公開日: 2023/12/02
更新日: 2024/09/30
抜歯矯正で口元が引っ込みすぎてしまわないか、お悩みではありませんか?
この記事を読むことで、抜歯矯正と口元の変化について、安心して治療を進めることができるでしょう。抜歯矯正についての知識を深め、自信を持って次のステップに進むための参考にしてください。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
「口元が引っ込む」とは、抜歯矯正により歯が後方に移動し、その結果口元全体が引っ込むことを指します。
具体的には、前歯が後ろに引っ込むことで、唇の裏のスペースが減少し、口元が後退するように見える状態です。
口元が引っ込みすぎる原因を5つ説明していきます。
抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因は、抜歯が必要なかったということです。
歯科矯正では、歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要な場合があります。しかし、この抜歯の判断を誤り、必要ないにも関わらず抜歯を行うと、結果として口元が引っ込みすぎることがあります。
口元の突出具合はレントゲン検査などを基準に慎重に分析し判断する必要があります。
Eラインとは、理想的な横顔を形成するための基準線で、顎と鼻の先端を結ぶラインのことです。唇がこのEラインより内側にある場合、横顔が整っていると言われます。
Eラインを過剰に意識してしまい、抜歯矯正を行って口元が引っ込みすぎてしまったというケースも少なくありません。
歯科矯正では、単に歯の位置だけでなく、鼻の位置や高さ、口唇の形や厚み、顎の形状や骨格、輪郭など、Eラインを含めた顔全体のバランスを考慮する必要があります。
特に抜歯矯正を行う場合、抜かれた歯のスペースを利用して他の歯が動きやすくなります。
この際に歯が予定以上に大きく動くと、結果として口元が引っ込み過ぎてしまうのです。
希望する口元や横顔と、歯科医師の治療計画が一致していない場合、理想の口元にはなりません。
矯正治療前にできるだけ歯科医師に希望を伝えることが重要です。
矯正歯科は高度な専門性を要する分野です。歯科医師が間違った診断をすると、適切なゴールを実現できない場合があります。
歯科医師は、患者の希望を踏まえた上で、「抜歯が必要か」「どの程度の歯の移動が必要か」など慎重に検討する必要があります。
信頼できる医師を選ぶことで、安全で効果的な矯正治療を受けることができます。
抜歯矯正とは、抜歯を伴う歯列矯正のことをいいます。小さい奥歯である、小臼歯を抜歯することが一般的です。
抜歯して矯正を行わないとスペースが不足して理想的な歯並びにならない場合に用いられます。
では、抜歯矯正はどのような目的で行うのか、どのような流れで進んでいくのか詳しく解説していきます。
抜歯矯正の目的は、理想の歯並びに改善するために不足しているスペースの確保です。下記のような状態を改善するために行われます。
・重度の叢生
・ひどい出っ歯
・口ゴボ
小臼歯という奥歯を抜歯することで、歯を並べるスペースを確保して矯正を行います。
抜歯矯正の流れは以下のように進みます。
初診です。歯科医師へ自分の要望・悩みを詳しく伝えます。 そして歯科医師が現状の歯並びなどをチェックし、どの治療法が適しているのかなど説明を受けます。この段階までは無料のクリニックが多いです。
詳細な治療計画をたてるために、歯型のスキャンやレントゲン等の検査を行います。数千円~5万円程度の費用がかかります。
検査結果を元に、どのような流れで治療が進んでいくのか説明を受けます。この際、自分の要望通りになるかどうか、悩みが解決するかなどの確認が必要です。 このタイミングで、抜歯についても詳しく説明があるでしょう。計画に納得ができたら、契約に移ります。
矯正器具をつける前に抜歯を行うことが多いですが、矯正治療開始後に抜歯することもあります。 抜歯自体の費用は抜く歯によって変動し、保険適用外の場合が多いです。
抜歯後の矯正器具は、代表的なものは下記になります。
・ワイヤー(表側)矯正
・ワイヤー(裏側)矯正
・マウスピース矯正
抜歯完了後、矯正器具をつける治療へと移ります。
通院頻度は、ワイヤー矯正・マウスピース矯正など、どの治療法を選択したかによって異なります。
クリニックによっても異なりますが、一般的な通院・経過観察についてです。
・ワイヤー矯正の場合:月に1回程度
・マウスピース矯正の場合:2~3ヶ月に1回
