4ヶ月で見た目の大きな変化が確認されました。費用は396,000円(税込)です。
詳細情報 | |
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費用 | 360,000円(税込396,000円) |
治療期間 | 4ヶ月 |
治療内容 | マウスピースを用いた歯列矯正 |
追加処置 | IPR |
※保険適用外の自由診療となります。
※効果や感じ方には個人差があります。
※マウスピース橋正の主なリスク:虫歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・1日20時間以上のマウスピース装着が必須・マウスピースにより痛みを感じる可能性・治療中に一時的にかみ合わせに不具合をきたす可能性・リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみの着用推奨。
すきっ歯(空隙歯列)は、歯と歯の間に隙間ができている状態で、前歯の隙間が特に目立つケースが多く見られます。見た目に加え、発音障害や食べ物の詰まりやすさなどの問題も生じます。
このタイプもマウスピース矯正に適しており、短期間で改善できる場合が多いです。実際にスマイルモア矯正で治療した例では、前歯のすき間が顕著でしたが、4ヶ月で改善されました。費用は396,000円(税込)です。
詳細情報 | |
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費用 | 360,000円(税込396,000円) |
治療期間 | 4ヶ月 |
治療内容 | マウスピースを用いた歯列矯正 |
追加処置 | なし |
※保険適用外の自由診療となります。
※効果や感じ方には個人差があります。
※マウスピース橋正の主なリスク:虫歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・1日20時間以上のマウスピース装着が必須・マウスピースにより痛みを感じる可能性・治療中に一時的にかみ合わせに不具合をきたす可能性・リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみの着用推奨。
八重歯(犬歯の位置異常)は、上顎の犬歯が外側に飛び出して生えている状態で、見た目が特徴的なため、美容面で悩む方が多く見受けられます。
このケースでは、マウスピース単独では難しい場合もありますが、軽度から中等度であれば対応可能です。例えば、1年5ヶ月かけて歯列全体を整えた例があります。費用は396,000円(税込)です。
詳細情報 | |
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費用 | 360,000円(税込396,000円) |
治療期間 | 1年5ヶ月 |
治療内容 | マウスピースを用いた歯列矯正 |
追加処置 | IPR |
※保険適用外の自由診療となります。
※効果や感じ方には個人差があります。
※マウスピース橋正の主なリスク:虫歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・1日20時間以上のマウスピース装着が必須・マウスピースにより痛みを感じる可能性・治療中に一時的にかみ合わせに不具合をきたす可能性・リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみの着用推奨。
デコボコの歯並び(叢生)は、歯の生えるスペースが足りず、重なり合って不規則に並んでいる状態です。審美面だけでなく、磨き残しによる虫歯や歯周病のリスクも高くなります。
中等度までのデコボコであれば、マウスピース矯正による改善が可能です。以下の例では、7ヶ月で整った歯列に。費用は部分矯正で396,000円(税込)です。
詳細情報 | |
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費用 | 360,000円(税込396,000円) |
治療期間 | 7ヶ月 |
治療内容 | マウスピースを用いた歯列矯正 |
追加処置 | なし |
※保険適用外の自由診療となります。
※効果や感じ方には個人差があります。
