公開日: 2024/01/11
更新日: 2024/09/30
本記事では、過蓋咬合の原因やリスク、マウスピース矯正を含む治療法について解説。子どもと大人それぞれの対処法や、治療に必要な費用・期間についても詳しく紹介します。
本記事を最後まで読んで、過蓋咬合への理解を深め、適切な治療方法を見つけましょう。
記事の編集・責任者歯科医師高橋涼太先生
千賀デンタルクリニック分倍河原MINANO医院 院長。日本大学歯学部 卒業。
過蓋咬合(ディープバイト)は、マウスピース矯正で治療可能です。
そもそも過蓋咬合とは何なのか?マウスピース矯正でどのように治すのかについて解説していきます。
過蓋咬合(ディープバイト)は、前歯が深く噛み合っている歯並びのことで、上の歯が下の歯を覆い隠してしまっている状態を指します。
遺伝によるあごの骨格の問題や、日常的な癖による後天的な発症など、過蓋咬合になる要因はさまざまです。
過蓋咬合は見た目だけでなく、さまざまな影響を与えます。
例えば噛み合わせが深すぎることで、下の前歯が上あごの内側に触れて傷つけ、歯茎に炎症を起こしてしまう場合があります。
また、過蓋咬合は顎関節症を引き起こしやすくなることも問題です。
マウスピース矯正で過蓋咬合を治療する場合、過蓋咬合専用のアタッチメントやバイトランプというシステムを使用することで、効果的に治療可能です。
※画像は、「インビザライン®G5機能(ディープバイト改善)の4つの異なる歯列矯正の症状への適用」より引用、修正.
奥歯を引っ張りながら高さを出す「奥歯の挺出」や、前歯を歯茎の方向に押し込んで噛み合わせを浅くする「前歯の圧下」により治療されます。
大人の過蓋咬合治療には、マウスピース矯正がよく使用されます。
過蓋咬合で抜歯が必要となる症例は5%と非常に少なく、マウスピース矯正に向いていると言えます。
過蓋咬合をマウスピース矯正で治療する場合、バイトランプやアタッチメントというマウスピース矯正オリジナルのシステムを利用した歯の移動に加えて、前方拡大によって上下の前歯を正しい角度に戻すことで、咬み合わせを浅くします。
過蓋咬合の治療としてマウスピース矯正を行う場合、インビザラインでは平均85万円程度が目安です(スマイルモア矯正調べ)。
過蓋咬合が重度であったり、マウスピース矯正だけでは対応できなかったりする場合、追加でワイヤー矯正が必要になることもあります。この場合、追加費用が必要になり、合計100万円を超える可能性もあります。
大人の過蓋咬合治療にかかる期間は、11か月~2年6か月で平均1年8か月です(スマイルモア矯正調べ)。抜歯は不要な場合がほとんどです。
軽度であれば比較的短い期間で治療できることもありますが、重度の歯並びや複雑な症状になっている場合は、治療期間が伸びることもあります。
子供の矯正治療は、3歳~12歳くらいの乳歯と永久歯が混在した時期(混合歯列期)に行う「1期治療」を指します。
小児矯正の1期治療では、「歯を直接動かす治療」よりも「骨や筋肉のバランスを整え正しく成長させる治療」がメインです。
子どもの過蓋咬合(ディープバイト)の治療には、機能的矯正装置や咬合斜面板などが使用されます。
これらの装置で骨や筋肉のバランスを整え、噛み合わせを浅くすることを目的としています。
子どもの過蓋咬合治療にかかる費用は、歯並びの程度や治療方法によって異なります。
一般的に、機能的矯正装置を使用する場合、治療費は約30〜50万円程度が目安です。
ただし子供の矯正(1期治療)がうまくいかなかった場合、大人の矯正(2期治療)が必要になります。2期治療の費用は、大人の矯正費用と同程度必要です。
すべての乳歯の生え変わりが完了するまで治療が行われます。
一般的に永久歯が生えそろう時期は、12~13歳ですので、歯並びが気になりやすい9~10歳頃から治療を開始すると、過蓋咬合の治療期間は2~4年程度となります。
1期治療の2~4年程度に加え、大人の過蓋咬合矯正期間の1~2年程度が追加で要します。
過蓋咬合(ディープバイト)はさまざまな原因によって引き起こされます。 どのような原因が考えられるのか、詳しくみていきましょう。
上あごの成長だけ著しく、上あごの骨が長くなってしまっていると、上の前歯が下の前歯を覆うような深い噛み合わせになってしまいます。
この場合、笑ったときに歯ぐきが大きく見えるガミースマイルを伴うことが多いです。
また、下あごの成長が追いつかず骨格が小さい場合にも、下の前歯が覆われ、過蓋咬合を引き起こします。