「保定期間」とは、矯正治療が完了した後に後戻りを防ぐために歯を固定する期間を指します。
この時期には、歯並びが綺麗に整った状態を維持するために、リテーナーを使用します。
リテーナーを使用しないと、歯は元の位置に戻ろうとするため、保定期間の遵守が非常に重要です。
抜歯矯正により口元が引っ込みすぎると、次のような影響があります。
口元が引っ込みすぎると、顔の印象が貧相に見えることがあります。これは、口元がしぼんでしまうような感じになるためです。
歯を抜くことで口元が内側に後退し過ぎると、ほうれい線が濃くなったように感じることがあります。装置を長期間付けて過ごしたことによる、表情筋の衰えが影響していることもあります。
口元が引っ込みすぎると、顔のバランスが崩れ、あごがしゃくれたように見えることがあります。
特にEラインに過度にこだわると、口元が過度に後退し結果として、下顎が飛び出て見える可能性があります。
抜歯を行い前歯が後方に移動すると、それに伴い上唇も後方に引っ張られます。
唇の位置が変わると、人中(鼻と上唇の間にある縦向きの溝)が相対的に長く見えてしまいます。結果、顔の印象が面長になってしまうことにつながります。
抜歯スペースが適切に埋まらない場合や、歯が正しい位置に移動しない場合に生じます。 咬み合わせが悪くなると、咀嚼機能の低下や顎関節症のリスクが高まる可能性があります。
信頼できる医院やクリニックの選択は非常に重要です。治療前の精密検査や十分な説明が行われるかどうかを確認しましょう。
また、ドクターの経歴や口コミ評価を調べることで、より安心できる治療を受けることが可能になります。不安がある場合は、セカンドオピニオンを活用することも一つの手段です。
歯列矯正における口元の引っ込みを防ぐためには、まず医師とのコミュニケーションが不可欠です。
理想の仕上がりを医師に明確に伝え、治療計画をしっかりとすり合わせましょう。インターネットで医師の技術や経歴を調べることも大切ですが、それ以上に、直接コミュニケーションを取ることで、仕上がりのイメージのズレを防ぐことができます。
もしコミュニケーションが取りづらい場合や理想とする結果に不安がある場合は、クリニック内でのドクター変更やクリニック自体の変更も検討する価値があります。
特に抜歯矯正を行った場合、歯の移動距離が大きくなるため、口元の変化に注意しなければいけません。治療の進行状況を確認し、必要に応じて治療計画の調整を行うことが大切です。
また、自分の口元の変化に敏感になり、違和感を感じたらすぐに医師に相談しましょう。
抜歯矯正後に口元が引っ込みすぎてしまった場合の対処は非常に難しいですが、不可能ではありません。
原因によっては、再矯正や補綴治療が必要となる場合もあります。
口元の引っ込み過ぎが気になる場合、再矯正を検討することが一つの方法になります。早期発見できた場合は、治療計画の修正だけで対応できる場合もあります。
補綴治療とは、欠損した歯を補う治療のことです。ブリッジやインプラントなどを用いて、抜歯して余ったスペースを補うことが可能です。
顎の位置や大きさが原因で口元が引っ込み過ぎている場合、顎の骨を調整することで対応できる場合があります。特に下顎が非常に小さい場合などは、外科手術も考慮する必要があります。
一般的に抜歯矯正において抜歯されるのは第一小臼歯で、その大きさは約6〜7.5mm程度です。しかし、抜歯によって生じたスペースと前歯が引っ込む量は必ずしも比例しません。
例えば前歯が前に傾いている場合は、抜歯によるスペース確保の効果が出やすく、口元が大きく引っ込む傾向にあります。 逆に、不必要な抜歯やEライン(横顔のライン)を考慮しない矯正を行うと、口元が引っ込みすぎる原因となることもあります。
抜歯矯正によってしゃくれることは、残念ながら起こり得る状況です。しゃくれる原因は、口元が下がりすぎることです。
例えば、出っ歯を治すために適切な位置以上に歯を後ろへ移動させると、口元が引っ込みすぎ、しゃくれたように見えることがあります。
本記事では、抜歯矯正による口元の引っ込み過ぎについて、その原因と予防策を詳しく解説しました。抜歯矯正後に口元の引っ込みたと後悔しないためには、矯正治療の選択肢を慎重に検討し、矯正歯科医との綿密なコミュニケーションを保つことが必要です。
この記事を通じて、抜歯矯正に関する不安を解消し、適切な知識を持って矯正治療に臨むことができるようになることを目指しています。
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