※マウスピース橋正の主なリスク:虫歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・1日20時間以上のマウスピース装着が必須・マウスピースにより痛みを感じる可能性・治療中に一時的にかみ合わせに不具合をきたす可能性・リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみの着用推奨。
マウスピース矯正にかかる費用は部分矯正か全体矯正かで異なります。詳しくは以下の参考ページをご覧ください。
マウスピース矯正にかかる総額は、治療の範囲によって異なります。全体矯正の場合、相場は約60〜100万円。一方、前歯だけの部分矯正であれば10〜40万円程度が一般的です。
これらの金額には、多くの場合「初回カウンセリング」「口腔内検査(レントゲン・歯型採取など)」「マウスピース本体の製作費用」そして「通院時の調整料」などが含まれます。クリニックによっては、保定装置や再診料が別途必要なケースもあるため、事前に明細を確認しておくと安心です。
矯正治療は一括で払うには高額なため、多くの歯科医院では支払いを分割できるプランを用意しています。
医療ローンやクレジットカードの分割払い、あるいはデンタルローンといった選択肢があり、月々の負担を軽減することが可能です。ただし、いずれも審査が必要となるため、早めの準備が安心です。
また、原則としてマウスピース矯正は保険適用外ですが、事故や病気による咬合異常など、ごく限られたケースでは保険が使えることもあります。気になる方は、治療前に歯科医院や保険窓口に相談しましょう。
マウスピース矯正では、当初の見積もり以外に追加費用が発生することもあります。例えば、マウスピースの紛失や破損による再製作、歯の動き方に個人差が出た場合の治療計画の変更、治療の延長などが該当します。
また、リテーナー(保定装置)が別料金になることもあるでしょう。これらを防ぐためには、マウスピースの取り扱いに注意することや、日々の装着時間をきちんと守ることが大切です。
契約時に「追加費用が発生する条件」をしっかり確認しておくことで、あとからのトラブルを防げます。
マウスピース矯正の治療期間は、症例や装着状況によって異なりますが、一般的には数ヶ月から2年ほどです。早い方では、治療を始めて2〜3ヶ月ほどで歯並びの変化を感じ始め、5〜6ヶ月で効果を実感するケースもあります。ここでは、具体的に解説します。
マウスピース矯正は、症例の難易度によって治療期間が大きく異なります。以下の表に、代表的な症例ごとの目安期間をまとめました。
症例の程度 | 主な特徴 |
---|---|
軽度の不正咬合 | 前歯の軽いガタつき、すきっ歯など |
中度の不正咬合 | 前歯+犬歯のズレ、歯列全体のゆるい乱れ |
重度の不正咬合 | 抜歯が必要なケース、奥歯のズレ、骨格的な問題を伴う症例など |
マウスピース矯正の治療期間は一律ではなく、さまざまな要因が重なって決まっていきます。
例えば、年齢が若いほど歯の動きが早いため、治療も比較的スムーズに進みやすい傾向があります。逆に大人になると骨の代謝が緩やかになるため、やや時間がかかることもあるでしょう。
また、歯並びの初期状態や歯茎の健康状態、虫歯や歯周病の有無も治療の進行に大きく関わってきます。さらに、マウスピースの装着時間をしっかり守るかどうか、定期的な通院を怠らないかといった、日々の取り組みが治療結果を左右します。
マウスピース矯正の期間をできるだけ短く済ませるには、装着時間を守ることが何より重要です。
一般的に、1日20時間以上の装着が推奨されており、これを守らないと歯の動きが鈍くなってしまいます。また、毎日の口腔ケアを丁寧に行い、虫歯や歯周病のリスクを避けることも、スムーズな治療につながります。
加えて、歯科医院での定期検診を欠かさず受け、必要に応じたマウスピースの調整や再作成に迅速に対応することも大切です。こうした日々の積み重ねが、治療期間の短縮を可能にします。
ここまでマウスピース矯正について詳しく解説してきましたが、ほかの矯正方法との違いについても触れておきましょう。
それぞれのメリットとデメリットを理解して、自分にあった矯正方法を選ぶことが大切です。
ワイヤー(表側)矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす矯正方法です。