このようなあごの骨格のズレは成長期に起こります。そのため、あごの成長になんらかの異常を感じたら、早めに歯科医師に相談することが大切です。
奥歯が抜けた状態を放置したりすると、奥歯の咬み合わせが低くなります。
奥歯の支えがなくなってしまった結果、前歯の咬み合わせが深くなり過蓋咬合となります。
また、虫歯を治療しないことで奥歯の高さが失われたり、何度も治療をした結果奥歯の高さが低くなったりし、噛み合わせが深くなることもあります。
こうならないためにも、虫歯は放置せずに早期の治療を心がけましょう。
乳歯を早いうちに失った場合、永久歯が十分な高さで生えてこないことがあります。
永久歯の高さが足りないと過蓋咬合になるだけでなく、あごの骨の位置や動きにも影響が出て、長期的に顎関節に負担がかかります。
上の前歯のサイズが大きかったり、通常より長く伸びすぎていたりすると、そのぶん下の前歯に大きく被さってしまいます。
それだけでなく、上の前歯が伸びすぎていると、口を閉じた時の顔の印象にも影響を与えるため、早めに治療を行うことが望ましいでしょう。
歯ぎしりや食いしばりも、過蓋咬合を引き起こす原因となります。
無意識に上下の歯を強くこすり合わせたり、噛みしめたりする習慣は、歯に大きな圧力をかけ、時間とともに歯が削れていきます。 奥歯がすり減るにつれて、高さが低くなり、過蓋咬合が生じます。
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因とも言われています。習慣を改善するためには、ストレスの原因を取り除くことが必要です。
虫歯治療やかぶせ物の交換が頻繁に行われると、歯の形や高さが変わり、噛み合わせに影響を及ぼします。
具体的には治療を重ねるたびに、歯がもとの形を失って、正しい噛み合わせを保てなくなり、過蓋咬合へと進行する場合があるのです。
過蓋咬合(ディープバイト)は、見た目にも健康にも問題を引き起こす可能性があります。 ここからは、どのようなリスクがあるのか解説していきましょう。
過蓋咬合の状態では、上の前歯が下の前歯を大きく覆っているため、下の前歯が上あごの歯茎に接触しやすいです。
この状態が続くと、上あごの歯茎に傷がついて、炎症を引き起こすことがあります。
さらに、慢性的に歯茎へ圧力がかかっていると、上の前歯に咬合性外傷というダメージを与え、最終的には歯を失う原因にもなり得るので注意が必要です。
過蓋咬合の状態では、下あごの骨が後ろに押し込まれることで顎関節への負担が大きくなり、顎関節症を引き起こす原因となります。
過蓋咬合の状態では、あごの骨が後ろに押し込まれ、その結果、あごが短いような印象を与えてしまうのです。
また笑った時に、歯茎が目立つガミースマイルと呼ばれる表情になることもあります。
過蓋咬合の状態では、奥歯への歯科治療、例えばインプラントや被せ物などの施術が難しい場合があります。
噛み合わせが深いと、奥歯にかかる負担がとても大きいため、奥歯に詰め物や被せ物を入れても、外れたり壊れたりしやすくなります。
そのため、セラミックのように"厚み"がないと壊れやすい材料での治療は特に難しくなります。
このような場合効果的な歯科治療を行うために、まずは過蓋咬合を改善することが重要です。
過蓋咬合(ディープバイト)を治療すると、逆にあごがしゃくれてしまうのでは?と気になっている人が多いです。
しかし、過蓋咬合の治療によって顔の印象が多少変わることはあっても、しゃくれることはありません。
しゃくれてしまったと感じる場合、その理由は主に2つあります。
過蓋咬合の人は、噛み合わせが深いため、もともとあごが短く見えがちです。そのため治療で噛み合わせを浅くすると、短く見えていた顎が長くなり、以前よりも顔全体が長く見えることがあります。
もうひとつの理由は、過蓋咬合の人は噛む力が強く、顔のエラが張りやすいことです。
矯正治療で奥歯を引き出すと、角張って見えていたエラが強調されにくくなり、フェイスラインがシャープになることがあります。
これにより、治療後にしゃくれたように感じる場合があります。
本記事では、過蓋咬合(ディープバイト)に関するさまざまな疑問について解説しました。
過蓋咬合になってしまう原因やその影響、引き起こされるリスク、そして治療法などについても、理解が深まったでしょうか。
過蓋咬合の治療を検討している場合には、まずは信頼できるスマイルモアで相談してみましょう!
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