公開日: 2023/11/17
更新日: 2024/09/30
「前歯が大きいから、歯を見せて笑いづらいなぁ...」と、前歯が大きいことで悩んでいませんか?
この記事では、前歯が大きく見える原因や、前歯を小さく見せる方法などについて詳しく解説しています。
前歯の大きさで悩んでいる方はぜひ参考にしてください!
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
前歯が大きいというのは、一般的に上顎中切歯(上の前歯)が他の歯に比べて目立つほど大きく見える状態です。
・実際に前歯が大きいタイプ
・歯並びによって前歯が大きく見えるタイプ
の2つのタイプに分かれます。
これらの違いを詳しく知るために、まずは歯の平均的な大きさについて解説します。
日本人の標準的な上顎中切歯(上の前歯)の大きさ(幅)は、
男性:約8.6㎜
女性:約8.3㎜
とされています1)。したがって、歯の幅が9mm以上の場合、前歯が大きいと言えるでしょう。
また、上顎中切歯の長さの平均は、**約11.7㎜**です2)。13㎜超える場合、前歯が長いと言えるかもしれません。
簡単なセルフチェックで、自分の前歯が大きいのか確認してみましょう!
まず、上顎中切歯(上の前歯)の幅を測ります。日本人の平均的な大きさは、幅が男性:約8.6mm、女性:約8.3㎜、高さが**約11.7㎜**です。これを基準に、自分の前歯がこれよりも大きいかどうかを確認してみましょう。
9mmのまつエク(まつ毛エクステ)を使用している方は比べやすい基準になるかもしれません。
前歯が大きい人は、
・実際に前歯が大きいタイプ
・歯並びによって前歯が大きく見えるタイプ
の2つのタイプに分かれます。
それぞれ原因も異なりますので、原因に応じた解決策を考える必要があります。
歯の形や大きさは親から子へ遺伝することもあります。 両親の前歯が大きければ、その特徴が子どもにも現れる可能性が高くなります。
前歯の横の歯が通常よりも小さい(矮小歯)ことで、前歯が大きく見えることがあります。
矮小歯は日本人の1~2%に出現します3)。
歯周病は、歯肉の腫れや炎症を起こし、歯茎が下がっていきます。この歯肉退縮が進行すると、今までは見えなかった歯の根が見えるようになり、歯が長く大きく見えます。
歯肉退縮の理由の一つに、不適切な歯みがきがあります。
強く磨きすぎたり、硬いブラシを使ったりすると、歯茎にダメージを与え、歯茎が下がりやすくなってしまうのです。
日々のちょっとした癖が、実は前歯に影響を及ぼすことがあります。 指をしゃぶる、ペンをかじる、爪を噛むなどの行動は、前歯に良くない力を加えます。長く続けると、前歯が前に出たり、歯並びが乱れる原因となります。
前歯が前に出ると、他の歯と比べて目立ちやすくなります。隣の歯が引っ込むと、前歯がさらに大きく見えるでしょう。
歯を磨くことは、ただ口内環境を良くするだけでなく、歯周病や虫歯を防ぐ大切な習慣となります。
特に、歯肉炎や歯周病は前歯が目立つ原因にもなり得るため、正しい歯磨き方法を身につけることが重要です。
リップメイクの工夫で、前歯を目立たなくする方法をご紹介します。
口角が上がって見えることで、口元の印象が変わります。視線が唇に移り、前歯が目立ちにくくなるでしょう。
これにより唇に立体感を出すことができ、前歯の目立ちを抑えることができます。
鮮やかすぎる色や光沢は前歯を引き立てるため、控えめな色を選びましょう。
日々の姿勢や表情は、前歯の見た目にも非常に重要です。
・背筋を伸ばす
・笑顔を心がける
といった習慣を意識しましょう。
猫背や前かがみの姿勢は、下顎が下がり、前歯が目立つ原因の1つです。背筋を伸ばし、良い姿勢を保つことで、前歯が目立ちにくくなる効果があります。
また、常に不機嫌な表情は口周りの筋肉が発達せず、前歯が見えやすくなります。 一方で笑顔は顔の筋肉を均等に使うため、綺麗な歯並びを促す効果もあります。
良い姿勢と笑顔は、前歯の見た目だけでなく、全体的な印象にも良い影響を与えます。