ワイヤー矯正は、痛みが強く、装置が目立ちます。
またマウスピースは取り外しが可能なため飲食や歯磨きがしやすいですが、ワイヤー矯正は歯磨きが非常にしづらく、虫歯のリスクがあります。
一方でワイヤー矯正は、マウスピースのような自己管理が必要なく、幅広い症例に対応可能というメリットがあります。
ワイヤー(裏側)矯正は、歯の裏側に矯正装置を付けて歯を動かす矯正方法です。
見えにくい部分に矯正装置を取り付けるため、マウスピース矯正と同じく目立ちにくいことが特徴です。
ワイヤー(裏側)矯正は、矯正装置を取り外すことができないうえに、装置が歯の裏側にあることで、舌に触れて滑舌に影響を与えやすいといったデメリットがあります。
費用面においても、マウスピース矯正より高額になることが多いでしょう。
外科矯正は、一般的な歯科矯正だけでは対応できない症例に対して、外科手術と組み合わせて行われる治療方法です。
例えば骨格に原因がある不正咬合などの症状に有効で、外科手術で骨のズレを修正してから、歯並びを整える矯正治療を行っていきます。
骨格の根本的な問題を解決することができるといったメリットがある一方で、治療期間が長くなり、費用も高額になってしまうといったデメリットがあります。
また麻酔や骨切りのリスクについても、あらかじめ理解しておくことが必要です。
マウスピース矯正には多くのメリットがありますが、効果的に治療を行うためにも、注意しておくべきポイントがあります。
マウスピース矯正では、マウスピースの装着時間を守ることが非常に大切です。
マウスピースは1日に20時間以上着用することが推奨されており、睡眠中も着用しなければいけません。
マウスピースの装着時間が不十分だと、矯正の進行が遅れたり、期待される結果が得られなかったりします。そのため、決められた時間は必ず装着するように患者自身の自己管理が必要です。
食事や歯磨きの際にはマウスピースを外すことができますが、それ以外の時間は極力着用を心がけましょう。
食事をする際には、必ずマウスピースを外すようにして、食事をした後は口をすすぐか歯を磨いてからマウスピースを装着するようにしましょう。
食べ物や飲み物がマウスピースに付着すると、虫歯の原因となったり、マウスピース自体の劣化を早めたりする原因となります。
またマウスピースを装着している時に選ぶ飲み物は、水がおすすめです。
マウスピースを付けたままコーヒーやジュースなどを飲むと、マウスピースに甘味料や着色料が付着して、虫歯や変色などの原因になってしまいます。
マウスピースをつけていると唾液の自浄作用が弱まり、歯に汚れがたまりやすくなります。これが虫歯や歯周病の原因になるため、毎日のケアは欠かせません。
食事をした後は、歯ブラシで入念に歯を磨くことが大事です。
デンタルフロスやマウスウォッシュを使って、歯と歯のあいだや歯茎の周りに溜まったプラークを取り除くことで、口腔内を清潔に保つことができます。
口腔内だけでなく、マウスピース自体もきれいに保つようにしましょう。
ぬるま湯でマウスピースを洗い、専用のクリーナーや歯ブラシでやさしくブラッシングしましょう。熱湯を使ったり強くこすりすぎたりするとマウスピースが変形するので、注意が必要です。
またマウスピースを使っていないときは、清潔なケースに入れて保管しましょう。
マウスピースは取り外しできるため、紛失してしまう場合があります。
紛失してしまうと、新しいマウスピースを作り直す必要があり、追加の費用がかかるだけでなく、矯正治療の期間が延びてしまいます。
マウスピースを使用しない時は、専用のケースに入れて保管するようにしましょう。これにより、紛失や汚れを防いで、マウスピースを安全に保管することができます。
外出時には、必ずマウスピースのケースを携帯する習慣をつけるとよいでしょう。
マウスピース矯正にはさまざまなブランドと料金形態があります。
マウスピース矯正の料金形態には、プラン制・回数制があります。それぞれの料金形態によって、最終的な出費が異なるので、治療全体にかかる総額(トータルフィー)を確認するようにしましょう。
回数制では初期費用が安くみえても、治療全体で見たときに総額が高くなることがあります。
また通院の頻度も重要なポイントです。 通院不要のブランドは費用が安く、非常に楽なように見えますが、
"予期せぬ大きな問題を引き起こす可能性があり歯科医学的観点から非常に危険です。"
