公開日: 2024/01/11
更新日: 2024/09/30
「マウスピースをつけ始めたけど、お手入れはどうしたら良いんだろう...」とお悩みではありませんか?
矯正用のマウスピース中心で解説しますが、ナイトガードもお手入れ方法は同様です。本記事を参考に、マウスピースを清潔に保ちましょう!
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
使用したマウスピースは洗浄するべきです。汚れが残っているなど、不衛生な状態のまま放置すると、次のような恐れがあります。
①虫歯や歯周病のリスクが高まる
②口臭がキツくなる
マウスピースに汚れが付着したままだと、そこから細菌・カビが増殖しやすくなります。
また、マウスピースをつけている時はツバの巡りが悪くなるため、口の自浄作用も低下しています。
そのため、マウスピースは定期的に洗浄し清潔な状態を保つ必要があります。
マウスピースの洗浄剤を「家庭にあるもので代用しよう」と考える方は多いですが、おすすめしません。
例えば次のもので代用しようとする方がいらっしゃいますが、それぞれデメリットが存在します。
重曹や歯磨き粉には、研磨作用があり、マウスピースを傷つけてしまうため使わないことを推奨します。
傷がついてしまうと、その部分に汚れや細菌がつきやすくなってしまい、結果的に虫歯・口臭の原因になりかねません。
入れ歯用の洗浄剤には、強い漂白剤が含まれていることがあり、マウスピースの素材を痛めてしまう可能性があります。
そのため、入れ歯用洗浄剤で代用するのもおすすめできません。
洗浄剤には①つけ置きタイプ、②泡・スプレータイプの2つがあります。
それぞれどのような特徴があるのか説明します・
水・ぬるま湯に洗浄剤を入れて、5〜15分ほどつけ置いてマウスピースを洗浄します。メーカーによって、つけ置く時間は異なります。
つけ置きタイプの利点としては、マウスピース全体、隅々まで洗浄剤が行き渡り洗浄できることです。
スプレーをかけた後にささっと洗うだけなので、1分程度でお手入れを済ませることができます。
そのため、スプレーを携帯しておき、外出先でも手軽に使えるのが便利な点です。
しかし、つけ置きタイプと比べると費用が高いことが多いです。
「99.9%除菌」「酵素配合」とあるような洗浄剤は洗浄・除菌効果を確認するポイントになるでしょう。
家で使用する分には長くても問題ないかと思いますが、外出先で使用する際には短時間で洗浄できるものを選ぶと良いでしょう。
つけ置きタイプ、泡・スプレータイプに分けて洗い方を紹介しますが、商品によって細かい仕様が異なる場合があるため、実際に洗う際はその商品の使用方法をしっかり読むようにしてください。
①洗浄剤を準備
規定の水(ぬるま湯)の量に対して洗浄剤を1錠入れ、洗浄液を作ります。
②指示に従って浸け置く
普通の汚れは5分程度で落ちますが、汚れがひどい場合は延長してつけておくと良いでしょう。
③洗い流す
水で洗浄液をマウスピースから洗い落とします。この際、無理にブラッシングなどはせずに洗い落とすようにしましょう。
①洗浄剤をマウスピースにかける
この際、メーカー指定時間より長く放置すると、汚れがマウスピースに再付着することがありますので、商品の説明に従ってください。
②柔らかいブラシや指で磨く
③流水でしっかりすすぐ
水で洗浄液をマウスピースから洗い落とします。成分が残っていると、マウスピースを装着した時の不快感につながるのでしっかり洗い流しましょう。
水滴を拭き取る際には、柔らかいタオル・ティッシュペーパーなどを使用しましょう。外側・内側などできる限り湿気を取り除きます。
洗った後、拭かずに放置すると、カビの原因にもなりかねませんのでできる限り水滴は拭き取りましょう。
直射日光が当たらず、湿度の低い場所で自然乾燥させるのがベストです。
通気性の良い専用ケースなどもあるので、そういったものを利用すると良いでしょう。
完全に乾いているか確認してからケースで保管しましょう。水分が残った状態で密閉されたケースに入れてしまうと、細菌・カビが増殖する可能性があります。
マウスピース・リテーナー・ナイトガードの洗浄剤を、つけ置きタイプと泡・スプレータイプ別で、おすすめの洗浄剤を紹介します。
画像出典元:ポリデントデンタルラボ
・除菌率99.9%
・日本歯科医師会が推薦しており安心できる
画像出典元:ライオンケミカル株式会社
・除菌率99.9%
・酵素配合でしっかり洗浄
画像出典元:ピュオーラ(アマゾン)
・独自洗浄技術で、落ちにくいヌメリや匂いを落としてくれる
・無香料のため、何の香りもない方が良い方におすすめ
画像出典元:ポリデント(アマゾン)
・1本125mlのサイズのため、携帯しやすい
・1分でニオイ菌を99.99%除菌
・部分入れ歯用だがマウスピースもOK
・研磨剤不使用
・ミントの香り
毎日マウスピースを使う場合、大容量の洗浄剤を購入することをおすすめします。
ただ、100均にも少量にはなりますが、マウスピース用の洗浄剤が売っています。
例えばダイソーでは、『デントクリア マウスピース洗浄剤』の12錠のものが販売されています(2023年12月現在)。
48錠入のものが一般的ですが、そこまで量が必要ない場合や、試しに使ってみたいといった場合は100均の少量のものが良いでしょう。
また、100均ではマウスピース・入れ歯用のケースを扱っているため、これをつけ置きするための容器にするとサイズもピッタリで便利です。
食後の歯磨きをする際に、一緒に水洗いすることをおすすめします。 最低でも、1日1回寝る前のタイミングで水洗いしましょう。
就寝中は唾液の量が減り、唾液の流れが悪くなります。
マウスピースを洗浄せずに寝てしまうと、細菌が繁殖しやすい状態で長い時間過ごすことになるため、寝る前は必ずマウスピースを洗うようにしましょう。
特にカレー・コーヒー・ワインなどを飲食した後、歯磨きせずにマウスピースを装着すると色が付着しやすいです。
もし流水、柔らかいブラシで汚れが落ちない場合、洗浄液を使って清潔に保ちましょう。
製品によっては、毎日洗浄剤を使用しても問題ないですが、必須ではありません。ただし、水や柔らかいブラシを使っての水洗いは毎日必要です。
洗浄剤を使う頻度としては、週に1〜3回で十分という歯科医師が多いです。
プラスチック製のマウスピースは熱湯で洗うと変形したり材質を損なう恐れがあります。
そのため、常温・ぬるま湯を使用して洗浄しましょう。
硬いブラシで磨いてしまうと、マウスピースに細かい傷がついてしまいます。
傷がつくと、そこに汚れが溜まりやすく、結果そこから菌が繁殖しやすくなってしまいます。
そのため、マウスピースや入れ歯を磨く用の柔らかいブラシを使用して磨くことをおすすめします。
透明なマウスピースの場合、紛失してしまったり間違って捨ててしまう方も中にはいらっしゃいます。
また、犬にマウスピースをかじられて破損してしまったという方もいます。そのため、ペットを飼っているご家庭は保管場所にも注意を払う必要があるでしょう。
マウスピースの洗浄方法と、おすすめの洗浄剤について解説しました。
洗浄剤にはつけ置きタイプと泡スプレータイプの2種類があり、つけ置きタイプは家での洗浄に。泡スプレータイプは外出時に便利です。
また、洗う際には注意点もあるため、本記事で解説した注意事項を守ってしっかりお手入れをして、マウスピースを清潔に保ちましょう!
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