矯正治療では、絶対的な歯の大きさ自体は変わりません。しかし、歯並びのガタツキや出っ歯によって歯が大きく見える場合に有効な治療法です。
大きく見える前歯をブラケットやワイヤーを用いて矯正治療します。 全体矯正だけでなく、前歯だけのような部分矯正にも対応可能ですが、装置が目立ちやすいというデメリットがあります。
透明なマウスピースで目立たつことなく、大きく見える前歯を矯正治療できます。特に前歯は他人からよく見られるため、透明なマウスピース矯正が選ばれやすいです。
取り外し可能で、外したい場面では外して会話や食事も可能です。
審美歯科では、歯の形を変えることで歯の大きさそのものを変えることができます。ただし歯を削る必要があるので、歯の寿命が短くなったり、痛みが出ることも。
ラミネートベニヤは、歯の表面に薄いセラミックのシェルを貼り付ける治療法です。この方法は、大きな前歯のサイズを調整し、見た目を改善するのに効果的です。
特に、歯の形や色を変えたい場合に適しています。
ラミネートベニヤは、歯を削るものの、下で紹介するセラミッククラウンより歯のダメージは少ないのが特徴です。
しかしラミネートベニヤは、割れたり取れたりする可能性があるので注意が必要となります。
クラウンとは、歯の形や大きさを整えるために、歯全体を覆うキャップのような被せ物です。 大きな前歯の場合、セラミッククラウンを使用して歯の大きさを調整し、全体のバランスを整えることができます。
セラミッククラウンの注意点として、歯を大きく削るため、歯を痛める・神経をとる・寿命が短くなるといったリスクがあるため、あまり推奨できる方法ではありません。
ダイレクトボンディングは、樹脂を使用して歯の形や色を改善する治療法です。小さな修正や、少しの歯の隙間を埋めるのに適しています。
歯をほぼ削らず1回の診察で完了するのがメリットですが、色が変わりやすく、耐久性も低いのがデメリットです。
大きい前歯を治すためには自分に合った方法を選ぶことが必要です。 歯並びのガタツキによって前歯が大きく見えるだけなのか、それとも本当に前歯自体が大きいのか、それぞれの原因によって治療法が異なります。
矯正治療や審美歯科治療は保険適用外であり、高額になりやすいです。 治療を選ぶ際は、自分の予算を明確にし、費用を含めて適切な治療法を選ぶことが大切となります。予期せぬトラブルで追加の費用がかかる可能性も考慮し、無理のない範囲で計画を立てましょう。
治療期間は治療法によって大きく異なります。
例えば、矯正治療は数ヶ月から数年かかります。審美歯科治療は比較的短期間で完了することが多いですが歯を痛めるというデメリットも多いです。
自分の生活や目的に合わせて、治療期間を考慮することが重要となります。
治療法には長期的な目線で見た時にリスクが伴うことがあります。
歯を削る審美歯科治療では歯の寿命が短くなりますし、矯正治療後はリテーナーの使用が必要になるのが良い例でしょう。
治療法を選ぶ際には、長期的なメンテナンスや将来的なリスクも考慮し、自分にとって良いと思える選択をすることが重要です。
前歯が目立つほど大きい場合、削ることでサイズを調整することがあります。
この処置は、歯の大きさや形が不揃いな場合に行われます。
しかし歯を削ると、痛みが出たり、歯の健康や寿命に影響を与えたりするため、推奨される処置ではありません。
そのため、前歯を削ることを検討している場合は、必ず歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
本記事では、「前歯が大きい」という悩みに焦点を当て、その原因から自己診断の方法、さまざまな治療オプションに至るまで詳しく解説しました。
この記事が、前歯の大きさに関する悩みを持つ方々にとって有益な情報源となり、より自信を持って笑顔を見せるための一助となれば幸いです。
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