と述べており、注意が必要です。
出典元:公益社団法人 日本矯正歯科学会 ポジションステートメント マウスピース型矯正装置による治療に関する見解 第2版
主要なマウスピース矯正ブランドはいくつかありますが、それぞれに異なる強みや治療対象、費用の目安があり、選び方次第で満足度に大きな差が出てきます。
以下の比較表では、代表的なブランドをピックアップし、その特徴や適応症例、平均的な費用について整理しました。
ブランド名 | 特徴 |
---|---|
インビザライン | 世界的に実績が豊富。全顎対応、精密な設計が可能 |
キレイライン矯正 | 前歯中心の部分矯正向け。短期間・低価格が魅力 |
Oh my teeth | 通院を最小限に抑えた自宅管理型の矯正プラン |
hanaravi(ハナラビ) | オンライン診療を導入。リーズナブルな価格設定 |
このように、価格帯や対応できる歯並びの範囲はブランドごとに異なります。費用だけでなく、自分の症例に適しているかどうか、通院のしやすさなども含めて検討することが大切です。
歯科医院によっては、複数ブランドを扱っているところもあるので、無料相談などを活用して比較してみると良いでしょう。
マウスピース矯正は、早い人だと2〜3か月ほどで前歯の歯並びに変化を感じ始めることが多いです。
ただし、矯正の効果が見た目で実感できるまでの期間には個人差があります。症状の程度やマウスピースの装着時間をしっかり守っているかどうかによっても、結果の出方は変わってくるでしょう。
歯並びの状態によって適した矯正方法は変わりますが、近年では多くの方にとってマウスピース矯正が効果的かつ快適な選択肢になりつつあります。
特に軽度〜中度の症例であれば、マウスピース矯正でも十分な効果が期待でき、見た目や日常生活のしやすさを重視したい方にはおすすめです。
マウスピース矯正は、装置が透明で目立ちにくく、周囲に気づかれにくいのが特徴です。また取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際にも普段通りに過ごすことができ、衛生面でも安心です。
一方で、抜歯をともなうような重度の不正咬合や、歯を大きく動かす必要があるような複雑な症例では、ワイヤー矯正が必要になることもあります。ただし、そうしたケースは一部に限られており、多くの人にとってはマウスピース矯正でも十分対応可能です。
治療効果に加えて見た目や快適さも大切にしたいなら、まずはマウスピース矯正から検討してみると良いでしょう。
マウスピース矯正とワイヤー矯正は、患者の症例に応じて併用が可能です。例えば、歯の大きな移動にはワイヤーを用い、細かな位置調整をマウスピースで行うといった方法があります。
両者の特性を活かすことで、効率的で見た目にも配慮した治療が可能です。ただし、併用の可否は歯並びの状態によって異なるため、事前に歯科医師の診断を受けることが大切です。
子どもと大人では、マウスピース矯正の目的や治療の進め方に違いがあります。子どもは顎の成長を活かして歯列の土台から整える治療が可能で、将来の不正咬合を予防する効果も期待されます。
一方、大人はすでに骨格が完成しているため、歯の位置の調整が主な目的です。また、子どもには成長に合わせた装置、大人には精密に設計されたマウスピースが使われます。管理方法や装着時間の意識にも違いが見られます。
本記事では、マウスピース矯正について詳しく解説しました。
マウスピース矯正の基本からメリット・デメリット、治療の流れ、費用や期間、さらにはブランドの選び方まで、幅広く理解できたのではないでしょうか。
マウスピース矯正は目立ちにくく、日常生活に影響を与えにくいという大きなメリットがあります。一方でマウスピースの自己管理や装着時間など、気をつけることも多いです。
マウスピース矯正の特徴を理解して、自分に合った矯正方法を検討するようにしましょう。
気になったら、まずは歯科医院のカウンセリングから始めることをおすすめします!
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スマイルモア矯正を始める場合は、お申込用紙にご記入いただきます。一旦、お家に持ち帰って検討してももちろんOKです。
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